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ドーナツとコーヒー、ときどき本

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特別に読書家なわけでも、文学に明るいわけでもない、ごく普通なアラサーの読書備忘録
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見よぼくら一銭五厘の旗

見よぼくら一銭五厘の旗

2年前、「暮しの手帖」の創設者・花森安治さんの展覧会で、『見よぼくら一銭五厘の旗』という文章に出会いました。本を買って、一部書き写してみました。

ダイジェストよりもディテールが知りたい

ダイジェストよりもディテールが知りたい



『むかしこっぷり』というマンガを読んだ。身近な人の、なんとなく忘れられない小さな昔話を集めた短篇集だ。

子どもの頃、近所に住むお兄さんに10円玉をもらったこと。教室の窓の外に生えていたポプラの木が切られたこと。仔犬がいなくなってしまったこと。

人生のダイジェスト映像からはカットされるけれど、間違いなくその人の血肉となっているようなエピソードが、やさしくささやかに編まれている。

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想像と妄想

想像と妄想

『夕凪の街 桜の国』というマンガを読んだ。広島の原爆をテーマにした話だ。

作者のこうの史代さんは、戦争体験者ではないらしい。いろんな人に話を聞きながら、いろんな資料を見ながら、たくさんの人の協力を得てこの作品をつくったのだとあとがきに書かれていた。つまり、この作品は「想像」で描かれたものだ。

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私はこれまで、「想像」ということばを大きく勘違いしていた。

「想像する」とは、ひとりで頭の

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“家でひとり読書”だって立派な予定である

“家でひとり読書”だって立派な予定である

「孤独と静寂を大事にしなさいよ」

6,7年前、真夜中に乗ったタクシーの運転手さんに、こんなことを言われた。

「忙しく働いたあとには、海で一人泳ぐとか、喫茶店で読書をするとか、自分の内にある孤独と向き合う時間をつくらなきゃだめだよ。そうしないと、心の泉が枯れるよ」

ずいぶんと詩的な言い回しをする人だった。今でもときどき、「孤独と静寂」ということばを思い出す。

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今日の世界は男に対

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ことばで世界を編集すること、との出会い/長野まゆみ「少年アリス」

はじめに断っておくと、私はこの本のストーリーを少しも覚えていない。登場人物の名前がかろうじてわかるくらいだ。だけど、この本に出会っていなかったらこうやって文章を書いていなかったかもしれないなと、ふと思うのだ。

小学5年生のときだった。帰りの会で、2ヶ月に1度の「図書新聞」が配られた。図書新聞は、ざらっとしたA3わら半紙のプリントで、図書委員が交代でつくる学級新聞のようなものだ。(図書委員は大抵、

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読書の秋、わざわざ行きたい“本と過ごす”21軒

読書の秋、わざわざ行きたい“本と過ごす”21軒

本屋に行かなくても本が読める時代だけれど、わざわざ行きたい場所もある。本を楽しめる21の素敵な場所を、(完全独断の)テーマ別に紹介します。秋のお散歩がてら、ぜひぜひ立ち寄ってほしい場所ばかりです。

<目次>
◆本と、コーヒー
 Title / HADEN BOOKS(閉店) / 胡桃堂書店 / NABO(閉店)
◆本と、アート
 百年 / Flying Books / SO BOOKS /

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「食べる」の美学 〜ごはんにまつわる好きな本4冊〜

「食べる」の美学 〜ごはんにまつわる好きな本4冊〜

自分で料理をするのは苦手だけど、「料理」「食べること」に関する本を読むのは好きです。

誰の日常にも存在するものへの視点にこそ、独自性が出る。つまり、「食べる」を通して、自分とは違う感性を知るのが好きなのです。

ということで、「食べる」にまつわる好きな本を紹介したいと思います。いつもの風景への視点をちょっと変えてくれるような本たちです。

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帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったの

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道徳の授業通りに進まないのが、大人の愉しみ/「痴人の愛」谷崎潤一郎

道徳の授業通りに進まないのが、大人の愉しみ/「痴人の愛」谷崎潤一郎

小学生のときの「道徳教育」、あれは何だったんだろうと思うときがある。

初めから「善」と「悪」の模範解答がくっきり決まっていることがらに対して、「みんなはどう思いますか?」と先生は聞いた。

私たちは「それは良くないと思います」と、大人の望み通りの答えを言って、そして滞りなく授業は終わった。

それから時が流れて、学校という枠の外に放り出された私たちは、「道徳的に正しいことをしても必ずしも報われる

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春の澱みと向き合うために/「デッドエンドの思い出」よしもとばなな

春の澱みと向き合うために/「デッドエンドの思い出」よしもとばなな

春は心が澱む。

もわっと暖かい風を吸い込むと、おなかの中にホコリが巻き起こって、黒く澱んだ小さな沈殿物が溜まっていく。

「寒くなると古傷が痛む」とよく言われるけれど、心の古傷がいちばん痛むのは、だんだんと暖かくなる今くらいの時期のような気がする。

『デッドエンドの思い出』は、そういう心の古傷に、近すぎず遠すぎない距離感でやわらかく寄り添ってくれる。

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「ドカンとショッキングなことが

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