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米中合意内容のポイント。GBPは一旦降りどころか

米中合意の内容は昨日のWSJ報道($360blnに対する関税の 50%カット)よりは小さく、先週までのマーケットの期待値(12/15 の関税延期のみ)よりは大きいものが出てきたという印象。

具体的なポイントは以下の通り。

①双方が合意したカテゴリー
知的財産、技術移転、農作物、金融サービス、為替条項について米中共に合意したと公表。しかし、農作物の購入金額について米国側は年間$40blnから$50blnの農作物購入を約束したとの述べている一方、中国側は金額について明言を避けている。

②関税について
USTR の発表では既存関税のうち9月に引き上げた$120blnを対象に15%から7.5%への引き下げを行うとのこと。また、12/15の関税については一旦白紙になっている。
一方、中国サイドは関税について “段階的に引き下げていくことで合意した”と表現しており、25%の関税がかかっている$250bln 分はフェーズ2以降に含みを持たせた格好。

③署名時期
ライトハイザーによると、合意文書への署名は1月の第一週を目処に行う方向で、場所はワシントンになる予定。合意内容は署名から30日後に施行される。

④為替条項について
ホワイトハウス高官によると為替条項はUSMCAが基礎になる模様。具体的には外貨買いなどによる通貨安誘導の禁止や透明化を含んでいるが、人民元は中国当局がその日の取引中心値を決めるという極めてグレーな通貨であるため、どのようなものになるか注目。

⑤フェーズ2について
米国サイドの話ではフェーズ2でデータ移転、補助金、国有企業などを含める可能性があるとのこと。一方、肝心の関税については$120blnにかかっている残りの7.5%を撤回するか否かが焦点になりそうで、規模としてはさほど大きいものを期待できない。(中国側は$250blnの方を含めた段階的引下げを要求)

一方、英国の選挙結果は保守党が 365議席と過半数326議席を大幅に上回る結果となった。GBPは一時1.35を超える大幅上昇となったが、当ブログでは何度かお伝えしているように、ポジションなどの観点からは1.34〜1.35を一つの目処としており、一旦の降りどころと言っていいだろう。(10/21の記事)

これで米中協議、Brexit と市場を賑わせた政治ネタが一旦終わり、既に FOMC と ECBもこなしていることからいよいよ年末モードとなりそうだ。

余談だが、昨日の WSJのように悪質な Fake News が多くなってきていると感じている。
厭らしい話だが HFから金を貰って記事を書いているのではないかとすら疑う人もいるだろう。最近、Fake News の多い記者のブラックリストを作成しているが、昨日記事を書いたLingling Wei, Bob Davis, William Mauldinは追加しておいた方が良いだろう。

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