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現代アート関連、本、映画などのレビュー

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音楽レビュー以外はだいたいこちら・・更新頻度は低いかもしれません。
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#読書

ゼロ地点へ回帰するアイデンティティとレコード・ジャケットを想う(最近読んだ本5冊の感想)

ゼロ地点へ回帰するアイデンティティとレコード・ジャケットを想う(最近読んだ本5冊の感想)

前回思いつきで書いたもので、最近私が読んだ本についての読後感想の記事をアップしてみたところ意外にたくさんの反響をいただいて、投げ銭までいただいたので、僭越ながらもう少しだけ書いてみようかと思います。

例によって、私は読書家というにはあまりに雑多なジャンルを読み散らかしているので、まとまりがあるようでないかもしれませんが、その辺りはご愛嬌(?)ということで・・。

①『偶然と必然の方程式』(マイケ

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ポピュリズム・ポイエーシス・ポッシュロスト(マイケル・フィンドレー『アートの価値』を読んで)

ポピュリズム・ポイエーシス・ポッシュロスト(マイケル・フィンドレー『アートの価値』を読んで)

「オークションで数億円!」という見出しのニュースを近頃はよく見るかと思いますが、「数億円」であるからには価値があるアートなのだろう(どこが良いのか理解はできないけれど)、となんとなく腑に落ちない感覚を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私は現代アートが好きですが、現代アートの評論を書くことに「意味」が感じられないことがしばしばあります。それは悪い意味ではなく、アートマーケットを意識した作

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美術系のための夏の課題図書。(すでに夏は終わっている)

美術系のための夏の課題図書。(すでに夏は終わっている)

どれも読みやすくて役に立つ本だと思うので、宜しければ

ー狙いとしては、ジジェク・大澤先生の3作でポストモダン以降、的な思考に触れ(余力があればファイヤアーベントなども…)、80年代ぐらいまでのアートシーンに関してネグリ、クラップで復習し、空気の研究〜日本辺境論で日本への目配せ、という感じです。

「美術館をめぐる対話」西沢立衛
「ポストモダンの共産主義」「斜めから見る」スラヴォイ・ジジェク
「過

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