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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】「イワシ(鰯)」は栄養の宝庫!!

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

まずは、みなさまに質問です。
おさかな料理をどのくらいの頻度で食べていますか?

お肉に比べて調理しづらく、また出されても食べづらいため、敬遠してしまう方も多いのではないでしょうか?
中には独特の生臭さが苦手という方もいらっしゃるでしょうね。
でも、魚には、お肉に含まれていない栄養素がたくさんあります。

そこで今回は、お魚に関して東洋医学との関わり交えてご紹介をしていきたいと思います。

取り上げるのは「イワシ(鰯)」です。
なぜ、イワシなのでしょうか?
その理由は、『5.千葉とイワシ』でご紹介しますので、最後までお楽しみください。

1.「イワシ」の種類

日本ではとても馴染みのある「イワシ」ですが、生物学的にイワシ科という分類はありません。
一般的に「イワシ」と呼ばれる魚は、ニシン科のマイワシ、ウルメイワシとカタクチイワシ科のカタクチイワシの3種類です。

イワシの種類

マイワシはいちばん馴染みのある種類で、お店でイワシとして並んでいるものです。体長は20~30cmほどで、体の側面に黒い斑点があるため、ナナツボシ(七つ星)と呼ばれることもあります。

ウルメイワシはイワシの中でも一番大きくなる種類で、体長30cm以上になるものあるそうです。目がとても大きく、目のふちが潤んでいるように見えることが名前の由来とされています。鮮度が落ちやすいため干物に加工して売られています。

カタクチイワシは、体長15cmほどの小さなイワシです。鮮魚を見かけることは少なく、多くは煮干しなどに加工されています。しらす(ちりめん)もカタクチイワシの稚魚を加工したものです。また、イタリア料理に使うアンチョビもカタクチイワシを塩漬けにしたものです。

2.「イワシ」の歴史

「イワシ」は日本では古くから食用にされており、縄文・弥生時代の遺跡からも骨が見つかっています。その名前で呼ばれるようになった理由には、弱るのが早い魚のため「弱し(ヨワシ)」と呼ばれていたものが「イワシ」になったという説があります。このことから魚へんに弱いと書く漢字ができたともいわれています。
また、庶民が食べるものとして「卑しい(イヤシイ)」と呼ばれていたものが変化したという説が知られています。

そのほか、平安時代の歌人 和泉式部が「イワシ」を好んで食したという逸話も残っています。
隠れて「イワシ」を食べていたことが夫に見つかってしまった和泉式部は、岩清水八幡宮の御神徳を讃えた和歌『日の本はいははれ給ふいはしみず まゐらぬ人はあらじとぞ思ふ』で応じ、いわしを食べることを石清水神宮への参詣に例えました。すると夫は『いわしは女の肌を温めて、顔のつやをよくする美食よの。』と言った、とか。
真偽のほどは確かではありませんが、すでにこの時代に、「イワシ」は健康によい魚と知られていたのかもしれませんね。

中国では「イワシ」のことを沙丁魚といいます。これは英語のsardine を音訳したものですが、マイワシだけでなく、日本でママカリと呼ぶサッパ属の魚も含めた総称です。
マイワシよりサッパの方が代表的という点が、日本との大きな違いです。

3.栄養学としての効能

マイワシ

「イワシ」のタンパク質は、必須アミノ酸がバランスよく含まれており、とても良質です。
また、カルシウムも多く含まれています。
ご存知のように、カルシウムは骨を丈夫にするために不可欠な栄養素です。
「イワシ」にはカルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれているため、より効果的にカルシウムを摂取することができます。
その他、ビタミンB群やビタミンE、鉄分も多く含まれています。

一般的に青魚に多いとされる不飽和脂肪酸のDHAやEPAも豊富に含まれています。
DHAには、学習や記憶などの脳の働きを活性化する効果が期待されています。
EPAには、血液をサラサラに保ち血栓を予防したり、血中のコレステロール値を下げる効果が期待されています。
DHAやEPAはいずれも体内で合成されず食物から摂取する必要があるので、身近な「イワシ」は最高の食材と言えます。

このほかにも、チロシンやタウリン、ナイアシンなど、栄養ドリンクの成分として聞いたことのある栄養素も含んでいます。

『いわし百匹 頭の薬』と言わることもあるようですが、「イワシ」は健康に役立つ栄養満点の魚です。

ただし、鮮度が落ちやすく生臭みも出やすいので、ご家庭で生から調理する際にはできるだけ新鮮なものを使ってくださいね。
また、「イワシ」は干物や乾物にも多く使われていますので、生魚以外でうまく食事に取り入れるのもいいですね。

