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読書まとめ『とにかく仕組み化』→働き方 と 生き方 を分けよう

『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』安藤 広大


一言でいうと

働き方 と 生き方 を分けよう



概要

「仕組み化」のキーワードに惹かれて
読んでみました。


2022年に読んだ同著者の
『数値化の鬼』は、
大きな衝撃を受けた 1冊
でした。

本書は、『リーダーの仮面』(未読)、
『数値化の鬼』と合わせて、
3部作完結編のような位置づけです。


本書で語られるのは、
仕組み化の How ではなく、Why です。

「人の上に立ち続けるための思考法」と副題にある通り、
視座・抽象度はかなり高め。

私は How を知りたいと思って読んだので、
若干のコレジャナイ感はありました…


ただ、期待と違っていたとは言え、
会社・組織での働き方、そして生き方について
多くの示唆を得られる本
でした。



働き方

管理職は誰でも働ける仕組みを作ること、
プレーヤーはどこでも働ける能力を鍛えること

重要になってくると感じました。


サラリーマンはよく歯車に喩えられますが、
歯車(モーター)を動かす乾電池のイメージ
改めるとわかりやすいと思います。

業務が歯車、仕組みがモーター、
それらを動かすヒトが電源になっているイメージです。

動かす歯車の大きさや速度は
用途やモーターによって異なりますが、
規格の決まった乾電池はどこでも共通で使えます。


歯車のために最適化されるべきなのは、
電源ではなくモーター
の方ですよね。


2024/03/25 追記:図解も作成しました。



生き方

働き方の示唆を通して、
働き方と生き方を分けることの
重要性を感じました。


会社では乾電池のような
「替えの利く人」になる
ことを
目指しましょう、と述べました。

ただ、人間はかけがえのない
オンリーワンの存在でありたいと思うもの。

「替えの利く人」を目指すことは、
「自分がこの場に存在しなくてもいい」状態を
目指すことでもあり、自己否定につながりかねません。


しかし、「替えの利く人」を目指すべきなのは
あくまでも働き方に限った話
です。


家庭や他のコミュニティでは
「替えの利かない人」
であってかまいません。

自分をさらけだし、
存分に属人化しましょう。


ただし、コミュニティの運営に携わるなら、
属人化しないように
する必要があるでしょう。

複数人が携わって運営する以上、
それは組織の仕事と同等と言えます。

家庭における育児・家事も、
家族の共同運営なので属人化は避けたいですね。

存在価値(生き方)は属人化・オンリーワン、
タスク(働き方)は仕組み化、
が理想像になるかなと思いました。



仕組み化のための問いかけ

以下では、本書に掲載されている
仕組み化のための問いかけから
3つピックアップして紹介します。


①「締切」を設定しているか?

仕組み化の大前提は、期限を守ることです。

上司は締切を設定し、部下は締切を守る。

もし間に合わなさそうなら、
いつまでに間に合うか報告する。

言われれば当たり前のことですが、
100%徹底できていますでしょうか?


具体的な対策としては、
中間報告の期限を設けることが挙げられます。

進捗把握のタイミングを明確にし、
中間報告までに何を終わらせる必要があるか、
というマイルストーンにもなります。


期限が設定しにくい場合でも、
いったん数字にしてみる
ことで
見えてくるものがあります。

すぐに終わる・ちょっと大変そう、といった予測を、
10分で終わる・3日かかる、と数値化してみる。

数値化すれば、予測と実績の差異の原因を分析でき、
次回の予測の精度を高めることができます。

『数値化の鬼』にも通じますね。



②「怖い人」の意味を理解しているか?

会社・組織における真の「怖い人」は、
以下のような特徴を持った人です。

  • 明確な判断軸を持っていて、それを厳守する

  • 成果を上げたら、正しく評価してくれる

  • このままではまずい、という危機感を他者に与える

  • 次に何をすればいいか、正しい逃げ道を示す


理不尽ではなく理にかなった怖さ、
公正な人・ごまかしが通じない人

と言ってもいいですね。

人の上に立つには、こういった真の怖さを
身につけることが必要です。


また、緊張感を失わせないように、
部下との接触時間や頻度を制限する
というのも興味深い考え方です。

「心理的安全性の強化」を旗印にして、
飲みニケーションや対面での会話を
増やしたがる人、いますよね。

本書の考え方では、成果につながる
行動とは言えないでしょう。

※おそらく、このあたりが
『リーダーの仮面』の内容だと思われます。


③「比べること」から逃げていないか?

他者との比較や競争は否定されがちですが、
人間は、心の中で常に比較をしているものです。

競争ではないからと成績を隠すと、
がんばっている人ががんばらなくなり、
がんばらない人が危機感を抱かなくなる、
といった懸念が本書では示されています。


ムラ社会的な暗黙の了解を
資本主義社会に持ち込んでいる
点が
問題なのだと感じます。

日本は、競争よりも協力・調和を重んじる
集団農耕型ムラ社会を発達させてきました。

この伝統は守るべきものではありますが、
競争の激しい資本主義社会にはマッチしていません。

ここでも生き方と働き方を分けて、
ムラ社会に生き、資本主義社会に働く、
といった使い分けが求められているのでは、
と感じました。


私個人の考えとしては、各社員の等級や基本給は
社内公開情報でかまわない、とさえ思っています。

公開できないのは、給与制度が不公平であることを
会社が認めているようなものだと感じます。
(プライバシーの問題ももちろんあるでしょうけど)



記事紹介

高橋ひろあき | 学びのアウトプット士 さんも
同じような経緯で入手し、
期待とのズレを感じられたようです。

とはいえ、学びの多い本であることに
変わりはありません。

上記の投稿では、図解も交えて
わかりやすく解説されていますのでぜひ。



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