無限ではない電力とビッグデータの時代~フォトンの実現するデザインの革新~
日経電子版の記事【「スマホの充電、年1回」NTT研究陣の野心】は、ビッグデータ時代の意外な盲点と、そこに隠されたチャンス、広大なブルーオーシャンに気付かせてくれる好リポートだと思います。
まず、記事から、ビッグデータ時代に起こるであろうシナリオを整理してみると――
▶ビッグデータ時代に想定されるシナリオ
(1)IoTによって、生成利用されるデータが指数関数的に増大。
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(2)データを送信・処理・蓄積するIT機器の消費電力量が爆発的に増大。
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(3)IT需要の増加をまかなうには日本全体の発電能力を1.5倍にする必要が
ある、との予測も。
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(4)現実的には2つのハードルが立ちはだかる。
①(第1のハードル)二酸化炭素排出を増やさず、低コストで発電する
性能が必要。
②(第2のハードル)半導体の進化を支えてきた微細加工技術が限界と
なり、半導体の処理能力も限界に(ムーアの法則の限界)。
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(5)電子(エレクトロン)から光子(フォトン)へのディスラプション
(光マイクロプロセッサーなど、オール光の半導体や通信システムに
よって大幅な省電力を実現)。
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(6)まずは、電子と光子のハイブリッドなシステムが実際的。
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(7)光信号と電気信号を効率よく低遅延で変換する超小型デバイス、光‐
電気転換デバイスの出番。
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(8)さらに、その先、2030年前後とされる6Gの時代には、光技術に
よって、半導体・パソコン・サーバー・伝送システムなどの技術基盤が
一新されるブルーオーシャンが出現。
IoTによってデータを収集し、AIによってそのビッグデータを解析することで、様々な社会課題を解決し、また、ユーザーの心に刺さる尖ったプロダクト(モノ・サービス)を開発する第4次産業革命の時代は、現実には、増え続ける消費電力との闘いでもあり、その状態を打破するためには、フォトンのテクノロジーが不可欠なのです。
日本企業が、そのフォトンによってもたらされるディスラプション、その先にある広大なブルーオーシャンを見据えることは、きわめて重要であると思われます。フォトンのテクノロジーによって実現可能となるデザインは、記事で紹介された年一回きりの充電で済むスマホなど、あまりにもイノベーティブで、このチャンスを取り逃がすことは許されないと考えられます。
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