自己成就のために、古来よりの知恵(テクニック)が存在する
安岡正篤先生の講話録などによく下記のエピソード(禅僧と老婆の会話)がでてきます。会話は僕の描いたイメージに変換しています。
※ちなみに安岡先生は大阪・四条畷高校の大先輩(もちろん世代は全く違いますが)であり、しかも高校の剣道部の大先輩でもあるということが本を読んでいて分かって、より親近感がわいたものです。心からの背筋を伸ばしたいときはいつも安岡先生の本を頼ります。
『おんにこにこ 腹立てまいぞや そわか』 (西有穆山禅師)
明治の始め頃、ある老婆が禅師を訪れこう言った
「わたしゃ、いつも怒ってばかりや。ストレスが溜まって、溜まって…人と会えば喧嘩になってしまう、知り合いも近寄ってこん…寂しい。ホントは優しい人間になりたいんや。どうすれば、ええんや…」
禅師は次のように答えた。
「わしが今から教える呪文を毎日唱えたら、大丈夫や!」
上の呪文が上記の言葉。
毎日繰り返し唱えた老婆は、やがて眉間のしわもなくなり、笑顔あふれる優しい人間となったとさ…めでたし、めでたし。
※「そはか(そわか)」とは般若心経などで耳にされた方も多いと思います。梵語のsvakaのことで、真言の結句であり、いろいろ深い意味がありますがここでは省略します。
心理学では「自己成就予言」なる考えがあるそうな…。
自己成就予言…思い描けば描くほど、その通りになっていくこと。
『おんにこにこ 腹立てまいぞや そわか』
これは自己宣言です。「こうなりたい!」と宣言している。
これを繰り返し唱える。【暗示】だ。
【暗示】効果により、潜在意識に働きかけ…脳の大脳辺縁系が……などと難しいことはさておき、老婆の例は「自己成就予言」の良い例であろう。
自己成就のために、古来より自己宣言という知恵(テクニック)が存在する
自己成就予言のポイントは、自己宣言を繰り返し続けること
「俺はアカン」「どうせ俺なんて…」。マイナス宣言…これは人情です。
人は誰も落ち込むことがある。大きな溜息をつくことがある。人間ですから。人は喜怒哀楽の四者の中で生きてますから、これは仕方がない。人情です。
ただ「アカン」「どうせ」というマイナス自己宣言を繰り返してばかりだと…
『アカンアカン どうせどうせ そわか』
自己成就予言が働き、ますますマイナスの方向へ向かっていく。これはマズイ。
【自己成就予言のポイントは、自己宣言を繰り返し続けること】だからです。
しかし、このことを静かに俯瞰して眺めてみれば次のことに気付く。
人情ゆえに口に出る「アカン」「どうせ」というマイナス宣言を
【圧倒的に上回る】
プラスの自己宣言を行なえばいいということ。
「俺は出来る!」「俺はイケル!」。というような、プラス宣言。
『出来る出来る イケルイケル そわか』
【ポイントは、プラス宣言がマイナス宣言を“圧倒的に上回る”こと】
「アカン」「どうせ」という言葉を発しそうなとき(人情だから仕方がない)、「出来る」「イケル」に置き換え、連呼すればいいということ。
「出来る!俺は出来る!絶対出来る!」と3連呼してみてはどうか!(笑)
そして、それを続ける。やがて、アカンと感じた状況を上手く乗り越えた暁には、ダメ押しの一発!
『ほら見てみぃ!出来たがな!』
これが、仕上げの自己宣言。潜在意識に、とどめの一撃だ!
「アカン!俺はアカン!絶対アカン!」と3連呼することはまずないだろう。よほどのことがないかぎり…。アカンは通常、1連呼程度だろう(笑)。「アカン」を3連呼しそうならば、「出来る」を6連呼以上してみてはどうか!そして、それを続ける。
繰り返しますが、
【ポイントは、プラス宣言がマイナス宣言を“圧倒的に上回る”こと】
『なりたい自分をイメージし宣言する』ことは、メンタルマネジメントの分野においても…「自己宣言」【アファーメーション】という名称で重要なテクニックとして位置づけられています。
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西有穆山禅師はこの知恵(テクニック)を老婆に授けたのだ。
自己成就のために、古来より自己宣言という知恵(テクニック)が存在する
自己成就予言のポイントは、自己宣言を繰り返し続けること
今日も笑顔で♪
著書「ストレスの9割はコントロールできる」(明日香出版社)が、心の清涼剤になれば嬉しいです。
PS.ヘッダーは娘が1回目の緊急事態宣言で幼稚園に行けなかったときに古いPCを使って描いた「ちびっ子画伯デジタルアート」です(^_-)-☆
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