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読書感想文集

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徒然なるままに書く読書感想文。基本的にネタバレは無しで、ネタバレする時は事前に予告します。
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2022年6月の記事一覧

読書感想文(166)小川洋子『物語の役割』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は『博士を愛した数式』の著者である小川洋子さんの本です。
小川洋子さんの文学観は結構前から気になっていたので、今回手にとってみました。

感想大変読みやすく、内容もわかりやすかったです。

最も印象に残ったのはこれです。
防衛機制の話とも考えられますし、また先日読んだ夏目漱石『草枕』で考えたことで言えば、創作による自己

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読書感想文(165)宇山佳佑『桜のような僕の恋人』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は割と有名な小説です。
この本は4月にある人にオススメしてもらって買ったものの、積ん読になっていました。今回読んだきっかけは、先日noteでこの本を見かけたことです。 尚、今回はネタバレに繋がり得る内容も含むと思いますので、ご注意下さい。

感想とても良かったです。
タイトル、そして冒頭から既に結末が予想されるのですが

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読書感想文(164)多田孝志『対話型授業の理論と実践:深い思考を生起させる12の要件』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は小説ではなく実用書を読みました。
かなり前から少しずつ読み進めていたのですが、やっと読み終わりました。

感想タイトルからもわかる通り、理論と実践を12個の点から書かれていました。
これがとてもわかりやすかったです。
数が多いので全てを暗記することはできていませんが、辞書的にも使えると思うので、買ってよかったなと思い

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読書感想文(163)夏目漱石『草枕』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は超有名な作品です。
夏目漱石の作品は高校生の頃に『こころ』を読んだきりです。
『坊っちゃん』も読んだことがありません。
そんな私が今回『草枕』を読もうと思ったのは、まず『春宵十話』の著者である岡潔が夏目漱石の良さを書いていたこと(そしてその指摘がグサリと刺さりました)、最近知り合った人が大学の卒論を夏目漱石で書いてい

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読書感想文(162)星新一『妖精配給会社』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は星新一のショートショートです。
毎日少しずつ読み進めて、今日読み終わりました。
一日に数話ずつ読むと、大体一ヶ月に一冊読み終わります。
疲れている日でも寝る前に一話だけ読む習慣を作りやすいので気に入っています。

感想今回も面白かったです。
一番印象に残ったのは「求人難」です。
面白かった点を書くとネタバレになってし

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読書感想文(161)松尾芭蕉『おくのほそ道(全)』(ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は古典を原文で読みました。
といっても、ビギナーズ・クラシックスは原文の前に現代語訳がついているのですが……。

松尾芭蕉は以前読んだ『春宵十話』等の著者である岡潔が絶賛していたので、ずっと読もうと思っていました。
この本の解説によると、恐らく『おくのほそ道』以降の不易流行の精神が感じられるものを絶賛していたのだろうと

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読書感想文(160)恩田陸『麦の海に沈む果実』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々に恩田陸さんの本を読みました。
以前読んだ『三月は深き紅の淵を』と関係のある作品です。
『麦の海に沈む果実』も『三月は深き紅の淵を』も、言葉は綺麗ながら少し不気味な感じがするなぁと、今書きながら思いました。

感想面白かったのですが、感想をどう書けばいいのかわかりません。
不思議というか狂っているというか……。

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読書感想文(159)高野晴代『源氏物語の和歌:コレクション日本歌人選008』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありましたございます。

今回はコレクション日本歌人選という、いくつかの和歌をピックアップして解説しているシリーズの本を読みました。

感想この本は『源氏物語』の五十四帖からそれぞれ一首ずつ選出し、解説されています。各巻の解説も書かれているので、そういえばそんな感じだったなあと思いました。

私は大学生の頃、春休みにほぼ丸々一ヶ月かけて『源氏物語』

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