見出し画像

(Y92) 「3~5年後」の目算がずれれば、ニーズはあるが技術は追いついていなかったり、技術は進んでもニーズが不足したりして、事業として成功することが難しいものになる-2 (2021.12.2)by 谷敏行 より抜粋加筆しました。

⑸ 重要なのは「3~5年後」という時間軸


①優秀な技術者であれば、以下を理解し、「10年後」に何が実現されているかを高い確率で予測できるかもしれない。
・技術のトレンド
・進化のスピード


②しかし起業してビジネスとして成功させるには、その粒度の予測では不十分。

【例】2021年12月の段階で、「今から10年後にドローンカーが東京で空を飛んでいるか?」と質問されたとして、「かなり高い確率で実現しているだろう」と答えることは、筆者にもできる。

しかし以下のように、具体的な製品・サービスの内容を予測することまでは、筆者には無理。

・それがある特定の2地点を結ぶだけなのか?
・東京全域をカバーするものか?
・特別なライセンスを持った人だけが運航するのか?
・自動運転なのか?
・コストがどれくらいでターゲッ トとする顧客の属性は?


③新しい技術が生まれたとき、
それを社会実装した具体的な製品やサービスを企画するならば、
「3年後はどうか?」「5年後ならどうか?」を考える必要がある。


⑹ これから3~5年という時間軸において、以下を含めた複合的判断をすることで、それらが交差して「新製品・新サービスが立ち上がる絶好の地点」を見出す

・技術などが進化する速度
・それが実現する製品・サービスに対する需要の高まり
・需要に対するコストの許容度
・法規制といった外部要因


シリアルアントレプレナーと呼ばれる人たちは、
この「見極めを得意とする人たち」が多い。


⑺ 米国のベンチャー投資家のビル・グロスは、2015年、TEDでの講演で以下のデータを紹介する


①彼が、成功したベンチャーと失敗に終わったベンチャーを比較する、
要因分析で以下の結果を得た。

1位:タイミング(42%)
2位:チーム(32%)
3位:アイデア(28%)
4位:ビジネスモデル(24%)
5位:資金調達(14%)


②ベンチャーの成功と失敗を分ける最大の要因が、
「タイミング」


【例】オンラインエンターテイメントの「Z.com」


1999年頃に米国で注目を集めたベンチャー企業。
アイデアもビジネスモデルも素晴らしく、資金調達も順調だった。

しかし当時はまだブロードバンド普及率が低く、
オンラインでビデオを見るのも難しかったため、市場が形成されず、2003年に事業を閉じた。


③その数年後、ブロードバンド普及率が50%を超えるという、
最高のタイミングで登場したのが、ユーチューブ。

3~5年後における、新製品・新サービスとニーズの交点を見極めるとは、以下をすることにほかならない。
「新しい製品・サービスを世に出すべきタイミングを見極める」

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp