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新宿地下

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造形作家Bとグラフィックデザイナーsimoneが新宿地下街を闊歩した記録
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2018年11月の記事一覧

「店に無関心の人」が常に歩いている新宿地下という場所

「店に無関心の人」が常に歩いている新宿地下という場所



新宿地下のラスボスと呼んでいた〈鰻の双葉〉。圧倒的雰囲気と高価格帯はラスボス以外形容しがたい。

土用の丑の日に合わせ念願のラスボスへ出向く、予定だった。しかし、鰻は今や絶滅危惧種に設定され、様々な激論が渦を巻く。どの情報が正しいのかまだ解らない。ただニュースを見ているうちに鰻に対する食欲が消えてしまった。鰻や双葉は決して悪くない。

B「ほんと身勝手なんだけど、寿司行きたい。」
S&Y「はい

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近づけても掴み切ることができない、宇宙みたいな場所

近づけても掴み切ることができない、宇宙みたいな場所



地下を模索している我々は、新宿以外の地下情報を日頃から共有している。ある日、simoneから「日本の地下最深MAP」なる画像とメッセージが送られてきた。地下1000mに位置する《スーパーカミオカンデ(世界最大水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置) 》が気になるといった旨である。

S「岐阜県にある最深のスーパーカミオカンデは東大の研究施設ですが、7/15、16は見学ができるそうです。」
B「(即ネ

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新宿地下と、ネバーエンディングストーリー

新宿地下と、ネバーエンディングストーリー



B「私、実は<茶の池田や>の茶ボトルは未だ買ったことがない。抹茶フロートは散々食べてるのに。」
Y「美味しいはずだし飲みたいけど、ラベルのないペットボトルを持ち歩く私in新宿。地方ならいいけど、新宿は恥ずかしい!」

B「飲み終わった容器に家で濃茶を入れた感、凄まじいもんね…(笑)(注:池田やのお茶は美味しい)では、地下で印象に残っている店は?」
Y「箱寿司。見た目も可愛いので大人女子心が躍り

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新宿地下に必要なものは勇気

新宿地下に必要なものは勇気



B「突然ですがここでメンバー紹介をします。OLのYちゃん!」
Y「はじめまして。地下探訪初心者のYちゃんです。」
B「気づいたら地下に引きずりこまれてこの連載の校正や撮影を担当してくれています。いつもありがと。思えばYちゃんに新宿地下について聞いたことがなかったな、と改めて伺った所、最初は地下に行くことに対して、なんで二人が面白がっているが理解不能だった…と。これは見逃がせないパワーワードだっ

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この儀式に近い飲茶こそ健康の秘訣かもしれない

この儀式に近い飲茶こそ健康の秘訣かもしれない



S「新宿西口地下のロータリー側から小田急エース南館の入り口に鎮座する、電波系茶屋。我々はよくここを待ち合わせ場所にするが、ごちゃごちゃしすぎてわかりやすい場所なのかどうかは謎。中にはお茶からコーヒー豆、それらの関連グッズなど豊富に取り揃えているが、オモテから買えるお茶スタンドが良い。抹茶やほうじ茶、オレ的なものからソフトクリームまで。こういうの買って店の前で飲む時って携帯見がちだけど、ここの店

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一回で物事の全てを決めるには早すぎる、と遥か遠くの地下道から声がする

一回で物事の全てを決めるには早すぎる、と遥か遠くの地下道から声がする



潰れる気配がない。むしろ女性客が吸い込まれていく、新宿地下のある謎。地下に興味がない知人Mは買い物帰りにたまに寄る、と言う。正気か?と思わず言ってしまったが、潰れない理由をもう一度確かめたいと3年ぶりにあのうどん屋を訪れた。

まずは当時の話。注文時に「讃岐」か「○△□」(よく聞こえなかった)とゆで方を聞かれた。私は「讃岐うどん」と答えた。しかし、食したそれはこの上なく麺がふにゃっふにゃだった

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スーパーな地下サブナードの、ある謎

スーパーな地下サブナードの、ある謎



B「ちょっと…ビックリしたから三平ストアに飛ぼうと思う…」
S「了解です。毎日新宿を横断した浪人時代の3年間、歌舞伎町はおいといて、西武新宿周辺は地方都市感があるなあと常々思っていました。三平ストアはそれの凝縮版のよう。変に細長い店舗とか妙に品数が多いようで実はスカスカだったり、商品のチョイスとか、その全てにおいて絶妙な感じが地方っぽいのか…東京都下出身の自分にとって落ち着く空間である。ことは

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