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6.1 恋しい東南アジア タイ③

僕たちは、バンコクから車に3時間乗ってアユタヤに行きました。いよいよ象に乗るのです。

アユタヤは観光地としてとても有名で、水上マーケットや遺跡もあります。

僕たちはまず初めに、水上マーケットで手漕ぎボートに乗りました。
水はすごい色だったけど、意外と臭いはなく、とても優雅な時間でした。

次はモーターボートに乗りました。
すごい速さで、こっちは全然優雅じゃなかったけれど、これはこれでスリルがあって楽しかったです。

何故わざわざモーターボードがあるのに手漕ぎボートも未だにあるのかと思っていると、すかさずガイドの方が説明してくれました。環境破壊や文化の保全を考えて手漕ぎボートを残そうとする人々と、手間や利便性を考えてモーターボートを普及させたい人々とで意見が割れていてるそうです。そのため、観光客には両方を体験してもらうそうです。

僕はどっちの方がいいとは言えないけれど、
観光客に両方を体験させるというのは、観光地という肩書でテーマパークのような幻想を見せるのではなく、その地の現実を教えてくれるため、とても良いなと思いました。

その後、遺跡を見学しました。首のない仏像や根っこに絡まった仏頭を見ました。退廃的なのは、単に古いからというだけでなく、争いによって建物や仏像が破壊されたからだそうです。

僕はさっきの水上マーケットと遺跡とをみて、ディズニーランドのジャングルクルーズみたいだなと思いました。

海外に行った際に、本物をみてディズニー似てるなどと思うのもまた海外旅行あるあるです。

そしてようやく最後の最後に、象に乗る時が来たのです。

象の背中には座席がついているのですが、足元は直に象の皮膚でした。サンダル越しに感じた皮膚は樹脂が何重にも重なった木のような硬さで、うっすらと毛が生えていました。

そして、象の背中の上は想像していたよりもずっと高く、一歩一歩が丁寧で確信を持ったリズムを感じました。

僕はふと、昔読んだ手塚治虫の『ブッダ』という漫画で、釈迦族が象に載って市井の人々の前に姿を見せる描写を思い出しました。(幼い僕にはこの漫画は刺激が強すぎて、途中で目眩を起こしてしまいました。)

象は視界が高く、威厳のある歩き方で、高貴な人々を背中に乗せるのにふさわしいと考えられたことに納得しました。そして、象そのものが高貴な生き物であると思いました。

僕はそんなに徳も積んでいないのに、背中にのせていただけて、とても光栄だと思いました。

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