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エッセイ

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#母

私のキッチン

私のキッチン

前回のnote「父のキッチン」に書いた母の圧迫骨折。

帰省して痛感したのが、いつも自分のためだけに料理を楽しんでいる私は、食事シーンにおいて途方もなく無力な存在だったという事だ。

実家に滞在している間、母の介助や洗濯、掃除などのサポートをしながらも料理だけは主導して一切作らなかった。

塩分量を全体の0.6〜0.8%に抑える計算で全て父が作ってくれていたが、私はとてもじゃないが塩分コントロール

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父のキッチン

父のキッチン

この数週間はあまりにもめまぐるしかった。

いくつか種まきしていた仕事が一気に決まって喜んでいた矢先、我が家の愛猫2匹が立て続けに体調を悪くし塞ぎ込んでいたところに、趣味で続けていたnoteが初めて『今日の注目記事マガジン』に選ばれて、たくさんの方に読んでいただいた。

いいこともやなことも繰り返すんだなと思っていた。

大好きなボ・ガンボスのどんとが『夢の中』で歌ってた通りだ。

でももう繰り返

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ただ、自然である

ただ、自然である

先日、諸事情あって訪れた司馬遼太郎記念館に歌碑がありました。
それは、司馬さんが好きだった雑木林のイメージでつくられた庭を抜けたところの小さな公園に設置されている『花供養碑』で、ご本人直筆の文字が大きな石に刻まれています。

なぜ三千なのかと疑問に思って調べてみると、三千という言葉は非常に数の多いことを表す語だそうで、それを知るだけでこの歌から受け取る風景が広がっていきます。

数多くの植物で彩ら

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自分だけの可笑しみ

自分だけの可笑しみ

その日、久しぶりにカフェでモーニングを食べました。

会社へ向かう途中、ふと寄り道をしたくなり、
お店の前に掲出されている、トーストとゆで卵のセット写真に吸い寄せられるようにして店内に入りました。

モーニングが大好きだったのに、外食の機会もめっきり減ってしまって何だか久しぶりです。

レジでトーストとゆで卵とホットコーヒーのセットをオーダーし、カウンターで受け取って、窓際の席に座りました。

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