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スウェーデン中銀がマイナス金利から脱却、年末商戦の返品ラッシュについて

スウェーデン中銀は予想通りだが政策金利を25bps 引き上げて 0.00%とした。ただ、今後2年間は 0%に据え置くことと、資産買い入れを来年末まで続けることも同時に発表しており、Dovish hike と評価されている。しかし、マーケットでより注目されているトークはスウェーデンが ECBやBOJなどの主要中銀に先駆けてマイナス金利脱却したことが、他の中銀を後押しする可能性があるのでないかという点だ。実際、日本でも三菱UFJが口座手数料の引引き上げを考えているといった報道がされており、マイナス金利の負の影響はじわりと国民に転化される可能性がある。

本日発表されたフィラデルフィア連銀景況感指数(12月)は0.3と予想8.0を大きく下回った。ただ、雇用や新規受注、先行きについてはそれほど悪化しておらず、中身はへッドラインの数字よりも良いという解釈。一方、先週大きく悪化した新規失業保険申請件数だが、今週も 23.4 万件と予想よりも悪い数字が出てきている。

マーケットはこの数日、明確な理由が無い中で金利上昇が目立っていたが、それが一旦落ち着いたことで米株(S&P)が 3200 の大台を超えて上昇している。しかし、為替はドル円が下落するなど、区々の動きとなっており全体的には既に年末モードの中でフロー主導の相場ということだろう。

また、明日から英国下院でSecond Reading (原則に関する討議)が行われるが、本日公式発表された離脱案では、a)英EU 間の労働者の権利、b)EU との関係について議会承認を必要とする箇所、c)移民受け入れ保証の関する箇所が削除され、移行期間の延期を排除する内容も追記されている。

全米小売業界は年末商戦が前年比+3.8%~4.2%と好調な結果を予想しているが、本日の CNBCに報道によると“かなりの" 返品が起きているとのこと。確かに米国では一度着た服や靴であっても大体1ヶ月ほどはペナルティなしで返品可能だ。この数年の傾向としてオンラインショッピングが増えているが、年末商戦の時期にオンライン経由で購入された品物の約15%~30%が返品されており、金額にすると$416億ドルに上るそう。消費者が“とりあえず” 買った商品が全米小売業界のデータにプラスとして計上され、それが好調な年末商戦を演出しているとすれば実態とはだいぶ異なりそうだ。

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