誰と一緒にいるか【ウェルビー名駅@愛知県】(2/3)
昼ごろに予定通り名古屋に到着した僕は、その足で目的地へと向かった。8月18日(木)は翌日の現地での仕事に向けた前乗りで、時間に余裕があったのである。
すると、程なくして目指していた「名鉄レジャックビル」が視界に入ったのだった。
ーー初めて来たはずなのに、ちょっと寂しい気分になるな。
そして中に入って4階に上がると、そこには憧れていた店名の看板が掲げられていた。
「ようやくお目にかかれましたよ」
そう、今回訪れたのは「ウェルビー 名駅」だ。なぜ寂しくなったのかというと、実はビル自体が老朽化したために取り壊されることが決まり、2023年3月末で閉店を余儀なくされたのである。その情報を以前に知人から聞いていた僕は、名古屋出張の機会を待ち望んでいたわけだ。
僕は高まる気持ちを抑えつつも奥へと進み、靴を預けて受付を済ませた。以前に利用したウェルビー福岡と同様、滞在時間に応じた後払い制らしく、90分までであれば1500円とのことだ。ちなみにタオルも館内着も、そしてサウナパンツも棚から自由に使っていいらしい。
手渡された鍵を使って指定されたロッカーの中に荷物を預けると、僕はさっそく浴室へと向かった。
ーーここが数々の男を虜にした場所か。
比較的コンパクトでシンプルな浴場である。と思ったのも束の間、よく見るとサウナ室は3つもあり、さらに見渡すと浴場のいたるところに”ととのう”ための細かい配慮や工夫が施されていた。これだけでホスピタリティやオーナーの愛を感じる。
まず身を清めた僕は、さっそくサウナマットを1枚手に取って遠赤サウナに入った。
ーー想像以上に広いな。
20人ほど座れる広さが確保された2段構造のベンチには、数人の先客が静かに蒸されていた。僕も空いている上段に腰をかけて、同じように自分の世界に集中することにした。
ガス遠赤外線ヒーターと対流式の2機体制で94℃まで熱せられたサウナ室は、その温度だけを見ると非常に熱いはずなのに、なぜか息苦しさを感じない。熱がとても柔らかいのである。その秘密が室内の設計にあるのか、温度と湿度のバランスにあるのかはわからない。ただ、天井が非常に低いことだけは他のサウナとの違いが明らかだった。
僕はその疑問が解消できないまま、テレビを眺めながら深い呼吸を繰り返した。すると、すぐさま全身からは大量の汗が流れ出し、心臓の鼓動が激しくなっていったのだった。
ーーそろそろ出ようか。
僕は立ち上がり、サウナ室を出て頭から掛け湯をした後にすぐさま水風呂へと向かったのだが、ここであるものを発見した。
ーーさっきから浴場に鳴り響いていたのは、この音だったのか。
そう、なんと水風呂の中心には打たせ湯ならぬ「打たせ水」が強烈な勢いで注がれていたのだ。幸いなことに周囲にお客さんはおらず、僕は思い切ってその下に入り込んだ。
「おお! 強烈!」
体感で17℃前後の冷水が僕の脳天や肩に直撃し、かなり遠くまで水飛沫が上がったのだった。そしてあらためて水風呂に肩まで浸かった僕は、呼吸が落ち着いたところで立ち上がり、近くに設置されているインフィニティチェアに横たわった。
ーー後編に続く
(written by ナオト:@bocci_naoto)
①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます