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クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・第十四章 “そして…”

『え?ここを出て寮に入る?私は別に構わなかったのに…』

私を助けてくれたROROさんに申し出た。長旅の疲れで彼女の家の前で倒れていた私はそのまま彼女の茶道教室のアシスタントとして、彼女の仕事を手伝いながら居候をしていた。そんな中で彼女の知り合いで旅館の女将さんのところで働かせてもらう事にしたわけだが、私は助けてくれたROROさんへ恩を返してる…のだが、居候してる事に引け目を感じ始め女将さんに相談したら…

『なら寮に入る?近くにアパートがあるんだけどそこ、部屋が空いてて…どう?』

私はそこに入居する事にした。アパートは結構古いのだが、意外と室内は綺麗だ。という事で私は再び一人になった。
旅館での仕事は色々なお客さんとの出会いがあって私はそんな人達と関わりは楽しく、色々な事を学んだりする…そんな生活で私は色々な事をした。秩父という都市にはお遍路といわれるお寺巡りがあって打ったりとか。この辺りは別の機会に話す事にする。

旅館で働いて一年半近くになった…

私はいつものように朝早く起きて出勤していつも通りの仕事をこなす。ただいつまで経っても陽が登らず、午前8時になっても夜のまま…おかしい、天気予報も雲一つない快晴と言っていたし。
不思議に思いながら玄関の掃除をしようと外に出ると旅館内にある庭園から黒い煙が上がっている!火事だ!と思った私は消化器を慌てて持ってそこに向かった。するとそこには一人の女性がいた。

『あ!ごめんなさい…うっかりランプを池に落としちゃって拭いていたんだけど、煙がもくもくと…ごめんなさい、ごめんなさい!』

どうやら一昨日から宿泊しているお客さんで確か…“角耳蹄”という名前の方だ。なんでも世界中を旅をする装飾師なんだそうだ。

『私ったら結構ドジでよくやらかしちゃうんで師匠からよく怒られるんですよ。あれ?貴女の首飾り…ひょっとして伝説の鉱石、オリハルコンの結晶、“ムーンライト”じゃない?ムーンライト…日本では月光石っていうんだよね。ムーンライト、持ち主を選ぶ意志を持った宝石って聞いた事があります。暗闇でわからなかったけど光ってる…』

角耳蹄様、有難う御座います!

月光石は色々な名前があるんだな…月光石っていったり、オリハルコンって言われたり。

『…って事は私が何がしないといけないですね。ムーンライトの光に抗ってはいけないと師匠に言われたし。じゃあさっき池に落としちゃったけどランプなんてどうですか?これは中東に行った時に手に入れたものなんだけど私が鉱石で装飾したものなんですよ。“暗闇のランプ”って言うんだけど私の自信作だから本来ならお金が欲しいところなんだけどそうだなぁ…フロントに座ってる熊のぬいぐるみと交換でどう?』

熊の?あのぬいぐるみ?アレでいいの?と彼女に尋ねた。

『うん、アレでいいですよ!あの子、可愛いからって理由ですけどね。』

私はフロントからぬいぐるみを持ってきてそれを差し出した。

『ただね、そのランプ…晴れの日にしか使えないですよ。雨や雪の日、夜とかは元々暗いし。』

なるほど…私はランプを受け取った。とりあえず池に落とした…らしいので部屋に置いておこう。

角耳蹄(X 旧Twitter :@tsunomimihidume)様、イラスト提供有難う御座いました!

・熊のぬいぐるみ→暗闇のランプ
・幸せになる茶葉と茶碗・茶器一式

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