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ブラジル的人種/ジェンダー

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ブラジルと言えば人種のるつぼ、陽気で開放的なカーニバル…一見多様性豊かで自由なユートピアのようにも見えます。そんなイメージとは裏腹に16世紀から300年以上続いた奴隷制度の上にで…
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#バイーア

【ブラジル密かな宗教事情】まだまだ気遣いが必要な現実

【ブラジル密かな宗教事情】まだまだ気遣いが必要な現実

12/17に開催したアフロブラジリアンリズム&ダンスの告知、とあるコミュニティに掲載依頼を出したらどうも保留にされてしまった。

「カンドンブレー」とタイトルには書いていないので、試しに依頼してみたのだがどうもアフリカ調のデザインとオリシャーのシンボル、小さくてもカンドンブレーと謳ったコピーが画像に含まれていたのが問題だったのだろう。

残念とも言えるし、単に宗教色が強く出てしまっていたからだけか

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民衆文化に受け継がれてゆくゆるやかな反骨精神

民衆文化に受け継がれてゆくゆるやかな反骨精神

Quilombo Aldeia Tubarão主催によるバイーアの伝統的なサンバジホーダのイベントIV Encontro de Samba de Roda de Tubarão最終日におじゃましました。(→動画はこちら)

Tubarãoはサルヴァドール郊外にありマレー島Ilha de Maréのちょっと手前。われらKilombo Tenondé Coutosのご近所です。

この周辺は典型的なフ

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カポエイラで、肌の色を超えたブラジルの「黒」人意識

カポエイラで、肌の色を超えたブラジルの「黒」人意識

ブラジル黒人意識の11月

(2021年11月26日)
日本のカポエイラ仲間の多大な力を借り、オンラインでコブラ先生(Mestre Cobra Mansa)のワークショップと講義を企画、日本時間明日11月27日夜に開催されることとなった。

黒人意識の11月をテーマにした講義で東洋人の我々に向けて話をと頼んだら、織田信長の家臣となった黒人の侍弥助の話をしよう!と言い出し、一体どんな講義になることか

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肌の色x性別=社会におけるスタート地点の国、ブラジルで。

肌の色x性別=社会におけるスタート地点の国、ブラジルで。

場所が変わらないと気づかなかったこと

(2019年11月17日)
日本の反対側から日本人が見た、日本。
ブラジルの反対側から来た日本人が見た、ブラジル。

多種多様な人々が住む広大なこの国で、特に黒人混血の割合が極めて高い東北部バイーア州首都、ここサルヴァドールでは、肌の色 x 性別 =社会におけるスタート地点とも言える公式が成り立っている。

ともあれば、有色人種であるという事実も忘れがちであ

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「差別」とは。ブラジルで奴隷制度廃止から何が変わったか考える。

「差別」とは。ブラジルで奴隷制度廃止から何が変わったか考える。

(2019年11月20日)
ヘイトスピーチ(差別扇動)、ジェンダーといったキーワードが、日本発信のニュースに目につくようになった。ブラジル在住中のため、ネットを介したニュースなどでしか触れる事ができないが、人種やジェンダーについての論議は、どこでもいつでも、なにか居心地悪いものだという印象が拭えない。

ブラジル国内でも、経済力も生活水準も低めで、有色人種が多い北東部。そこにあるバイーア州首都サル

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