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やっぱり君はアホだった

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#短編小説

道化師という やさしい阿呆

道化師という やさしい阿呆

「もう、やめさせてください! 僕はそんなにアホではないです」比得呂尚弥は、大声で社長の貞夫に訴えた。
 ここは道化興業というクラウン(道化師)を派遣している会社である。社長である比得呂貞夫を頂点に、十数人のクラウンが在籍していた。
 ちなみに比得呂は『ピエロ』と呼び、道化興業所属のクラウンが共通で名乗る芸名(亭号)である。

 だが貞夫は首を横に振り「尚弥よ、そんなにクラウンが嫌なのか? お前は人

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【短編】ミルク

【短編】ミルク

森永雪見は自分の部屋に篭っていた。
ハジメと別れてからは自分の部屋に篭りっぱなしだ。

あぁ、ハジメさんは今頃どうしてるのかな。
毎日セブンイレブンのお弁当ばかり食べて、体調は崩さないかな。
それにタバコも吸い過ぎ。銘柄はラッキーストライクだったかしら。
スマホで絵を描きながら、いつもタバコを吸っていた。

今も好きだけど、私がいると何故か怪我ばかりして、ハジメさんがこのままではダメになると思って

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淫靡 テーション

淫靡 テーション

男『はじめて なのかい?』
女「こんなの はじめて ねぇ早く はやく 頂戴」

男はその場で早く硬くなるように
一心不乱! コスッたり シゴいたりしていた

女「もう はやく して お願い」

女は身悶えして男を待っていた!

男『あ〜ぁ やっと固くなったよ』

女は それを 一目 見て驚いた!

女「えっ!それ 入れるの? 太過ぎない?」

男『大丈夫だ!固いうちに ほら 手をどけて』

女は諦

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【短編】海月

【短編】海月

退院した姫野 一(ハジメ)はほんわか公園のベンチに座っていた。入院代はトリスに借りたのだ。

ポシッ!とどこかから音が聞こえる。
広場の方を見ると女性が一人で四つん這いになっている。

ポシッ!また聞こえた。
四つん這いになった女性のお尻からブラウンの塊を飛ばしてコーラの瓶を割っている。
土管の上に立てたコーラの瓶を、20メートルくらい離れた位置から見事に当てている。

ハジメは恐る恐るその女性に

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【オトナの歌謡ノベルズ】#あほあほ祭り奉納編

【オトナの歌謡ノベルズ】#あほあほ祭り奉納編

こちらは、『あほあほ祭り in 2021 梅雨』参加作品です。



 🥂  🥂  🥂

『ユー・キャン・リーヴ・ユア・ハット・オン / ジョー・コッカー』

「久しぶりだね」
「うふん、逢いたかった。ねぇ貴方は?」
「もちろん逢いたかったよ。この君の香りと一緒に。」
長い髪を少し持ち上げ、白い首筋を眺める。思わず、吸血鬼のようにそこへ吸いつく。
大きなフランス窓から差し込む

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