(Y84) 自社株を持つ多くの役員が以下のことを9年以上も行っていた?「適正な賃上げを退け、内部留保へ回して株価を引き上げること」-2 (2021.11.28)by 勝又壽良 より抜粋加筆しました。
⑸ バブル経済崩壊の後遺症がはっきり表面化した2000年以降、
「労働分配率が顕著な低下」を見せた
労使協調を合い言葉に「企業防衛」を最優先した結果が、
分配率低下をもたらした。
⑹ 経営側は、バブル崩壊で倒産した有名企業を目のあたりにし、
「賃上げを渋る」という守りの姿勢に転じた
①現在の日本で、末端の労働組合運動は賃上げでめぼしい成果を、
上げられないことから「開店休業」状態の労組が続出。
②日本の弱体化する労組は大きな問題。
対立ばかりでも駄目、なあなあの緩い関係も駄目である。
「ほどよい緊張関係」が企業を発展させ、従業員の待遇も改善する。
⑺ 「労働分配率推移」を見る
①1991年の労働分配率は65%。
1995年も64%を維持。
この6割台の労働分配率が、妥当なものとすれば、
2019年は、約10%ポイントも低下。
②これが、日本経済を以下の状態にさせた要因。
「低物価・低金利・低成長・低失業」
③低失業率は、マクロ経済政策でアベノミクスにより、
潜在成長率を引き上げた政策効果による。
一方、「労働分配率の低下」が、
アベノミクス効果を相殺したことは疑いない。
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安倍政権では、
経営側に賃上げを働きかけたが、「経営論理」の壁に阻まれた。
④過去の経験を生かせば、税制の活用が必要であろう。
⑻ 皮肉だが、海外から日本株が注目されている
①主な理由は「日本企業の内部蓄積の厚さ」。
法人企業統計によると、企業の2020年度末の「内部留保」は、
484兆3,648億円(前年度末比較2.0%増)
2012年度以来、9年連続で過去最高を更新。
②内部留保はこの10年で約1.6倍に拡大。
このうち約半分に当たる242兆円は、
資本金10億円以上の大企業によるもの。
これは、大きな違和感をもたらす。
経営側が、自らの地位安泰を図るという、
「守りの経営」を如実に示しているから。
③役員にとって、財務内容が良ければ外部から干渉され、
ポストを脅かされることはまずない。
労働側には、経営の外部環境の悪化をことさら強調して賃上げを渋る。一方、手厚く内部留保を積み増す。
↓
こういう構図が、日本経済にでき上がった。
④過去9年にわたる内部留保の積み増しは、
労働分配率の顕著な低下と、軌を一にしている。
しかも、大企業では役員に「ストック・オプション」制度を付与。
自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利。
この権利が与えられている多くが役員となれば、以下は本末転倒。
「適正な賃上げを退け、内部留保へ回して株価を引き上げること」
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日本政府は株価政策ばかりを重視してきた。
9年以上も、「株を持たない庶民」はバカを見てきたということ?
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