見出し画像

【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】あんこのあずき 健康パワー!

毎年2月のバレンタインデー近くになると、街中にチョコレートやクリームを使ったあま~いスイーツがたくさん出回るようになりますね。
最近は、義理チョコ風習が減少傾向に、代わりに自分チョコを買う人が増加傾向にあるようです。
そんながんばった自分へのご褒美スイーツ!チョコもいいですが、チョコにあきた方やチョコは苦手な方、和菓子はいかがしょう??
和菓子は、季節をその題材にしたものが多く、色や形からも季節を感じることができますね。
今回は、そんな和菓子の材料、あんこのあずきをとりあげ、そのヒミツ、あずきパワーのすごさ、簡単なあずきの煮方をご紹介していきます。
では、最後までお楽しみください。

1.あずきの由来

この写真は、ヤブツルアズキの花です。
あずきは、中国名、赤小豆は「ツルアズキ(小赤豆)」や「アズキ(赤豆)」の種を指し、中国南部が原産地と考えられていますが、野生種は東南アジア、中国、日本など広く分布しているようです。

日本で和菓子の原料として、また、赤飯やおかずなど幅広く使われているあずき(小豆)は、中国名を赤豆といい、日本でも中国でも古来から栽培されている作物です。

あずきの名前がどうして、あずきと呼ばれるようになったか知っていますか?

諸説あるのですが、江戸時代に「あ」が「赤色」、「つき」及び「ずき」が「溶ける」を意味することから「あずき」と呼ばれた説、アズ、アヅが「崩れやすい所」を意味し、他の豆と比べて煮崩れしやすいことから「アズキ」という名がついた説などがあります。

あずきは、煮ると早 く軟らかくなり、煮崩れしやすい品種が一般的ですが、大粒で、煮ても皮が破れにくく、煮崩れしにくい「大納言」と呼ばれる品種もあります。

2.栄養学としての効能

あずき主成分には、炭水化物、たんぱく質以外にビタミンB1、カリウム、鉄などの栄養素が含まれることが、その特徴です。
また皮の部分には赤い色素のアントシアニンや苦み成分のサポニンが含まれます。
あずきのたんぱく質には、ひとの身体の中で合成できないアミノ酸(必須アミノ酸)が豊富に含まれています。
主食であるお米は必須アミノ酸の中で特にリジンが少ないため、赤飯にして食べれば効率よく必須アミノ酸を補うことができます。
カリウムには体内の余分な水分・塩分を排出する働きが、サポニンには利尿作用があるので、むくみを予防したり改善する効果があります。
食物繊維も豊富で、腸内環境を整えて便秘を解消する効果もあります。
アントシアニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、アンチエイジングや目の健康に効果があります。
カリウム、サポニン、食物繊維、ポリフェノールの働きは、いずれも糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果的です。

ここで、食べ方のポイントですが、ポリフェノールはあずきを煮る時に煮汁に出てしまうので、煮汁ごと食べるのがおすすめです!!
あずきといえばあんこ・ぜんざい・お汁粉などの甘味が思い浮かびますが、あずき粥や、かぼちゃやレンコンなどと一緒に煮る、いとこ煮なら煮汁ごとあずきをたべられますよ。

3.東洋医学的な効能

東洋医学的には、あずきは以下のような属性と効能をもちます。
【性質と味】 甘・酸、微寒
【関連する臓腑経絡】 心・小腸・脾経

①利水消腫(りすいしょうしゅ)
利尿作用があることから、身体の中の余分な水分を排出しやすくして、むくみを解消します。
和菓子、夏場の「水ようかん」、冬の「ぜんざい、お汁粉」なども、身体に溜まりやすい水分の排出を助け、水の巡りを良くする効果が期待できますね。

②解毒排膿(げどくはいのう)
身体の毒素を消し、膿を排出させます。
漢方としての用法になりますが、皮膚の炎症・化膿やただれ、おたふくかぜ、乳腺炎、腸の化膿症、痔出血などに対してほかの生薬などと配合して、内服したり外用したりして使います。
乳腺炎でおっぱいが痛くなり母乳が出ずらくなることがありますが、それを緩和させることができます。

4.簡単なあずきの煮方

最近では様々な種類のゆであずきが市販されていますが、自分で乾燥の豆から調理できればゆで汁や煮汁も食べることができ、あんこにするときにも砂糖の種類を選んだり、砂糖の量を調整したりして、自分好みのあんこを作ることができます。
ただ、あずきを煮るには、あらかじめ水に浸したり、渋抜きのために何度も煮こぼしたりと、手間も時間もかかるため少し面倒に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、最高に簡単なあずきの煮方をご紹介します。

①小豆をフライパンに入れ、中火で2〜3分、からいりをする。 表面が少し黒くなってきたらOK。
②からいりした小豆を鍋にうつし、500ミリリットルの水を加え強火にかける。
③沸騰したら火を弱め、差し水をする。
④煮汁がなくなるまで、30分ほど煮る。
⑤30分ほど煮て、煮汁がなくなったら完成。

できあがった煮あずきは冷凍で1か月保存できるので、いとこ煮などのお料理にもちょっとした甘味にも簡単にアレンジできますよ。

そのほか、インターネット上には、あずきを使ったたくさんのレシピが出回っています。

ゆであずきを購入しなくても、手軽にあずきを煮て、おいしいあんこづくり、和菓子づくり、お料理を楽しんでくださいね!

5.千葉とあずき

1)和菓子
筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市内千葉駅、千葉中央駅の近くに位置しています。
あまいものがやめられない、女性患者のみなさまに対する食養生として、甘いものを食べるなら、身体によいあんこを食べるようにおすすめしています。
今回は、あずきをテーマにするにあたり、あずきと関係する周辺の場所を散歩して探してみたところ、いいところがみつかりました!
千葉神社の近く、千葉県産餅米と北海道産小豆、赤えんどうで作った豆大福で有名な老舗の和菓子店『豆大福本舗木村屋』さんです。
有名な豆大福のほかに、季節の和菓子を買ってきましたが、その味は上品で格別。※食レポになってなくてごめんなさい。。。
豆大福はふわふわですが、日持ちは当日中で、売り切れ次第閉店となるようです。
ぜひ千葉に来た際には立ち寄ってみてくださいね。

2)ヤンゴメ
これなんだか知ってますか?
『ヤンゴメ』とは、炒った米とゆでた小豆に砂糖を合わせ炊いた料理で、主に千葉の房総半島のほうでおもに食されている、郷土料理のことです。
「焼き米」がその語源だと言われていて、見た目は赤飯とよく似ていますが炒った米を使うのでパラパラした食感が特徴的です。
おもには、お盆や、豊作祈願などハレの日に食べる縁起物として、親しまれているそうです。
これは千葉市からは少し離れた場所になりますが、ぜひ、千葉房総のほうに遊びに来た際には、地元の人に聞いてみてください。
なお、『ヤンゴメ』については農林水産省のWebサイトの情報でみつけました。

いかがでしたでしょうか?
『あんこのあずき 健康パワー!』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

ヤンゴメ情報:農林水産省『うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味』
参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』


この記事が参加している募集

イチオシのおいしい一品

散歩日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?