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★【走塁】盗塁

盗塁は、成功すればアウトを増やさず塁を進めることができるため効率よく得点をすることができる作戦です。ただし、盗塁死してしまうとアウトが増えて走者がいなくなるリスクも抱えています。
試合の結果・流れを大きく左右する可能性が高い作戦なので、盗塁の成功率を高めるための練習は非常に重要になります。盗塁が出来る選手は「試合の流れをつかむことができる選手」ということになり、出場機会も増えることになります。


盗塁には、スタートの種類が大きく3つあります。
 ● 投手の足が上がった瞬間にスタート ⇒ 一般的な盗塁
 ● 投手が投げてからスタート ⇒ ディレードスチール
 ● 投手が投げる前にスタート  ⇒ ギャンブルスタート

ここでは、投手の足が上がった瞬間にスタートする「一般的な盗塁」の話になります。


一般的に盗塁成功のポイントとして「スタート」「スピード」「スライディング」の3Sと言われています。これにプラスして、その前段階となる「リード」も重要になります。


盗塁の成功率を上げる準備

自分の塁間タイムを把握する

塁間タイムの把握は、野球のあらゆる走塁での基本目安になる

自分が何.何秒で塁間を走ることができるか?を練習の段階で把握しておきます。
その数字がわかっていると相手バッテリーの投球→捕球→送球のタイムを測定することで、盗塁をした場合にセーフになるか?アウトになるか?が想定でき、仕掛けた盗塁の成功率を高めることができます。

盗塁成功の目安タイム(2塁盗塁の場合)

守備側が盗塁をアウトにするためには、3つの工程の時間をより短くする必要があります。この合計タイムよりも早く2塁に到達すれば、盗塁の成功確率を高めることができます。

≪① 投手がモーションに入り投球し、捕手がボールを捕るまで≫
投手がクイックモーションで投球を行なった場合は、1.1〜1.3秒ほどで捕手が捕球します。クイックモーションでなければ、もう少し時間がかかります。

クイックモーションで1.1~1.3秒

≪② 捕手がボールを2塁に送球し、2塁にいる野手がボールを捕るまで≫
速い捕手だと1.8〜2.0秒ほどで2塁にいる野手が捕球します。

≪③ 野手がボールを捕ってから走者にタッチをするまで≫
捕手からの送球がタッチしやすい場所に来るか?来ないか?で大きく変わりますが、0.1〜0.5秒くらいかかります。

この3つの工程で一番短い時間を足した場合 1.1+1.8+0.1=3.0秒 となりますが、これはすべてが完璧にできたときのタイムになります。高校野球の場合すべての工程(クイックモーション・2塁送球)が完璧に行くことはなかなか少なく、また変化球の場合はさらに時間がかかることが想定されます。
また、3つの工程で一番長い時間を足した場合 1.3+2.0+0.5=3.8秒 となりますがこれよりもさらに時間がかかるケースも十分考えられます。
走者はこれらのタイムよりも早く2塁へ到達をしていれば良いので、このタイムを目標に盗塁の練習をしていくと良いです。高校野球であれば、3.4秒くらいの2塁ベース到達タイムでも、十分ではないか?と考えます。
試合では、計測した2塁到達タイムが3.4秒よりも短い選手であれば積極的に盗塁を仕掛けることを考えます。

スタートを速くする

盗塁を成功させるためには、良いスタートをきることが重要なポイントで、そのために十分な準備が必要です。
【投手のモーションをよく見る】
投手のフォーム・投球モーションの入り方・けん制のタイミングは人それぞれで、人間なのである程度パターンが決まっています(例 3球続けてけん制しない…)。完璧にモーションを盗むことができなくても、けん制のパターンをある程度把握できるとスタートが切りやすくなります。
そのパターンを知るためには、(試合の中で)けん制を多くしてもらう必要があります。リードを大きく取って意識は戻ることに重きを置きます。そうすれば、けん制をアウトにならずにもらうことができます。けん制が多くなると、モーション・パターンが把握できてきて盗塁のスタートが切りやすくなります。
【スタートしやすい姿勢をとる】
盗塁が「スタートしやすい姿勢」は選手によって違うものなので、練習・練習試合の中で自分が一番スタートしやすい姿勢はどういう姿勢なのか?把握しておく必要があります。
例えば、盗塁する時の意識として
● リードを大きく取り、戻ることに意識を大きくおきながら盗塁
● リードを小さく取り、スタートをきることに意識を大きく傾け盗塁
という感じで、人それぞれ違ってきます。

スタートの構えも意識によって変わってくるのですが、基本的には「地面からの反発を一番もらいやすい姿勢」を取ることになります。けん制で戻る・盗塁のスタートをきる のいずれも、地面を強く踏ん張りその反発をもらうことが必要です。そのために自分が一番良い姿勢を練習・練習試合でハックしておくようにします。

【最初の3歩でトップスピードに乗る】
スタート後すぐにトップスピードにのる必要があります。目安としては、最初の3歩までにトップスピードにのるイメージで走り出しを行ないます。

【最短距離を走る】
より早くベースに到達するためには、最短距離を走ることが基本になります。例えば2塁盗塁であれば、1塁ベースと2塁ベースを結ぶ一直線上を走ります。

【スライディングは緩めない・すぐ起きる】
スライディングの際はスピードを緩めず(スピードを落とさず)スライディングし、ベースについた足を軸に素早く起き上がります。送球が逸れる等次の塁を狙うチャンスがあるときにすぐ対応できるようにするためです。出来ます。

相手投手の傾向をつかむ

走力の向上と並行して、相手投手・バッテリーのモーションからより良いスタートをきる情報を取ることも重要です。

相手投手のタイプを把握する

相手投手のタイプは 速球主体か?変化球主体か? けん制は得意なのか?不得意なのか? 試合前のプルペン投球をチェックしておおまかなタイプを掴んで試合に挑むと、序盤からより精度の高い走塁判断ができるようになります。

相手投手の予備動作からクセを見つける

「投手のクセを盗む」と言いますが、主に予備動作(投げ出す初動の動き)からクセを見つけることになります。

≪初動から見えるクセの例≫
● 投球動作に入るとき、重心がやや軸足の内側に数cm動く
● 開き気味にセットを取る ⇒ 初動が肩になる傾向がある
● けん制のとき、体ごと一塁へ倒れてから牽制する。
このように、重心移動・肩の動き・グラブの動き 等からクセを見抜くことができれば、投球する前にホームに投球か?けん制か?把握できるようになり盗塁のときのスタートをより早く切ることができます。
高校野球の場合事前データがあまりないことが多いので、試合の中で観察し徐々に見抜いていく形です。普段の練習試合から意識して注視することで、クセを見つける目が養なうことができます。

変化球のときに盗塁を仕掛ける

相手投手のタイプやクセが見えてくると、変化球をどこで投げてくるか?ということも予測できるようになります。変化球は直球よりもボールが遅くなり時間がかかるので、このタイミングで盗塁を仕掛けることで成功率を高くすることができます。


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