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★【走塁 ここからスタート】走塁技術で1点・試合の流れをつかむ

(このnoteでは、”強い高校野球チームを作る”方法を仮想の高校を見立て様々な角度から具体的にシミュレーションしております。野球に関わる全ての方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。)
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一発勝負のトーナメント戦で勝つためには、投手力・打力は当然ですがもっと細かな部分がポイントになることが多く、特に「走塁」が試合のカギを握ることは多いです。
(本塁打以外は)いくら安打を打っても走塁が出来ていないと得点できません。逆に安打の数が少なくても、質の高い走塁で少ないチャンスに得点を重ね勝つこともできます。


◉ 「足が速い」ことは大きな強み

「足が速い」ことは、走者としてはもちろん打者としても内野安打の可能性が高いため、守備側の守備範囲が広がる 等影響を与えることがあります。
足の速さに好不調はあまりないため、試合で計算がしやすい戦力となります。足が速い選手が「足を生かす」方法は、

走塁面

● 走れる時は積極的に盗塁を狙う。
● 盗塁の成功確率を高めるよう、スタート・帰塁などの技術を高める。

打撃面

● 速い足を生かして”ゴロを打つ”。
● 内野安打の確率を高めるため、
      右打ちを左打ちに(またはスイッチヒッターに)変える。

になりますが、例えば「右打ちを左打ちに変える」というような変更は、その選手の成長の可能性は閉ざす可能性があることも留意しておく必要があります(「足が速いから」ということだけで型にハメ過ぎず、その選手の可能性を最大限引き出す)。

**********************************************************************************ただし、「足が速い」ということはもともと各人が持っている先天的な能力である部分が大きいですが、野球の走塁に関してはそれ以外のところでアドバンテージを取ることは十分に可能です。

◉ だが、足が速い走者=良い走者 ではない

良い走者=足が速い走者 とは限りません。良い走者が持っているポイントは「予測能力」「瞬時の状況判断能力」「相手へのプレッシャー」になります。

予測能力

次に起こりそうなプレーの予測する能力になります。
打球ごとに 進塁か?帰塁か?タッチアップか? を事前に予測しておきます。強さ・打球方向・打球角度等すべてを予測することは不可能ですが、大まかであっても(例 内野ゴロなら?外野フライなら?外野の間を抜けたら?)想定し予測しておきます。
また打球だけでなくアウトカウント・塁状況・試合展開、この他にも相手守備の守備位置・守備範囲・肩の強さ・利き腕などでも変わってくることがあるので、プレーが始まる前に観察しその観察を基にあらゆる場面を想定して予測を立てます。

瞬時の状況判断能力

事前に様々な要素を鑑み予測を立てても、実際のプレーでは予測がつかないことが起こることがあります。このときに瞬時の状況判断を行ない適切に対応できる能力は重要な能力になります。

(例)   ● 打者の打球がイレギュラーした。
      ● 相手守備がエラーをした。
      ● 相手守備が暴投をした。
      ● 前の走者がころんだ。

瞬時の判断に必要なことは、”自分の走力”と”相手の守備力”を計算することです。「ボールの勢い・方向」「一番ボールに近い野手の体勢・能力」「自分の走力とベースまでの距離」これら判断材料を瞬時に整理し判断しスタートを切ります。
瞬時の状況判断能力を高めるには、普段の練習・練習試合の中で自分の判断のチャレンジを行ないさまざまな経験を積むことが有効です。瞬時の判断の結果アウトか?セーフか?がでるので、アウトになった判断は以降修正、セーフになった判断は以降も同様の判断でスタートを切ることでより高い確率で良い結果を生み出すことができるようになります。

相手へのプレッシャー

良い走者が塁上にいると、相手バッテリーはそれだけで「盗塁されるのでは?」「スキをつかれるのでは?」プレッシャーを感じます。その結果、けん制が増えたり配球が偏ったりとミスや失点につながる確率が高くなってきます。
相手のプレッシャーをかける方法としては
 ● 足の速いことを見せる
 ● リードを大きめにとる
となります。足の速さはなかなか変えることができず相手に見せるシーンも限られますが、リードはすぐにでも変えることができ試合でも相手に見せやすいので、よりけん制を引き出すことができる良い方法です。

大きめのリードをとれば投手からのけん制を引き出すことができます。自分が取れるギリギリまでリードを取るので帰塁の意識を高くしておく必要があります。
投球後の第二リードを大きくとれば捕手からのけん制を引き出すことができます。この場合、空振りなどで飛び出してしまうことがないよう注意が必要です。

