マガジンのカバー画像

ニューヨーク金融市場

148
ニューヨークで話題になった経済情報を日本の皆様にお届けしています。
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

意外と動いた中国株、米株、ポンドに対する解釈

意外と動いた中国株、米株、ポンドに対する解釈

今週の米国市場は24日が半ドン、25日はクリスマス休暇の為、市場参加者は一層少なくなってきている。そのような中、マーケットで目立つのは a)中国株の下落、b)米株の上昇、c)GBP の下落だが、各々のポイントについては以下のように解釈。

a)中国株の下落については政府系半導体ファンド(国家集積回路産業投資基金)が半導体関係の3銘柄について保有比率を引き下げると発表したことが主な要因。加えて上海

もっとみる
スウェーデン中銀がマイナス金利から脱却、年末商戦の返品ラッシュについて

スウェーデン中銀がマイナス金利から脱却、年末商戦の返品ラッシュについて

スウェーデン中銀は予想通りだが政策金利を25bps 引き上げて 0.00%とした。ただ、今後2年間は 0%に据え置くことと、資産買い入れを来年末まで続けることも同時に発表しており、Dovish hike と評価されている。しかし、マーケットでより注目されているトークはスウェーデンが ECBやBOJなどの主要中銀に先駆けてマイナス金利脱却したことが、他の中銀を後押しする可能性があるのでないかという点

もっとみる
Brexitに暗雲?足元の数字は良いがボーイングの影響は大きい

Brexitに暗雲?足元の数字は良いがボーイングの影響は大きい

リスク資産の見方を聞くと10人中8人は「Brexit と米中リスクの低下とFEDが短期金利をキャップしてくれる」という理由から強気と答える人が多い。

リスクなのはこう言ったストーリーと実際のポジションが傾いたときだが、少なくともストーリーについては同じ話をする人がこのオーバーナイトで急に増えてきた印象を受ける。しかし、現実を見ると承知のようにBrexit に関してはジョンソン首相の移行延長拒否

もっとみる
イベント消化でゴルディロックス相場へ突入か

イベント消化でゴルディロックス相場へ突入か

先週のジェットコースター相場を終えてマーケットはクリスマスモーードになっているが、はっきりしたことは、i)Brexitリスクはかなり減ったことと、ii)米中は関税の引き上げリスクから、引き下げ方向へと緩和したこと、iii)FEDはインフレが相当程度上がらない限り利上げはしないとしており、来年は据え置きが見込まれることといった3点か。
結果としてグローバルな経済環境(主に中国と米国)が悪くない中で金

もっとみる
米中合意内容のポイント。GBPは一旦降りどころか

米中合意内容のポイント。GBPは一旦降りどころか

米中合意の内容は昨日のWSJ報道($360blnに対する関税の 50%カット)よりは小さく、先週までのマーケットの期待値(12/15 の関税延期のみ)よりは大きいものが出てきたという印象。

具体的なポイントは以下の通り。

①双方が合意したカテゴリー
知的財産、技術移転、農作物、金融サービス、為替条項について米中共に合意したと公表。しかし、農作物の購入金額について米国側は年間$40blnから

もっとみる
米中Big deal?ECBはノーイベント

米中Big deal?ECBはノーイベント

トランプ大統領の"Getting VERY close to a BIG DEAL with China. They want it, and so do we!(中国とのピックディールは間近だ、彼らはディールしたいし我々もやりたい!)"というツィートで一気にリスクオン。その後、WSJから既存の$360bln 相当への関税を半分にするという記事もあり値幅が大きくなっている。
NY16時半時点で出て

もっとみる
無難なFOMC、米CEOは景気に悲観的。

無難なFOMC、米CEOは景気に悲観的。

FOMCは概ね予想通りの結果。いくつかボイントを挙げるとすると、声明文から“uncertainties about this outlook remain (引き続き見通しに対する不透明感が残る)”といった文言が無くなったことと、記者からのインフレと政策に対する質問に対して"Significant, persistent inflation rise needed to hike (利上げにはかな

もっとみる
ダボス会議で米中首脳会談?化けの皮が剥がれたウォーレン

ダボス会議で米中首脳会談?化けの皮が剥がれたウォーレン

今週はFOMC (11 日)、ECB (12 日)、英総選挙(12 日)、対中関税期限(15日)など多くのイベントを控える中、週初は静かな動き出し。

FOMCとECBは据え置きとなりそうで、ノーイベントとなりそう。強いて言うなら、FOMC の政策見通し(ドッツ)がどうなるかという程度か。

英総選挙も保守党が過半数を取ることは8割は織り込み済みで、今後は順調に合意のある離脱へ進むかに注目が集

もっとみる
徐々に変わる米経済の見方。サウジの減産発言には注意。

徐々に変わる米経済の見方。サウジの減産発言には注意。

米雇用統計(NFP) は雇用者数の増加が予想+18.0万人に対して 26.6万にと大幅増。 前月分も上方修正されているだけでなく、貨金の伸びも前年比+3.1%と高い伸びとなった。GMストの雇用者がカムバックするこにとで元々高めの予想だったが、それをさらに上回っておりADPや地区連銀指数で懸念された雇用情勢の悪化は払拭された格好。

またミシガン消費者センチメントも大きく伸びている。米国では先週

もっとみる
独財政の話で金利は上昇。米中の最新の見方について

独財政の話で金利は上昇。米中の最新の見方について

日本では政府の26兆円規模の経済支援策(内、財政は13.2兆円)が発表されたが、欧州ではドイツのSPDが大規模な財政拡張を求めていることが話題に。
6日から8日までドイツでは党大会が行われるが、その前に SPD 新党首の Wlalter氏が党の方針として財政拡張は譲らない姿勢を示しているとのこと。

SPDはメルケル政権(CDU)との連立に向けて、大連立の是非を間う党内投票を行わないことで妥協し

もっとみる
ボラティリティは一段と上昇、金利はここからは利食いゾーンか

ボラティリティは一段と上昇、金利はここからは利食いゾーンか

VIX を中心に株や為替のボラティリティが上昇する一方、米金利は低下しており、幸い先週のイメージと近い動きになっている。

しかし、米金利についてだけ言うと1日で10bps (1bps=0.01%) 以上もラリーし、来年の利下げ折込みも1.5回弱まで進んでいる為、ここから先は利食いゾーンとなるだろう。

マクロのテーマはトランプ大統領の関税砲があらゆる国に向けて発射されていることで、ブラジ

もっとみる
株は反落、ボラの低さもあって大手が大口オプションを仕込んだ可能性も

株は反落、ボラの低さもあって大手が大口オプションを仕込んだ可能性も

アジア時間に日経平均を中心にリスクオンとなったが、米国時間に入ると一気に巻き戻されて欧州・米国株を中心に下落。ここまでヒストリカルにみてもかなり下がっていたVIX などのボラティリティは軒並み上昇している。

まず、最初にマーケットで言われている一般的な解釈だけを羅列してみたい。

アジア時間は中国を筆頭にしたアジア諸国の PMIが予想を上回ったことで日経平均にHFやCTA などの買いがオープ

もっとみる