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わらしべ長者

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突然家を失った私。そんな不幸の元、ある人物が救いの手を差し伸べた!私はそんな導きの元、まだ見ぬクリエーター(トレーダー)との出会いを求めて旅に出た… 美術商集団 坂東商会が考える… もっと読む
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記事一覧

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十六章 “魔術”

ホテルを後にした私は再び駅に戻って来た。従業員のらぐさんと名探偵の血を引く猫との関わりは新鮮で意外な出会いに驚きながらも私は再び歩き出す。

大洗を後にし、水戸駅へ。そのあとは東京駅に戻り、大宮駅に進路を取る。私は何となくではあるが新潟に行ってみたくなったのだ。大洗は海に面しているので海は太平洋…と言う事になるが、反対側の日本海に行ってみたくなり、私は新幹線に乗り込んだ。新幹線という乗り物は便利で

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十五章 “別れ”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十五章 “別れ”

私は訳あって旅をしている女だ。

家を失った私は安住の地を求めて日本中を彷徨うホームレスであったが今は住み込みで旅館の仲居をしている。
仲居という仕事は人と接する機会が多く沢山の人と出会い、別れを毎日のように経験する…そんな生活に私は満足していたのかもしれない。

埼玉県秩父市…

埼玉県の端っこ山間部に位置する都市で山に関連したイベントが多く、そのイベントの為に沢山の観光客が訪れる。駅近辺なんか

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十四章 “そして…”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十四章 “そして…”

『え?ここを出て寮に入る?私は別に構わなかったのに…』

私を助けてくれたROROさんに申し出た。長旅の疲れで彼女の家の前で倒れていた私はそのまま彼女の茶道教室のアシスタントとして、彼女の仕事を手伝いながら居候をしていた。そんな中で彼女の知り合いで旅館の女将さんのところで働かせてもらう事にしたわけだが、私は助けてくれたROROさんへ恩を返してる…のだが、居候してる事に引け目を感じ始め女将さんに相談

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十三章 “細工”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十三章 “細工”

突然の火事で家をなくした私はご先祖様の助言で日本中を旅をしているホームレスの女だ。
旅をする…ということは当然お金がかかるし、そのお金もそろそろ不味くなってきた。それに体調が優れない…私は何とか埼玉の奥地、秩父市に辿り着いた途端、倒れてしまった。

『…大丈夫?』

私はある民家で和服姿の女性の声で目が覚めた。

『大丈夫ですか?朝起きて物音がして出てみたら家の前で貴女が倒れていたからびっくりしま

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十二章 “再訪”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十二章 “再訪”

旭川から私は一気に東京に戻って来た。特に理由はなく一旦東京に戻りたかっただけだ。

東京と言えば色々ある…文化の発信地で流行とかもここから始まっている。着ていた服もだいぶヨレヨレになって来たし、下着とかの替えも欲しい…私は山手線に乗り、渋谷で降りた。私は渋谷という都市が好きで大抵の服とか日用品とかはここで揃ってしまう。
いつ来ても賑やかだな、ここは。

旅を忘れそうなくらい、私は渋谷を満喫していた

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十一章 “石狩の地から…”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十一章 “石狩の地から…”

私は家のない所謂ホームレスである人の助言で旅をしている女だ。

あれだけ嫌だったホームレス生活も段々と慣れてきて、環境に順応してきている自分が怖い…と思ったりする。
さて私は、北の玄関…札幌を後にし、行く宛もないまま、北海道を転々と彷徨って、今では石狩の地にいる。やはり石狩川や近くの大雪山の景色は絶景で日常のストレスを癒してくれるようで落ち着く感じだ。
旭川市と言う都市はそんな石狩川と大雪山に隣接

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十章 “北国”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十章 “北国”

私は親切な古物商親子のご好意で人生初の飛行機移動を体験した。最近の旅客機は離陸の瞬間や今、何処を飛んでいるかリアルタイムでモニターに映し出すサービスがある。飛行機自身が初めてな私は子供みたいにはしゃいでしまい、逆に揺れたりしたらびっくりしたりする。

