野田秀樹さんの歩み~幼少期の記憶
天才にして孤独の詩人・石川啄木の小説に『雲は天才である』がある。
我優れたりと傲慢ともとれるような自負心の高い人たちに囲まれて、石川啄木は雲と語り合う時間にこそ、自然のなかに身をおく時間にこそ,
価値を見出していたのかもしれないと思う一書である。
しかし野田秀樹さんのこれまでの歩みをみると、彼はそうではない。
人のなかで生き、自ら抱える孤独や不安をも、言葉や芸術に昇華し、人と人の繋がりの場所を彼の人生の舞台として生きてきたように思える。
人のなかで葛藤し、もがき、光をみつ