マガジンのカバー画像

11013の手紙に寄せて

772
11013でなければならない理由も、ないのだけれど。
運営しているクリエイター

#子育て

大木の根元をすり抜ける小動物

大木の根元をすり抜ける小動物

この柱に寄せる稚拙な小文を書くための時間を、朝に取っています。その習慣を続けて、3年ちょっとになります。無茶してかなり余計に早起きしていたこともありましたが、今はほどほどの早起きに落ち着いています。私の現在の早起きは、人によっては早起きとは言えない程度の早起きかもしれません。

上の子どもが2016年の5月に誕生して、それからしばらくして今の朝の習慣がつきました。とにかく子どもが覚醒している間

もっとみる
Win-Win好き

Win-Win好き

頻繁に接しているものを指して、私は「自分はそれが好きなのだ」と表現したり、納得したつもりになったりしがちです。でも、好きってなんなんだろうと思うと、いろいろあるような気もするし、もっと単純な気もします。そう、とにかく、「単に、頻繁に接している」ということでしか説明できません。それでいいような気もします。

なんで頻繁にそれに接しているのかと問えば、何かと理由をつけることができそうです。例えばそ

もっとみる
悠久のいないいないばあ

悠久のいないいないばあ

幼い息子がいる。ある日、母親である妻が外出のため、父親である私が彼と過ごすことになる。すると、妻が出て行くときに、泣くわ、泣くわ。なんとか彼女から息子を引きはがして、妻に出発してもらう。するとどうか、お湯につけた乾燥わかめみたいに、さほど時間を要さずに、高まった息子のヒステリーがほぐれて、いつのまにかごきげんに遊び出している。

母親に執着したかと思えば、目の前の景色からなくなったものは、気に

もっとみる
まぁだだよ

まぁだだよ

過去は変えられぬ、「まだ」は変えられる。

30代、妻と男児2人を子育て中の私です。若いときよりもルーティン化した毎日が、快速急行で突き抜けるよう。劇的な変化に乏しいがために、時間が毎日、すぐに過ぎていってしまうと思いがち。ですが、本当にそうなのでしょうか。

2人の子どもたちの変化。それはめまぐるしく、昨日までにはなかった語彙を身につけて披露してみせる。そんな日があってから、次の変化を見

もっとみる
きょうだいの不和に干渉する吉凶

きょうだいの不和に干渉する吉凶

私は2人の子どもと妻と暮らしています。上の子どもは3歳の男の子、下の子は1歳の男の子です。

2人は、よくいがみ合っています。いえ、といいますか、よく、上の子が広げたおもちゃに下の子が手を伸ばし、触れたり持ち上げたり位置を変えたりするのですが、そのことをよしとしない上の子どもが、手や足や頭、あるいは全身を使って下の子どもに圧迫をかけることがあるのです。すると、下の子どもは悲鳴をあげます。上の子

もっとみる
人+象=像

人+象=像

象の存在って、ファンタジーですよね。あんなにでかくてユラユラしていてたくさん食べてたくさんうんちする生き物は不思議でなりません。鼻(くちびるらしいですね)も長いですし、器用に動きます。でも、確かに、私は象が実在することを知っています。実物を見たこともあります。触ったことはさすがにないですけれど、においの粒子なら私の鼻の粘膜に触ったと思います。

私は、たまに、妖怪になります。たまになんかじゃな

もっとみる
落ちても死なない綱渡り

落ちても死なない綱渡り

正解であろう方角がまったくわからない状態で、間違いをおかすと深刻なリスクが伴う場合、「そっちじゃない」と言われたときに、私にできることって、「止まること」のみなんじゃないかと想像します。へたに動いて、また「違う」ひどければ「ばかやろう」と言われる、咎められることが怖くて、何も出来なくなってしまうのじゃないかと思います。

こどもがやるあれやこれやのうち、そのおこないが、「ただちにその子や、他の

もっとみる
Stay or Go

Stay or Go

こどもって、ほんとうに思い通りになりません。うちには、1歳と3歳のこども(♂、♂)がいます。で、上の子の主張が強く、大人は困ってしまうことが多いのです。彼の主張に、叶えてあげられない要求が含まれているからです。いえ、その主張や要求を叶えてあげるのが必ずしも不可能というわけではないのですが、叶えてあげづらいものが多いのです。叶えてあげてしまうと、取り返しのつかないことになるものだったり、あるいは、復

もっとみる
生き写し

生き写し

結婚して妻と住んでいます。子も二人います。

私たちの住んでいるところから徒歩5分未満程度のところに、私の実家があります。そこに、私の両親が住んでいます。

近いので、私たち家族と私の両親は頻繁に会う機会があります。私たち夫婦の子どもの世話のことでも、頻繁に力を借りています。ありがたいことです。

私は、父の子です。ですから、いろんなことを写し取ったのでしょう。私の仕草や言葉づかい、態

もっとみる
喃語の爆発

喃語の爆発

先日、下の息子が1歳になりました。昨年の1月2日に生まれた子でした。彼が生まれて、まだ1年くらいだというのが不思議でなりません。もうずっと彼のいる生活を続けてきているような気がしています。でも、まだ1年なのです。自分の端末のストレージメモリ一杯の写真をつらつらと眺めていると、確かに1年以上前の写真には、下の息子はまだ写っていません。私の気のせいではなく、まだせいぜい1年なのです。

1歳になっ

もっとみる
跳ねっ返りの子

跳ねっ返りの子

生まれたまちに、ずっといます。子どものころからいたまちで、いま、ぼくは結婚して子どもを育ててもいます。そんな未来がくるなんて、みじんも思ったことなかったです。

もっと、どっか行っちゃうのかと思っていました。でも、ぼくにとって大事だったのは、どこへ行くのかではなく、何をするのかだったのかもしれません。それがこのまちでもできることならば、特別どこかへ行く必要はない。そういうことなのかもしれません

もっとみる
ものさしの目

ものさしの目

うちには0歳7か月の赤ちゃんがいます。赤ちゃんというにはからだの大きい子です。ほやほやとした赤ちゃんらしさはもう通り過ぎて、この頃では好奇心と探求の冒険家然としてきました。

まあ~~モノを落とすのが好きで(好きと本人から聞いたわけではありませんが)、つくえのうえに、私が置いた乾いたふきんを見つけると、手で払い落とします。それを私は拾います。ふたたびつくえの上にのせると、また払いのけるように落

もっとみる
人はなぜ笑うか

人はなぜ笑うか

久しぶりに会う人が僕の子どもを見て、大きくなったねなどと言う。僕は毎日見ているので、あまり実感がない。あぁ、そうかもしれませんねなどと生返事をすることもある。

2人の息子がいるが、下の子はまだ生後3ヶ月未満で、寝返りすら打てない。天井をみつめることだけが、起きているあいだの活動のほとんどだ。そんなことを本人に言ったら否定されるかもしれないが、今のところそれを伝えたこともなければ否定されたこと

もっとみる
あゆみ 〜生績通知票〜

あゆみ 〜生績通知票〜

45歳ってどんなだろう。どんなからだの感覚なんだろう。今年33歳になる僕の、およそ12年後だ。

同い年の人たちの平均的なからだと、じぶんのからだはどれくらい差異があるのだろう。瞬時にその平均モデルのからだになったとしら、どんな感じだろうか。重いのか、軽いのか。快適なのか、不気味なのか。

僕には僕のからだのつかいかたの癖がきっとある。固有の生活習慣がある。いや、それはごく平均的なものかも

もっとみる