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2024年1月の記事一覧

『ブッデンブローク家の人びと』 概要と見取り図

『ブッデンブローク家の人びと』 概要と見取り図


序 たった一語を置き違えるだけで、文全体の雰囲気が異なり、言い尽くせていない気がする。推敲を重ね、書けたと思えば、細部への執着が視線を逸らし、誤字脱字を見落としている、脈絡が矛盾している。書くという行為はひとを神経質にさせる。作家とは言葉に苛立つ者である。
 他言語に移し替える以上、翻訳家は原作者と同じかそれ以上に神経をこわばらせる必要がある。ニュアンスを大事にすれば、原文にない表現を付け加えて

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伏線って何? <小説の書き方>

伏線って何? <小説の書き方>

伏線は小説にとって、特にミステリにはなくてはならないものです。
しかし、実際に「伏線って何?」と問われると返事に詰まってしまいます。

私の場合は、小説が好きなので、その読書体験の中で「こんなところに伏線があったのか」、「この伏線は二通りの意味があるな」、「回収の仕方がほかの作家と変わっている」などと、なんとなく体感していて、それを自分が書く時に思い出して書いているように思います。

理屈がわから

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書評家が伝える「社会人が読書する習慣をつける」10のコツ

書評家が伝える「社会人が読書する習慣をつける」10のコツ

あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!
……という新年のご挨拶とともに、こんなふうに思っている方、いらっしゃいませんか!!

「今年は、本を読みたい!」

書評家としてこんなにうれしい声はないわけですが……いや本当にガチで……。大人になってからも入門しやすいものでありたい、読書沼。
本を読み始めるのに遅いも早いもありません。いつからでも本を読む人がひとりでも多く増えてほしい

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