共働きの難しさ

最近「共働きでキャリアを積むのは大変だな」と思ったことがありました。

私は結婚していて、2歳になる子どもが1人います。私も妻も車や新幹線で数時間の範囲に実家はありますが、普段は3人で暮らしています。

私が連休中に3日間とも出張で仕事があり、同じく土曜日の夜〜日曜日にかけて妻も出張で会社の懇親会+学会参加がありました。
 本当に偶然が重なって、出張先が同じかつ妻の実家のすぐ近くということもあって、子どもを出先の一時預かりに数時間だけ預けるだけでなんとかなったのですが、どこか一つでも条件が違ったら結構大変だったなと思いました。

もっとも条件が違ったら、おそらく妻は懇親会には出席せず、学会もリモート参加することになったのだと思いますが、「いや、これって妻のキャリアが犠牲になってない?」と気付いたのです。仮に妻が「私もキャリアを優先したい」と言われたら、どうしたら良いものかと考えてしまいました。
 成果面では、懇親会に出ずに学会もリモート参加で良いかもしれません。しかし、例えば懇親会で普段は絶対に会えないような経営層とコミュニケーションを取るとか、海外の支社から来た人とネットワークを作るとか、あるいは学会もリモート発表よりも現地発表の方が断然伝わるだろうし、目に見えない違いはたくさんあるはずです。


ざっくりとしたイメージですが、昭和の時代であれば、夫が1.2〜1.5くらい外で仕事をして(要するに、定時勤務+αをしていて)、妻は家事や育児に専念する、ということで生活が回り、夫は出世して行ったことでしょう。

しかし現代において共働きをするとなると、夫婦のうちどちらかが昭和と同じように1.2〜1.5 働いてしまうと、もう片方は仕事もしつつ、家事や育児もしなければならなくなります。そのため、例えばパートとして、0.5くらいの働き方を選択することになるかもしれません。
 また仮に、家事や育児を分担して、ということになると、1.2とかは働けないため、片方は1、もう片方は0.7という働き方になります(うちはこちらに近いパターン)。
 さらに悪いことに、晩婚化や高齢になっても働く人が増えたことで、親族の助けを借りにくくなり、さらには地域での子育て支援も減少していて、夫婦以外の手を借りることは難しい状況になってます。

問題はこの先です。1.2〜1.5の働きをする人たちと同じように、1とかしか働けない人が、出世なり成長なりしていけるのかなと。そうすると、かつてのように家庭を顧みず働く人と違って、夫婦ともにある程度の高みに到達できないのではないかなと、思いました。
 あるいは夫婦ともに1.2とか1.5の働き方はそもそもできないので、家庭を築くという選択をした時点で、どちらかの犠牲は生じているのではとも思いました。


こうした色々な事情があるわけなので、特に1.2〜1.5の働き方をしている人から、1とか0.7とかしか働けない人に対して、もっと働けとか、子どもより仕事が優先だろうとか、あなたの働き方は物足りないとか、そういうことは言えませんね。

また飛躍するように思えますが、この辺りの事情が、ジョブ型雇用が求められる土壌になっているのかもしれません(改めてまとめようと思いますが、日本型ジョブ型(広義のジョブ型だなんて定義している人もいますが)という意味不明な話をしたいわけではありません。職務内容も勤務地も労働時間も限定のある、海外で主流の真のジョブ型をここでは指しています)。

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