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(V91) ニッポンの「激安自慢」に、アメリカ在住の私が“違和感”を覚えるワケ-1 (2021.8.30) by 安部かすみ より抜粋加筆しました。

⑴ 2021年7月、日本の厚生労働省は2021年度の最低賃金を28円引き上げ、時給930円を目安にすることを決めた

ニューヨークに20年近く住む筆者は、このニュースに驚いた。

労働への対価が先進国最低レベルの日本は、
もはや「世界の大国」とは言えないのでは。


⑵ ニューヨーク市では2018年、最低賃金が約1430円から約1650円に引き上げられた


【例Ⓐ】ベビーシッターは、
1時間1760円以上は稼いでいると思う。

【例Ⓑ】チップ制や歩合制だが、
高級レストランのサーバーが1晩で5万5000円稼ぐこともざら。

【例Ⓒ】ウーバーの運転を片手間でやっている別の知人は、
早朝まで休みなく客を乗せまくり、1晩で55万円の稼ぎを出したことも。


①だから彼らは仕事を辞めない。

この街では、アメリカ人も移民もよく働き、
対価として当然のように労働に見合った給料を受け取る。

だから筆者も今や、働いた分だけの対価を要求することは、
当然だと思うようになった。


②対価について、雇用主側に持ち出すのは、
まったく悪いとも言いにくいとも思わない。

以下の業務は、お断りさせていただいている。
・適正価格を逸脱した依頼
・成功報酬型
・サービス残業


③これらは長年、
周りのニューヨーカーの働き方を見ながら学んできた処世術。

この街で出し渋る企業があるとすれば、従業員に、
そっぽを向かれるため、優秀な人材を確保できるはずもない。


⑶ 賃金が高ければ当然、物価も高い


【例Ⓐ】ベッドルーム2つの部屋だとして、平均家賃が、
東京なら10万後半~20万円台のところ、ニューヨークはその1.5倍の30万円超えが一般的だろう。

ニューヨークの家賃は住居年数にかかわらず、
毎年数千円単位でどんどん値上げされていく。


【例Ⓑ】交通費もどんどん上昇している。

2002年に移住した筆者は、当時30日間乗り放題の地下鉄の、
メトロカードが6600円台だった。

2021年現在の金額はいくらかと言うと、
倍近く高騰し1万3970円。


【例Ⓒ】外食費は約9%の消費税に加え、
15~20%のチップも支払うため、ランチは1650円前後。


大江千里さんの話では、ニューヨークでも人気のラーメンは、
1杯2200円以上。

替え玉やトッピングをして、
ビールを飲むと5500円はするという。


ニューヨークに3店舗展開している日本のラーメンチェーン、
「一蘭」の場合、日本で890~980円の天然とんこつラーメンが2079円と、日本の2倍程度。


 「ニューヨークは日本に比べて家賃や人件費が高い上、
全世界どこで食べても同じ味を提供しているため、だしなどは福岡の工場から発送しています。

その分の輸送費なども余計にかかっています」(一蘭の広報)

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp