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介護エッセイ

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老親の謎(17)平成狸合戦ぽんぽこな思い出−2.私 狸です。

老親の謎(17)平成狸合戦ぽんぽこな思い出−2.私 狸です。

続きです。

父の主治医の先生とお話をして、父の症状がその時も以前も、個室を必要とするものではなかったとわかりました。

「ただ、とても繊細な方なので、娘さんからただ、4人部屋へ移ってと言われても、承知なさらないでしょう。
わかりました、私たちがなんとかします」

先生は、このような案をくださいました。
先生から、

「重篤で、どうしても個室が必要な方が待っておられます。
◯◯さんと見込んでお願い

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老親の謎(16) 平成狸合戦ぽんぽこな思い出(1) フキハラ

老親の謎(16) 平成狸合戦ぽんぽこな思い出(1) フキハラ

私の父は、50歳から死ぬ死ぬ詐欺でして、
本当に入院をするようになったのは、80代後半からです。
むしろ母より長生き。

90近くなって、心筋梗塞で入院2ヶ月。
腸の具合が悪くて、これは手術ではなく、管に繋がれて食事も取れずに2ヶ月。
これはかわいそうでした。
でも、特に繊細な人でなくても、あることです。
年齢ですから。
その他にも都合4回ぐらいは入院していたのかな。

彼は極度の対人恐怖症で気難

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老親の謎(15)  株とは結局なに?

老親の謎(15) 株とは結局なに?

話があちこちしますが、相続の手続きって、セルフでする人もいらっしゃるそうですが、私は自分には絶対無理だとわかっていました。
幸い、私は友人の紹介で、とても頼りになる行政書士の方に出会えて、安心してお任せすることができました。

その先生が何度も、

「普通はお子さん方に何も言わないで行かれても、お家を探せば、株や生命保険やその他のことは、なにかしら手掛かりが出てきます。
会ったこともない遠い遠い親

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老親の不思議(14)「全部わかるようにしてある」 ・・・生命保険

老親の不思議(14)「全部わかるようにしてある」 ・・・生命保険

この間、黒澤明の「生きる」を見ていたら、主人公の息子がいきなり、
父親である志村喬に、

「この先、父さんがいなくなったときに、財産のことだけど、
俺たちに対してどうしてくれるかを、言っていってもらわないと困るよ」

というようなことを言いまして、私は
息子勇気ある!
と驚きました。

このあたりは、親がはっきりしているうちに、しっかり親と話しておかないと困ることがあったりしますが、でも、そういう

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老親の不思議(13) 消費期限切れ間近

老親の不思議(13) 消費期限切れ間近

人間、一生に一度、二度は体験することになる親送り。

去年その辺について、「老親の不思議」シリーズを12篇、それ以外のことであと7篇ぐらいかな、それをマガジンに纏めてみたのでした。

でもその後、半年の間に、自分の両親を含めた身内5人を送り出すことになり、コロナ禍での渡航の大変さもあり、落ち着いて書くことはできなくなって、マガジンのことは、すぐに忘れてしまいました。

しかし考えてみると当時、バタ

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エッセイ218.日本のお葬式

エッセイ218.日本のお葬式

若い方は、「家からお葬式を出す」という経験のある人は少ないと思います。
私もそうでした。
唯一あったのは、自分が子供の頃の祖母の葬儀で、
全く準備にも関わっていませんので、何も覚えていません。

ただ、下町のことでしたので、今では信じられないと思いますが
割烹着をかけた近所のおばさん、おばあさんたちが集まりまして、
路地1本隔てたお隣の家の台所で、野菜のお煮しめと、おにぎりをたくさん作ってくれたこ

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エッセイ216.2022年のラプソディー(16)締めは表で

エッセイ216.2022年のラプソディー(16)締めは表で

昨日、4月1日は、自宅近くの桜並木が見事でしたが、薄手のジャケットで自転車に飛び乗ってしまったのを後悔するような肌寒い強風でした。
そういえば、暖かくて、桜の下で落ち着いてお花見ができる年は案外に少なくて、さむさむ・・と言いながら頑張って? いることって、結構ありますよね。

目的地の区役所に入って番号札をもらったのは3時前でしたが、書類を受け取れたのが5時過ぎ。取り忘れて行った次女の転出届を、代

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エッセイ211.2022年初頭のラプソディー   (10) あっという間にアパート探し