北海道、新千歳空港…

私は北国の第一歩を踏んだ。やはり感動する。空港は広い…乗り場一つで大移動しなければならないし、免税店やなんとATMでなくて銀

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第九章 “吉備津”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第九章 “吉備津”

私は宮司さんの話から長崎へ行く事になった。新幹線で博多まで行き、そこで乗り換えて長崎駅へ。勿論貧乏な私は大規模な移動なんてしたことはない、せいぜい一つ県を跨ぐ程度で、しかも職場と家との往復くらいだ。

“長崎平和公園で待ってます。着いたら連絡を”

先方からの連絡で私は急いだ。長崎と言えば、先の大戦で原爆を撃ち込まれた地…というイメージがあるが、私にも長崎と言えば…という先入観はあったりする。

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第八章 “剣”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第八章 “剣”

私は伝説の商人、萬屋金兵衛の子孫で32代目の子孫であると共に天女の子孫でもある。金兵衛と天女の子の子孫との間に生まれた…と言うつまり天女の血筋。それがわかったのはつい最近の事である。

さて地元から大阪→岡山→鳥取…と進んできた私は途方に暮れていた。
行く宛がないのだ。関西に住む人達は次の目的を教えてくれたのだが、粋蒼さんはわからないとの事。
私は比較的近い山口県に入った。鳴門海峡とかが有名だが、

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第七章 “伝説”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第七章 “伝説”

岡山を出た私は鳥取に着いた。

鳥取も岡山に負けじと色々な伝説がある。有名なのは“天女の話”で一人住む百姓の男が、一人の天女と出会った話が伝承となって今でも語り継がれている。
私はふとしたきっかけで羽衣を手に入れたのだが…これは私が持っているべきではない。真の所有者に返すべきだ…と考えたわけだ。

私は鳥取の駅に着いたのは夕方に近かったので、近くのホテルに泊まる事に。
室内は殺風景ではあったが、鳥

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第六章 “別れ”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第六章 “別れ”

私は、斧と刀を受け取りに岡山県警に向かった。

『お待ちしておりました…まずはこちらにどうぞ』

テルさんだ。仕事モードのテルさんはシャキッとしていていつものだらけた様子もない。公私をきちんと分けるタイプなんだなと思いつつ、彼女の後をついて行った。
彼女に案内された部屋は狭く殺風景で所謂“取り調べ室”だ。

『いやー、ごめんね!会議室使用申請忘れちゃった。ここで我慢してね。』

…。

『本当ごめ

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第五章 “閑話休題”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第五章 “閑話休題”

私は訳あってある人の家で居候している女だ。

居候しているのにも理由がある。この間、私はある人から斧を貰ったのだが、今のご時世この斧を持ち歩くには警察が発行する登録所持許可証なる物が必要で私はあれから岡山県警に行き、斧の所持許可を申請したのだった。ただ許可が降りるのに時間がかかる…というのだ。ホームレスの私にとって長期滞在できる余裕がなく、申請が降りるまで住まわせてもらっている訳だ。

私は居候な

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第四章 “桃太郎”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第四章 “桃太郎”

西園寺テオさんと劇的な出会いをした後、私は彼女が言っていた事が腑に落ちずにいた。
私は家を失い、安住の地を求めて旅を始めた。しかし彼女は家を求める事が真の幸せではない。それ以上の価値があるものがある…それを探すべきだと私に言った。私にとって家よりも価値があるものはなんだろう…と思っていた。

さて色々考えているうちに岡山港に着いてしまった…きっとそれは旅を続けていれば見つける事ができるだろう、と思

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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第三章 “鬼ヶ島”

クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第三章 “鬼ヶ島”

“大変長らくお待たせ致しました、天候の回復を確認できた為、当駅から発車致します。お客様に大変ご迷惑おかけした事をお詫び致します。”

やっと発車か…長かったなぁ。エルちゃんのお爺ちゃんの言う通り、タダでは会えないよ、って事だろう。
新大阪を出た私は今までの事を振り返る…アパートが火事になりホームレスになってしまった事。旅の途中で色々な人に出会った事…私は兎に角これからの出会いにも期待をしていた。あ

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