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(U39) 「六方よし経営」へのプロセスは越境学習から始まる-1 (2021.8.13) by 藻谷ゆかり より抜粋加筆しました。

⑴ 筆者は、日本に既にある六方よし経営の事例研究を通じて、典型的なプロセスを見つけることができた

六方よし経営の第一段階として見られるのは、
自分が知らない世界で新しい経験をする「越境学習」。


以下なので、そう名づけた。
「越境学習は、今いる場所を越えたところで学ぶこと」


⑵ 六方よし経営は「越境学習」から始まる

①越境学習は、普段の仕事や生活とは全く異なる経験をしたり、
未知の人々と交わったりすることによる学び。


②越境学習後には、そこで得た知見だけでなく、
「新しい視点」を手に入れられる。

自分たちの既存の事業や、地場産業や伝統工芸といった、
これまでずっと身近にあった地域資源に対して、改めて「価値の発見」ができるようになる。


③価値の発見の後には、「フェアトレード」と「地産地承」という、
2つの行動が伴うケースが多くある。


⑶ それぞれのプロセス

①越境学習は、自分が住んでいる地域や組織といった、
「コンフォート・ゾーン(居心地が良い場所)」を出て、自分が知らない世界を経験し、新しい知見を得ること。


②典型的な越境学習は、地方から都会の学校に進学したり、
海外に留学したりすること。

また、家業を継ぐ人や起業する人が「武者修業」として、
別の業種の会社に数年間勤務したりすることも越境学習になる。


③越境学習の意義は、以下。
Ⓐ新しい知識や経験を得ること

Ⓑ自分が今までいた環境を客観的に見直して、
気づきを得る機会になること


⑷ 越境学習の効果があった典型が、広島市の「ブーランジェリー・ドリアン」というパン屋店主の田村陽至さんの経営

彼は1976年生まれで同店の三代目。


それまでのパン屋経営に疑問を持つ。
「多くの種類のパンを大量に作って、売れ残ったら捨てる」

以下の越境学習をした。
「店を1年間休業して、欧州各地のパン屋で修業する」


結果、欧州のパン屋が実践しているように、以下の戦略で固定ファンをつかんだ。
「本来のパンの焼き方をして、パンの種類を絞る」


今では以下のスタイルを確立し、パンの廃棄はゼロになっている。
「4種類のパンを週4日営業で、定期購入分だけ焼く」


⑸ 越境学習は、都会や海外に行かなくても実行できる

【例】 『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』、
の著者、村山太一さんはミシュラン一つ星のイタリア料理店を経営しているが、業績の不振に悩んでいた。


村山さんは正月休みなどを利用し身分も明らかにして、
「サイゼリヤ」でアルバイトすることを決める。

そこで得た「効率的な業務体制とフラットな人間関係」を、
自分の店の経営に導入したところ、利益は過去最高となる。


労働生産性も前年比3.7倍に改善、
従業員に1.5倍の給与を支払えるようになったという。

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