(V79) お休みが多く、働く時間もある程度決まっていることと、高品質で高く売るということは、ある意味相反する――未来工業株式会社-2 by 菅野陽平 より抜粋加筆しました。

⑷ ビジネス面での成功も知られている。大手企業も含めた競合の中で選ばれている理由


①既存製品と同じものを製造しても、
「これいくら？」というコストメリットだけの話になる。

でも、ちょっと違いがあってそれによって、
相手にメリットが生まれるとしたら、と言い値で買ってもらえる。
「これいいね。これ買ってみようか」


②高品質で、お客様がいいと言ってくれるものは、
どうしても高くなってしまう。

研究費もあるし、それを製品化するまでは数多くの失敗もある。
↓
それでも儲けるために、「いかに安売りを避けるか」ということをずっと考えている。
それによってこの高収益体質が実現できている。


③私が長野にいた時、当社のある製品に関して大手メーカーで、長年プラスチック部品の成形をしていた人にこんなことを言われた。

「正直、大手メーカーの商品と未来さんの商品を比べると、
成形品の質が全然違う。
この製品はコンクリートに埋めてしまうものなんだから、
こんなに高品質に作る必要はないでしょう」


それが未来工業のスタイル。
↓
大手企業でもそのクオリティなんだから、
そのクオリティでやればいいと思うかもしれないが、それではうちは勝てない。
価格勝負になってしまうから。


⑸ お休みが多く、働く時間もある程度決まっていることと高品質で高く売るということは、ある意味相反する


①残業しないということは、
定時の時間の間にいかに集中できるかの勝負だと思っている。


②社員のモチベーションの違いだと思う。

定まった時間内で納めることによって残業がなくなれば、
残業代がゼロになるのと同時に、照明や冷暖房費、光熱費の経費も削減できる。


本当に削りたいのは残業代といった人件費ではなく経費。
無駄な経費を削減できれば、
最終的には人件費に還元することもできる。


③そうやって残業代や経費を削って利益を貯める。

それと同時に商品は相応の値段で売る。
どれだけ高く売れるか、という勝負だと思っている。

利益を上げるために売るため、以下と思っている。
「利益の出ない売り方は意味がない」


⑹ 提案制度について


①優秀な提案については別途3万円が支給される。

【例】 「電話当番システム」を導入。

お客様からのご注文・ご質問を受ける部署があるが、
電話が鳴るとフロアー内の社員みんなが反応して業務が中断していた。

それを30分毎に電話に出る当番を決めたことで、
それぞれ自分の仕事に集中することができるようになった。


②「アイデアを出すことが楽しくなる」という声をよく聞く。

多数提案する社員からは以下の声が寄せられる。

・視野が広がった
・仕事に対する意識や探究心が高まった
・伝える力を磨く練習の場となっている