◉ 足が速い=走塁がうまい でもない

足が速いことは野球では大きな武器になりますが、「足が速い」=「走塁がうまい」ということではありません。
野球の走塁技術は他の競技とは違う独特なものなので、陸上選手のような足が速い選手が(アドバンテージにはなるが)すぐに通用するものではありません。野球の走者は自分の走力・相手の守備・試合展開で最適な判断をし進塁する必要があります。野球を十分理解し、シーンに応じてさまざまな動きが出来る走塁技術が必要になります。

必要な走塁技術 スタートの良さ

野球は陸上競技と違い、走る際にスタートの合図がありません。プレー中であればいつスタートをきっても良いのですが、アウトにならないようスタートを切る判断をすることが重要になります。
例えば、盗塁なら「投手のモーション」「けん制の有無」「配球の読み」等がスタートの判断に、打球からの判断なら「相手の守備位置」「アウトカウント」「打球予測」「試合状況」等がスタートの判断になります。このようなにさまざまな情報を素早く処理をし一歩でも速くスタートをきることが野球に求められる走塁技術になります。

必要な走塁技術 リードの大きさ

リードはアウトにならない範囲で大きく取ることが良いです。特に投手が投球を開始した後の第二リードは、”できる””できない”の選手差が大きくその後のプレーに大きな影響を及ぼします。
リード(第二リード)は走塁技術により行なうものなので、足が速くなくても大きく取ることができます。投球が暴投・捕逸になった場合、進塁の確率を上げることができます。野球に求められる重要な走塁技術です。

走塁技術が「経験」が重要

走塁技術はアウトカウント・塁状況などさまざまなケースで違う技術が求められ、また瞬時に正しい選択をする必要があるため(頭と体両方の鍛錬が必要)画一的な練習や監督・コーチが事前に話をしただけでは、身につけることが難しい部分があります。

身につけるには「経験を積む」のが一番の近道になります。
試合で多くの失敗・成功を繰り返し各選手が”自分の判断基準”を作っていくことが、大事な試合でより良い一瞬の判断が生み好走塁・チームの勝利へとつながります。
ただし、試合経験だけだと打力がないため走塁を試す機会が少ない選手も出てくるので、練習の中でも走塁技術をつける経験を積める練習を取り入れる必要があります。
”ランナー付きで行なうノック”は、ただのベースランニングでは磨けない走塁の判断力を磨くことができるより実践的な練習となります。アウトカウント・塁状況・守備位置・サイン・打球等、いろいろな想定を行ない経験を積むことで、試合に活かすことができます。

◉ 「走塁の技術力」を高める

例えば1点を争う試合展開のときにきわどいクロスプレーでのタッチアウト・セーフが試合の明暗を分けるケースは多いですが、その時走者の
 ● 状況判断
 
● リード
 ● スタート
 ● 正しい走り方
 ● ベースランニング
 ● スライディング

のような「走塁の技術力」が(相手の守備が良い送球・連携プレーをしても)アウト・セーフの要因になることは多く、これは日々の練習・試合の中での準備・意識で高めることができます。
     
アウト ⇒ 一つアウトが増え、得点は入らない
     セーフ ⇒ 1点が入り、アウトカウントは増えない
この差は非常に大きいです。

”好走塁”と言われる走塁は
● 相手の怠慢なプレーを見逃さない走塁
● 相手の小さなミスを見逃さない走塁
から生まれることが多く、小さな油断やミスを的確につく判断をし勇気を持ってチャレンジすることで生まれるもので、そこに足の速さの要素はあまり入りません。
むしろ、守備側が「この走者は足が遅い」と認識すると
    足が遅い → 相手は良いスタートをしてこない。
           走塁意欲がない。
           走塁技術がない。
と警戒を緩めることが考えられ、そのスキをつくことができます。

チーム全体で走塁に対する意識を高め技術を上げる「良い走塁」をすることを徹底することで、必ず得点力は上がります。大事な時に1点を奪うことができ、1点勝負の試合を制することができるようになります。

※ 「良い走塁」のための準備

走塁の技術力を100%発揮するためには、普段履くスパイクが十分パフォーマンスを発揮できる状態になっているか?は重要になります。

※ 走者別(打者・1塁・2塁・3塁)

走塁は「打者走者」「1塁走者」「2塁走者」「3塁走者」で事前に考えておくべきことが若干変わっていきます。

打者走者

1塁走者

2塁走者

3塁走者


これら走者を支えるコーチャーは、その指示1つで1点入る・入らないが決めりチームの勝敗に直結する重要な役目を担っております。

コーチャー

コーチャーは走者に必要な情報を声掛けし、走塁のサポートを行ないます。

◉ 「走塁」がカギとなる戦術

盗塁

走塁力を使った戦術の最たるものが盗塁になります。ディレードスチールも同様です。

◉ 「走塁」がカギとなるプレー

ランダンプレー


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