4.東洋医学的な効能

次は、【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】ならではの着眼点!「イワシ」の東洋医学的な効能についてです。

東洋医学的には、「イワシ」は以下のような属性と効能をもちます。
【性質と味】 甘・鹹、平(甘・鹹、温)
【関連する臓腑経絡】 肝・腎経(肝・胆)

①滋肝腎(じかんじん):腎や肝の機能を補います。
『かんじんかなめ(「肝腎要」あるいは「肝心要」)』という言葉もあるように、肝臓と腎臓、あるいは肝臓と心臓が、私たちの体にとって重要であることは昔から知られていますが、東洋医学においても、肝と腎はいずれも大切で両者が補いあってからだを支えると、古くからいわれています。

②潤気血(じゅんきけつ):気や血を潤し、巡りをよくします。

③通経絡(つうけいらく):経絡の気血の流れをよくします。

江戸時代に著された本草書『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』には、
「老を養い、弱を育て、人を肥健にし、長生きさせる。」と述べられていて、この時代にすでに「イワシ」がからだによい魚であると知られていたことがわかります。

5.千葉と「イワシ」

千葉県の東側にあたる九十九里浜は、江戸時代から漁で栄えてきました。
特に6月~7月、ちょうど梅雨の時期にはイワシが産卵期をむかえるため、1年の中でいちばん脂が乗って美味しいといわれています。
この時期に水揚げされたものは特別に「入梅イワシ」と呼ばれていて、漁師さんが選ぶ本当においしい自慢の魚「プライドフィッシュ」プロジェクトでも、千葉県銚子の名産品として認定されています。

銚子のあたりでは、この時期に合わせて「入梅いわし祭り」が行われます。
「入梅いわし祭り」?・・・不思議な名前のお祭りですよね!
このお祭りは、銚子市内や近隣の市の飲食店で旬のいわしを味わうというものです。
実施しているのは6店舗。それぞれのお店が腕を振るって、旬のイワシを使った最高のお料理を提供しています。
このお祭りなら雨でももちろん楽しめますので、ご興味のある方はぜひ足を運んでくださいね。

海の駅九十九には「いわし資料館」があります。
ここでは九十九里のいわし文化が紹介されています。
入り口を入ってすぐには、あっと驚く巨大水槽も!
こちらも必見です!

千葉市内、千葉駅から、九十九里や銚子は日帰り旅行圏内にあります。
ぜひ、夏の小旅行に出かけてみてはいかがでしょうか?

6.「イワシ」と郷土料理

イワシの梅煮

「イワシ」を使った身近な料理と言えば、『イワシの梅煮』ではないでしょうか?梅と一緒に煮ることで、さかな独特の臭みが和らぐだけでなく、骨までやわらかくなり、「イワシ」を丸ごと食べることができます。
また、干物や酢漬けでも手軽に食べられますね。

身近な魚だけに、郷土料理として伝わっている料理もたくさんあります。
珍しいものとしては、千葉県の九十九里の地域に伝わる『いわしのごま漬』があります。これは新鮮なカタクチイワシを酢漬けにしたもので、お正月には欠かせない伝統料理としても親しまれています。
『いわしのごま漬』は千葉ブランド水産物認定品にも指定されていて、お土産品として購入することもできますよ。

千葉県には『いわしのだんご汁』という郷土料理もあります。
他県には、三重県の『いわしずし』、鳥取県の『いわし団子』、広島県の『小いわしの刺身』、茨城県の『いわしの卯の花漬け』など、各地にさまざまな郷土料理があるようです。
みなさまのお住まいの地域にもイワシを使った郷土料理が伝わっているかもしれません。
インターネットにもたくさんの情報が出ていますので、ご興味をお持ちになられたらぜひ調べてみてくださいね。

いかがでしたでしょうか?
『「イワシ(鰯)」は栄養の宝庫はお楽しみいただけましたでしょうか?
このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

https://ayakazari.com/

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』、『オールガイド食品成分表』、『たべもの起源事典』ほか
参考資料:千葉県ホームページ、千葉県漁業協同組合連合会ホームページ、農林水産省ホームページ『うちの郷土料理』

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