「天に聴(まか)すのみ」江戸っ子ラストサムライ
人生を徹見・達観した人物とは、かくも胆が据わっているのかと感心する一節があるので少し長くなるが引用します。
目先の枝葉末節や己の損得にとらわれず、スカッとする一節である。
『維新の頃には、妻子までがおれには不平だったヨ。広い天下におれに賛成するものは一人もなかつたけれども…山岡や一翁には、後から少し分つたやうであつたが…おれは常に世の中には道というものがあると思つて、楽しんで居た。
また一時を断行して居る中途で、おれが死んだら、たれかおれに代わるものがあるかといふことも