弟子入りした経緯
私は、女子美術大学芸術学部工芸学科織専攻に所属していました。今はカリキュラムの変更で名称が変わっているようですが、確か多分こんな名前の学科だったと思います。(間違ってるかも...)卒業してからザックリ8年くらい経ちます。所謂【美大生】というものでした。
大学では、織りを学んでいたのですが、修行先と現在の専門分野は染めです。
弟子入りした経緯は、大学3年生の頃のお話です。そろそろ就職活動をせねば...と思う時期、「就職するにしても制作は続けていきたい。教授や講師の先生方は『織りなら家でも制作出来るわよ。』と言うけれど本当だろうか?自分で確認してみないと不安だ...。」と思っていました。なので、大学3年生の夏休みに色々な作家さんを訪ね、仕事場を見せて貰ったり作品を拝見したりしました。その中の1人に今の師匠・仁平幸春氏がいた...という流れです。
師匠と初めて会った時の興奮は今でも覚えています。話を聞いている最中、そして、帰りの電車の中で、とてもワクワク・ドキドキしていました。世界がキラキラして見えた...と言っても過言ではありません。
色々と相談に乗って頂きつつ、具体的な事も指導して頂きました。その内の1つがブログやSNSの活用についてでした。「作家になりたいと思っているなら、今日からブログとSNS(当時はTwitter)を始めたほうが良いよ。」との事です。「作家になりたい」というのは良く分からないけど、「作ってはいたい」と思っていたので、家に帰ってからすぐにブログを作って、SNSのアカウントも作って、その日から始めました。
因みにブログに関する具体的なアドバイスは「1日1つ、写真だけでも言葉だけでも何でも良い。それをあげていくと良いよ。ある程度溜まってくると、自己観察の材料にもなる。そもそも1日1つ記事を上げることが出来ないのであれば作家には向いてないという事だからね。」というものでした。
早速作ったそのブログやSNSのアカウントはその日のお礼メールを送る際に、一緒に書き添えました。ある意味とても図図しいヤツです。プロの作家さんの貴重な時間を、どこの馬の骨とも知れない学生が奪おうとしているのです。エラそう!笑)でも、私の師匠は優しいので、それ以降...弟子でない期間から今まで、ずっと、見て頂くことになります。
これが、大学3年生の8月の話です。それから翌年2月くらいまでの間、ブログやSNS上、メールにて色々な相談に乗って頂きました。制作について、自分のやりたいことについてなど。師匠主催のイベントに参加したり、師匠がオススメする展示会にも足を運んだりしていました。
しかし、途中まで自分が【弟子入りする】という考えが全く無く「Fogliaに弟子入り出来る人は良いな〜羨ましいな〜」と思っていました。大学でもずっと「良いな〜羨ましいな〜」とボヤいていました。そうしたら、いい加減、行動に移さずにグダグダしている私が鬱陶しかったのでしょう。「だったらアナタが弟子入りすればいいじゃない。」とクラスメイトに言われ...「そっか!私、弟子入りしても良いんだ!」と、目から鱗がポロリ。その時、ようやく気が付きました。「そうだ、弟子入りしよう」。卒業制作をどうしようか迷っていた、秋の話です。
それからは、親の説得に勤しみました。。。中々上手に説得出来なかったです。それでも、弟子入りそのものを阻止されることはありませんでした。(反対されていないとは言っていない。)そして、翌年の2月に「弟子にしてください。」とお願いした...という流れです。なので、大学4年生の頃は大学に通い卒業制作をしながら、工房にも通う...という事をしていました。
色々多方面に迷惑や心配をかけつつ、本人なりには精一杯全力で諸々に取り組み、時に行き過ぎ、はみ出しすぎて教育的指導をして頂きつつ、2011年4月から常駐スタッフとして、Foglia工房の一員になったのでした。
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【弟子入り】系の話題については、書き切れていないエピソードも色々とあるので、また別に書いていきたいと思います。中々今の御時世、「弟子入りしている」「修行している」「師匠がいる」という人は多くはないと思います。その数少ない1つの例として、誰かの参考になれば幸いです。
(写真は、卒業制作に織った着尺の部分です。)
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弟子入りについてのマガジンです。ご興味のございます方は、是非ご覧ください。
https://note.com/bon_/m/m250c85ade5a2
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