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MOTTAINAIがシーズになる~日本の老舗中小企業が底力を発揮~

 日経電子版の記事【創業100年超の中小企業がReスタートアップ】は、スタートアップはその気になればどこでも起こせる、という事を改めて教えてくれているようです。スタートアップというと、新しい、若い、ITに長けている、といったイメージがあるかも知れませんが、中小であっても、老舗であってもスタートアップは起こせる、そのポイントは何なのか、記事から探ってみました。



(1)『MOTTAINAI』をシーズにする

 まず、記事に紹介されている3企業のイノベーションのアイデアを見て気付くのは、世界の共通語たる『MOTTAINAI(もったいない)』という切り口が共通項であることです――

『MOTTAINAI』の事例

① 船橋屋(老舗和菓子屋)~乳酸菌のサプリメント
             「REBIRTH(リバース)」~
  小麦粉を発酵させて作るくず餅の製造工程で発生し廃棄してきた
 上澄み液に含まれている多くの乳酸菌。

② 東港金属(金属リサイクル)~事業者間の不用品買い取り促進
                サービス「ReSACO(リサコ)」~
  金属リサイクルの現場では、まだまだ使えそうな製品が日々廃棄され
 ている。

③ ギンザのサヱグサ(子供服)~11年長野県北部地震の被災地長野県
            栄村小滝地区産コシヒカリを「コタキホワイト」
                 として主にネットで販売~
  「子どもの学びの場」として田園の原風景を保護したい。

 『MOTTAINAI』という概念を方程式で表すと――

▶『MOTTAINAI』=環境 3R+Respect(敬意)
  環境 3R=Reduce(ゴミ削減)+Reuse(再利用)+Recycle(再資源化)

――まさに上記3つの事例に当てはまると言えます。

 つまり、見逃され、見過ごされ、見送られていたモノ、特に①②の事例では廃棄されていたモノを現場課題として捉え直して、リスペクトすることで価値を創出しているのです。これは、健康、資源、復興といった大きな社会課題を身近な課題として自分ゴト化する姿勢に他なりません。


(2)経営トップの積極性

 このような、社会課題と現場課題を繋いで自分ゴト化する、『MOTTAINAI』をシーズにして価値を創出する姿勢は、別の角度から見ると、『経営トップの積極性』という事に他なりません。

 経営トップが、『MOTTAINAI』などを切り口に情報を収集し、社会課題と現場課題を繋いでイノベーションを起こすような創造力を発揮する積極性が肝心なのは間違いありません。


(3)IT化とSNS発信

 さらに、ITやSNSを必要に応じて積極的に導入・活用することで新規のビジネスを開拓していっている様子も読み取れます。


 この記事を通して、伝統のある老舗、中小企業が、その底力を発揮して自らイノベーションを起こすことで、新陳代謝を起こし、スタートアップする姿に感銘を受けました。

▶伝統+イノベーション=Reスタートアップ



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