記事一覧
『世界一流エンジニアの思考法』を読んで
書店で平積みになっていて、興味があったので購入して読んでみました。
エンジニア的な思考法に特化することなく、誰にでも通用するような考え方やスキルが書かれていたので、非常におすすめです。
ちなみに、筆者の牛尾剛さんはnoteも積極的に書かれていて、本書の内容の多くも読めるようです(本を買った後に知りました)。
今回取り上げる内容も、ほとんどこちらの記事で網羅されています。
未来の生産性を高め
従業員にとって「優しい対応」とは
「当社は、従業員に優しい会社なので・・・」という話を、よく人事担当者や経営者から聞きます。
しかしながらこの優しさの陰にある、厳しさには目が向けられていません(あるいは目を塞いでしまっている?)
メンタルヘルス不調者のフォロー優しいと自称する企業の多くは、休職者が復職する際の判断が十分ではありません。
完全な労務提供ができることを確認せず復職させているため、場合によっては不完全な労務提供しか
職場におけるLGBT 『LGBTとハラスメント』を読んで
先日、経済産業省におけるトランスジェンダーの職員が、性自認に基づくトイレの使用を制限されたこと等が不当であるとして、国を訴えた裁判で、高裁判決が出ていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210527/k10013054841000.html
―【性同一性障害の経産省職員 女性用トイレ使用 2審は認めず】NHKニュース、2021年5月27日 18時34
無限定正社員についての考察|『人事と組織の経済学』を読んで
労働経済学の分野をもう少し深掘りしたくなり、こちらの本を読んでみました。
従業員個人と企業の関係について、経済学の観点から分析しています。具体的には、採用・教育・離職、組織構造・職務設計、人事評価・賃金制度・各種インセンティブなど、人事の諸分野に渡ります。
個人的には、各分野の議論も大変勉強になった一方で、経済学的なものの考え方が参考になりました。例えば、単純化・モデル化して考えることや、トレ
『労働経済学』を読んで、年功賃金を経済学的に考える
私は、文系の中でも人文系を履修したため、経済学をしっかりと学んだことはありません。診断士の勉強で経済学に触れてから、労働経済学という分野を勉強したいなと思い、清家先生の本を読んでみました。
数式はちょっとしか出てこず、グラフも分かりやすいです。
今回はこの中から賃金に関するお話を取り上げたいと思います。
1.賃金の大原則賃金の大原則は、成果と賃金は一定期間で見た場合に釣り合っている、というも
『戦略的思考とは何か』
歴史や国際情勢を紐解き、国家戦略(防衛戦略にとどまらず外交面も含めた戦略)をどのように考えていればよいか、解説した本です。
私が読んだ本は改版前で、初版が1983年。本書内でも、アングロ・サクソンVSソ連を念頭において検討されていて、時代の流れを感じます。
ですが、応用して考えてみると、現在の中国の台頭や、あるいはリアルタイムで起こっている新型コロナの感染拡大に対して、国家としてどのように戦略
『働き方改革の世界史』
濱口先生の新しい本ということで、面白そうだったので読んでみました。
英米仏独と日本の労働組合の役割とその変遷について、12冊の本を紹介する形でまとめられています。もしかしたらもう少し前の世代の方には、労働組合とか労働運動は常識なのかもしれませんが、30代の私にとっては非常に新鮮に感じました。
また、日本型雇用の特殊性、あるいは三種の神器の一つとして、企業内組合が挙げられますが、これがどれほど特
合理的配慮の適切な提供について
近年障害者雇用が進むにつれて、「合理的配慮」の提供に関する相談事例が増えています。ですが、合理的配慮は日本にはそもそも存在しない概念です。そのため、合理的配慮そのものの理解があいまいであったり、誤解が生じていることも多く、適切な提供に至っていない事例が良く発生しています。
今回は合理的配慮に関する正確な理解と、具体的な提供方法について、検討したいと思います。
それに関して、
川島聡,飯野由里子
『武士道と日本型能力主義』
武士道に対する世間一般の誤解と、主君と武士の関係が日本の会社や社会の原点になっているという説が紹介されていました。日本型雇用の原点はどこにあるのか探る中で、非常に勉強になる本でした。
1.武士道とは武士道とは、主君のために命を投げ出す武士というイメージから、一般的に「滅私奉公」「集団主義」というようなイメージを持たれがちです。しかしながら、本来は個人の自立性の上に成り立つ考え方であると指摘してい
『戦後労働史からみた賃金~海外日本企業が生き抜く賃金とは~
日本型雇用を賃金制度や人材育成の観点から整理された本です。とりわけ、海外企業のホワイトカラーに対する誤解や、日本のブルーカラーの特徴について、詳しく言及がなされています。
そして今後の日本企業への提言として、現在の日本の賃金制度に、海外のホワイトカラーで適用されている上限付きの範囲給を導入することを推奨しています。
1.海外のホワイトカラーに対する誤解「海外、特に欧米を中心とした企業では職務給
『援助者必携 はじめての精神科』
精神科のベテランの先生が書かれた本で、この本自体も2004年に出版されてから、現在は第3版を数えるほどの、ベストセラーです。非常に参考になる内容が多くて、お勧めです(あと、表現が非常にエレガント)。
1.前提として、人事担当者の疾患理解は必要ない普段は(そしてこの本を読んだ後でも)、人事担当者が疾患を理解することは求めていませんし、むしろ必要ないと考えています。なぜなら、この本にも書かれている通
復職時のテレワーク・在宅勤務適用について
新型コロナの感染拡大が続き、特に都会を中心に在宅勤務が一般的になってきました。それに関連して今年になって多くなってきた相談に、「メンタル不調からの復職とテレワークや在宅勤務はどう整理すればよいか」というものがあります。
これについては、労働新聞社の「安全スタッフ」にてコラムを執筆しました。さわりだけはこちらで確認できますので、よろしければご参照ください。
ここからは、テレワークと在宅勤務は明確