【読書】キャリアをつくる独学力|会社に依存しない生き方のための学び方が解る
私は勉強することは得意な方だと思っています。とはいっても仕事のための勉強とか学業、資格は全然で、趣味のための勉強が得意なのですが…
とはいえ会社に依存しない生き方をしたいと常々思っています。そんな生き方をしたい方にお勧めの本がキャリアをつくる独学力という本です。
それでは振り返ってみましょう。
学びに関する日本社会の問題
まずは学びに関する日本社会の問題が語られます。
伝統的な日本型雇用では終身雇用を保証する代わりに、3つの無限定性があるそうです。職務内容、勤務地、労働時間を限定しないというものです。移動や転勤、残業をいくらでも受け入れることが条件というわけですね。
キャリアは会社が用意し、学びはOJTを中心に研修制度も会社が用意します。
しかし変化が激しくなり、倒産やリストラも増えてきました。リーマンショックやコロナ禍などの大きな出来事が頻繁に起こり、その度に失業者が沢山出てしまいます。
こういう時代ではキャリアやスキルアップを会社任せにせず、自分で磨いていく必要があるわけですね。
私の場合はそもそも就職浪人してしまったので、零細企業を渡り歩いて、転職しながらキャリアアップするしかありませんでした。それに会社依存の人や、いわるゆ昭和な会社というものに馴染めませんでした。
一方で経営という自分にとって勉強して面白い分野も見つけました。それゆえ会社を頼りにせず、自分で勉強してキャリアアップしようと思えました。落ちこぼれゆえの逆転の発想ですね。
かといって多くの人がこういう生き方をする必要はありませんし、できることなら新卒からちゃんとした会社に入って、安定したキャリアを歩んだ方がいいでしょう。
しかしその安定はリストラや倒産が普通の時代にあっては、どこでも雇ってもらえる経験やスキル、実績があってこそで、潰れない会社はない時代になってしまいました。
独学について
本書のタイトルは独学力です。独学というと自己流で学ぶとか、スクールに通ったり誰かに師事したりせずに、家で一人で黙々と勉強するというイメージがあります。
しかし本書の独学は違います。主体的に学ぶことを指しています。
自分の本業や、本業に関連する分野、興味関心がある分野の勉強を自分からするということです。会社に言われたからやるとか、会社が用意した研修制度の中で興味のあるものを選ぶというわけではなく、自分が学びたいことを学ぶのです。
独学で成功した人のインタビューもあります。脱サラして好きなことを仕事にした人、あまり他人が手を出さない分野を見つけた人などが登場します。
自分が興味関心がある分野を学ぶことで、知識の幅を広げることができます。知識が増えれば、違う観点から見ることができるようになります。こうして他人が気付かないことに気付けるようになり、自分の仕事が充実していくわけですね。
また関連がある知識を学ぶことで、自分が仕事でカバーできる範囲を広げられます。顧客に提供できる価値が増えたりするのです。
勉強したらすぐにスキルや年収が上がることはありません。しかし仕事が充実すればモチベーションが上がりますし、日常生活における幸福度もあがります。勉強して仕事を充実させると、お金で測れないリターンがあるのです。
正解がないことに持論を持つ
本書には正解がないことを勉強しようと書かれています。
日本が途上国だった頃は欧米がやっていることという正解がありました。欧米がやっていることを真似てひたすら仕事に励むことで、日本は先進国になりました。
学校教育も正解を身に付け、どれだけ要領よく与えられた課題をこなせるかを重要視しています。
しかし下積み時代ならまだしも、責任ある仕事を任せられるようになればなるほど、正解がなくなってきます。また新製品・サービスの開発や組織変革のようなやってみないと解らない仕事もあります。
こういうことは私も経験があるのですが、正解を教えてくださいという人がいたり、やったことないから何もできませんという人がいたりします。こんなときに必要なのが、多分こうすればできると思うということを説得力を持って言えるかどうかです。
ただ言うのではなく、こういう理由でこういうやり方ならできると思うと主張するのです。こうやって動かないプロジェクトを動かしたことが私には何度かあります。
本書では持論を持てと書かれています。リベラルアーツなどの知識を学ぶことで、こういう捉え方や考え方ができるというのを学べます。ここで重要なことが、自分なりに考えてみるということです。それが持論につながっていくと思います。
歴史を学ぶ面白さなどは、人の営みから学ぶだけでなく、想像してみることも含むでしょう。
また正解のない資格の勉強も有効だと本書では書かれています。大抵の資格試験には正解がありますが、一部正解がない、すなわち説得力のある主張ができたかどうかで評価される資格もあるようです。本書ではワインの資格が紹介されています。
社外のコミュニティで横のつながりを持つ
社外のコミュニティで上下関係なく横のつながりに所属して学ぶのもいいと本書では書かれています。
これは私もよく解ります。私の場合は趣味やプロボノで社外のコミュニティに所属しています。
社外のコミュニティには色々な会社の人がいて、色々な業種・職種の人がいます。業界とか勉強会のコミュニティの場合は同業種・同職種の人が中心になりますが、それでも色々な会社の人がいるから多様性は高いでしょう。
社外のコミュニティでは本当に色々な人がいるため、社交性やコミュニケーション力が鍛えられます。友達もできます。知らない話が沢山聞けます。だから楽しいとともに知識も増えます。こうして自分の捉え方や価値観などが広がっていきます。
本書ではワインの資格や業界コミュニティなどが挙げられています。業界や職種でもいいでしょうし、趣味でもいいと思います。知識や視野を広め、多様な人がいることを理解する上で、社外のコミュニティは有効だと私は考えています。
終わりに
政府や会社がやってくれないから悪い、会社がイケてないという愚痴をよく聞きます。その度に私は、自分でできることからやってみたらどうなんだろう?と思ってしまいます。
今現在、社外のコミュニティに所属したり、何かしら勉強していることがあったりする人は本書を読まなくてもやれることをやっていると言えるでしょう。
会社任せでいいのだろうか?どこでも自力でやっていけるようになりたい、漠然と将来に不安があるなどの方は、本書を読んでみるとヒントがあるかもしれません。
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