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#海外就職
【22話】人生の賭け:フリーランスになる
従業員として最後の仕事となる Bタウン雑誌の最終号は特別丹念に作った。特別カラーページを作り全てSFグルメ特集にして、広告記事として作った。この号はページレイアウトも良く好評だった。なのに、もう次号はない。
5年半ひたすら働いてきた日々に幕が降りた。もう客からも電話がかかってこないと思うど、フヌケになった。リズムがいっぺんに変わって私の体も戸惑っている。何日か寝れない夜が続いた。かと言って、主婦
【29話】「OCD」(強迫性障害)ーー夫の仮面が剥がれていく
あの事故から、私の心はどんどん夫から離れていった。夫婦生活を立て直そうとしても、次から次へと打ちのめされるような暴力的な「言葉」だったり「行為」があった。
かといって毎日が暗いわけではない。週末は彼が大好きなワイナリーに行ったり、高級レストランや週末はお決まりのカフェで朝ごはんを食べたり、ウォーキングをしたり、生活上は普通に見える。ただこれは週一回だけのこと。行き先はいつも彼が決めるし、旅行の計
セックスレス、会話レス、家庭内暴力、その先は?
「安定した仕事」を持ってなかった私は不覚にも深いジレンマに堕ちていた。パッションを持って仕事をしていたのに、仕事を辞めて彼との結婚生活の安定を選んだのだ。今更前のポジションには戻れない。
夫がOCDと分かってから「一緒にいてはいけない」という気持ちが強くなった。でも答えはいつも「独り立ちできない」という否定で終わっていた。「お金がなければ独立した生活は出来ないし、夫に支配されるだけ。どこへも行
【31話】夫に支配されていた「生活圏」から脱出する
そんな時通訳アテンドとしての長期出張は私にとって好都合だった。フリーランスになって始めての大きな収入となり、夫に支配されていた箱から自由な気持ちが蘇ってきた。「経済的自立」は私にとって最も必要なものだった。
私の仕事は「タービントップ」と呼ばれる、パワープラント(発電所)の要のタービンを取り付ける日本からの監督でエンジニアの付き添いだ。日本の大企業から派遣されるエンジニア達はほとんど英語が皆無で