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漫画家とり・みき氏が描くイエスの生涯

 漫画家とり・みき氏が描くイエスの生涯、などというタイトルをつけますと、「プリニウス」で古代ローマを描いたとり・みき氏が近い時代のテーマに取り組んだのかと思う方もおられると思います。しかしここでご紹介したいのは”ギャグ漫画家”とり・みき氏の先鋭的な短編です。

 結婚や数度の引っ越しで手放したか箱詰めしてしまいこんだかしてしまったため、どの短編集に収録されているか確認できないのですが、タイトルは「

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四大文明概念を批判する

四大文明概念を批判する

 時間がなくなかなか進まないながら「メソポタミアとインダスのあいだ」という本を読んでいます。タイトルの通り、メソポタミアとインダス文明の領域の間で両文明間の交易に携わった、イラン高原とペルシャ湾岸の「文明」について述べた本です。
 かつては「四大文明」という言葉が広く使われていたのは、ある程度の年齢以上の方ならご存知でしょう。古代中国に複数の文明が存在したことが明らかになった後も、「黄河文明」を「

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長いタイトルはラノベの専売特許じゃない

 中野京子「危険な世界史 運命の女篇」で、デフォーの「ロビンソン・クルーソー」のタイトルが、紹介されていました。曰く「ヨーク出身の水夫ロビンソン・クルーソーの生涯と驚嘆すべき大冒険。難破船でただひとり生き残り、オルノーク河口近いアメリカ沿岸の無人島で二十八年間過ごし、奇跡的に救助されるまでの詳細を、本人記述」というもの。
 面白いのはこのタイトルについて「まるで「何とかサスペンス劇場」の番組案内み

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親子2代で楽しむコンテンツ

 作家の唐沢俊一氏はエッセイで何度か、同じコンテンツを世代を超えて楽しむことについて触れています。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で1955年に行った主人公が、1985年で再放送を見ていたテレビ番組と同じ番組を1955年でも目にするという話から、アメリカは歴史が浅い分、大衆文化も大事にしているという話につなげ、日本だと大衆文化をここまでは大事にしていないけれど、同じ文化を楽しむ経験がないと世

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