(X53) 『イカゲーム』世界的ヒットの背景をNetflix担当者が語る「一時的な流行や現象を超えて定着した韓国作品」 (2021.11.3)by 児玉澄子 より抜粋加筆しました。
⑴ “デスゲーム”という決して斬新ではないアイデアが、これほどまでに世界の視聴者の心を掴んだのは、なぜか
①Netflixシリーズ『イカゲーム』が配信開始から4週間で、
世界1億4200万世帯が視聴し、Netflix最大のヒット作となった。
Netflixの広報担当者は、以下に高く評価。
「韓国のクリエイターは過去数十年にわたって、
アジア地域の韓流ブームを先導し、その中で培った確固たる制作能力を土台に、クオリティとストーリー性の高い作品を継続的に生み出し続けています」
②『イカゲーム』では、世界94ヶ国で「総合TOP10」の1位を獲得する快挙を成し遂げた。
Netflix担当者は以下に語る。
「韓国発の作品は、一時的な流行や現象を超えて、
世界規模で多くの人に愛されるジャンルの1つとして定着し始めていることを実感します」
・同社が2015年~2020年に韓国コンテンツに投資した額は、
約7億米ドル
・2021年度には一気に、以下へと引き上げられた。
約5億米ドル(予定)
⑵ 言語や文化が違っても共感、「普遍的な感情」を巧みに操る韓国作品
①近年の日本作品では、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』
シーズン1が、2020年12月10日より世界190ヶ国に配信し、4週間で世界1800万世帯が視聴。
Netflix担当者によると、以下に期待がかかる。
「『イカゲーム』を観た視聴者が、『今際の国のアリス』を発見して、
視聴する傾向がある。
配信から9ヶ月以上が経つ作品にも関わらず、50ヶ国以上で、
再びTOP10入りをしています」
②『イカゲーム』にあって『今際の国のアリス』にないものを、
“キリスト教の要素”であると指摘する声は多い。
キリスト教が日常生活や道徳観に深く根差している国は多く、
世界的にヒットした映画やドラマの多くに「キリスト教のメタファー」が散りばめられている。
③担当者はヒットした韓国作品の共通点を、以下に言う。
「いわゆる“feel”、つまり言語や文化が違っても、
共感できる普遍的な感情を、とても巧みに扱っている」
⑶ 『イカゲーム』のシンボリックな○△□の記号は、言語や文化が違ってもわかりやすく、グッズや広告展開がしやすいことからもさまざまな経済効果を生んでいる
①衣装もキャッチーで、SNSの「 #squidgame 」には、
多くのファンアートやコスプレが投稿されている。
②今や世界の多くの人々が、
「韓国のコンテンツ=面白い」と認知。
少々遅れをとった日本からも、世界同時配信されるVODの特性を生かして、以下と世界から信頼されるような作品が誕生することを願う。
「日本のコンテンツ=面白い」