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認知症研究者の認知症体験記

介護職として、何か仕事に関した本はないかと探していたところ、「僕は認知症のことがやっとわかった」という本を見つけました。

 こんにちは、けいごです。

 この本は認知症研究者で、長谷川式認知症スケールという認知レベルのテストを開発した著者自身が認知症になり生活を体験してわかったことについて書かれています。


要約

「長谷川式認知症スケール」を作った著者自身が実際に認知症になり、研究していた当時にはわからなかった認知症の世界が見えてきことから本を出版しました。

著者自身はアルツハイマー型認知症のため、この本は「アルツハイマー型認知症」に焦点をあてた本になっています。

認知症とは

認知症の次のような状態を指します。

成年期以降に記憶や言語、知覚、思考などに関する脳の機能の低下が起こり、日常生活に支障をきたすようになった状態

脳の神経系を構成している神経細胞は、様々な情報伝達をしていますが、この神経細胞と神経細胞同士の繋がりが働かなくなることで、認知機能が低下します。

特徴としては、生まれ持った障害ではなく、正常に発達した脳の神経細胞が、様々な原因により損なわれて障害を受けたときに起こるものです。

「認知症」の本質

著者自身は認知症の本質を「いままでの暮らしができなくなること」と捉えています。

現在も認知症の発生原因はわかっておらず、老化とともに突然発生しゆっくりと進行していきます。
誰にでもかかる可能性のあることであるからこそ、発症した場合は落ち着いて受け入れなければなりません。

また、身内が認知症になった家族も「日常生活が段々とできなくなる」ということを認識したサポートが必要です。

認知症には時間による変動がある

認知症には「時間帯による調子」が存在します。
著者自身は本を出版した現在でも働いておりますが、朝から日中にかけてはそこまで認知機能に問題はないそうです。
しかし、夕方から夜にかけては記憶力などが低下していき、物忘れがひどくなります。

また、人間は時間とともに生きているため、老化は進行していきます。(=認知機能の低下も進行する)

認知症は連続的にゆっくりと進行して短期的な記憶がなくなり、周囲から指摘されることが多くなっていきます。

「わからない人」で片付けない

著者が伝えたかったことは「認知症になった人を”わからない人”として扱わないでほしい」ということだと考察します。

認知症になるとゆっくりと日常生活に支障が現れますが、自分が経験してきたことや性格が突然変わるわけではありません。
自分の身に起こった昔の出来事は覚えていますが、最近のことは忘れやすくなります。

しかし、認知症になったからといって「自分や世界がわからなくなる」ということではありません。
なので周囲の方々は認知症の方を「わからなくなった人」として扱わずに、その人として関わってほしいということです。

書評

職業柄「長谷川式認知症スケール」という単語をよく耳にします。

私は、採点という指標を用いて介助の方法を考案していくという上では、このような指標が必要だと考える一方で、「認知症」という名前には差別的な印象を受けます。
認知機能は低下しても、周囲の状況や自分自身についてわからなくなる状態ではないことなど、適切な情報の周知が必要だと考えます。

この本で書かれている症状をを考慮した上で介護職としてできることは、「利用者さんの日々の調子を敏感に汲み取り、状況に合わせて対応をすること」です
そのため私は、利用者さんの普段の調子の違いを敏感に汲み取ることができるよう、日々の関わり合いを意識していきたいと考えました。

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