エッセイ211.2022年初頭のラプソディー (10) あっという間にアパート探し

母の葬儀の翌々日に、東京での就職が決まった次女。
あまり時間がないので3/14~16(水)の私の実家滞在の最終日に、名古屋から夫と一緒に来て、私も合流して、アパートの内見をするつもりでした。ところが担当者さんと話してみたら、水曜日はほぼ、不動産業界は定休日で、見られないことがわかりました。
夫は急遽、有給を取るのをやめ、私も一度名古屋に帰り、19日の土曜日に、改めて三人で上京することにしました。

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エッセイ210. 2022年初頭のラプソディー(9)手続きは続く。

エッセイ210. 2022年初頭のラプソディー(9)手続きは続く。

はじめに、葬儀が金曜日か土曜日と聞いていたので、
日曜日には一度自宅へ帰るつもりで、身軽に来てしまいました。
姉が動けないのがわかって、9日までいたので、
途中で着替えを買いに走りました。
10日は、自分のコロナワクチン3回目の接種です。
これは先延ばしにしたくないので、9日には名古屋に帰りました。

帰っても気持ちは落ち着きませんが、
10日からまた数日、普通の生活が戻りました。
普通ってありが

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エッセイ209.2022年初頭のラプソディー(8)子供はやらせればできる

エッセイ209.2022年初頭のラプソディー(8)子供はやらせればできる

珍しいことでしょうが、私は車の運転ができるようになったあと、
独習で自転車に乗れるようになりました。

私の父は、私に、三輪車より早い乗り物は一切禁じました。
子供の頃は、遠乗りをして遊びに行く友達と一緒に遊べませんでしたし、
結婚して子供が生まれてからも、ママ友が自転車で、祖師谷公園でも井の頭公園でも行く中、バスや、なんと歩きで追いかけました。祖師谷公園に着いたら、みんなが帰る支度をしていて、が

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エッセイ208.2022年初頭のラプソディー(7)Amazonに叱られる?

エッセイ208.2022年初頭のラプソディー(7)Amazonに叱られる?

私はどうも、イメージやインスピレーション先行で、ついつい前野メリ子になる性格でして、今回もいろいろ、やっています。

話が少し戻ります。

母危篤の知らせを受けて実家へ行った日。
姉が腰痛で買い物に行けなくて、父と姉はレトルトでしのいでいました。
さっそくスーパーで、いろいろ買ってきました。

久しぶりにサラダなんか食べたわ、
煮込みハンバーグなんて久しぶり〜! おいしい!

と姉に言われて、父の

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エッセイ207.2022年初頭のラプソディー(6)家族はありがたい。

エッセイ207.2022年初頭のラプソディー(6)家族はありがたい。

母が亡くなってから荼毘に付されるれるまで、思ったより日数がありました。

3日に逝去、火葬場の予約の取れたのが7日です。
父が出席できるよう、「家族葬の、一日葬」を自宅で行う予定だったので、
会場とした、昔の家業の珠算塾の教室を掃除。
それから弔問客は少ないものの、数名はいらっしゃるので、
同日に行なってしまう初七日の祭壇をしつらえる部屋なども、綺麗にしたい。
その部屋の障子がお化け屋敷のようにな

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エッセイ206.2022年のラプソディー(5)全ては遅きに失したということ。

エッセイ206.2022年のラプソディー(5)全ては遅きに失したということ。

18年ほど前から始まった母の認知症は、誰が見てもどんどん進んでいました。

数年前は、スーパーマーケットでの不審行動で保護。
去年12月は、外を徘徊して怪我をして保護。
今年1月は、自宅のトイレから出られなくなって消防出動要請。

それでも介護保険申請はおろか、母の受診も拒む父でした。

「あれは天然なだけで、医者なんかに見せたら認知症とでも誤診され、
精神病院に無理やり入れられてしまうのだ」

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老親の謎 (12) 不思議といえば不思議

老親の謎 (12) 不思議といえば不思議

先日 母親を見送って、まだいろいろやることがあるので、
1週間ぐらい実家に滞在しました。

その後、一度名古屋に帰ってきて体勢を立て直しましたが

姉とは、用があってもなくてもLINE電話で毎日話しています。

「tamadoca, 私、ちょっと無理しても、車椅子借りてでも、
火葬場は行けばよかったかなぁと思って」

と姉が言ったので、

ーーどんまいだよお姉ちゃん。
私なんかのんびり掃除してて、

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