紺野渚

ここは私のインターネットです。

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最近の記事

新婚旅行記2

新婚旅行初日:新千歳空港→小樽 起床。自業自得の寝不足。腫れた目。むくんだ顔。血色の悪い肌。昨夜の諍いによる若干の緊張感を伴いながら、夫と礼儀正しいコミュニケーションを取り合う。大丈夫、まだ持ち直せる。暗黙で互いに空気感を確かめ合う。大丈夫、ギリセーフ。 伊丹空港発、新千歳空港着。たぶん空港内では私が一番薄着だ。レンタカーを借りる。目指すは小樽。 高速に乗った瞬間、豪雨に見舞われる。警報出てんじゃん。視界も悪くて運転もしづらい。「雨すごいね」「うんすごいね」をリピートす

    • 新婚旅行記

      新婚旅行前日:関西 仕事が忙しすぎて疲労困憊。シルバーウィークの間の平日を埋めるように有給取得したはいいものの、現実問題、最低限の業務すら終わらない。出発前日の夜まで休日出勤をしてなんとか帳尻を合わせる。おかげでパッキングもギリギリになった。旅先でのプランは決まっていない。辛うじて宿と車と飛行機は押さえてある。好きな言葉は計画性、嫌いな言葉はその場のノリ。国内だからどうとでもなるとはいえ、今の状況は私にとって最悪だった。そこに加えて台風による低気圧。心身ともに不調の中、しょ

      • ありがとう

        9月9日。仕事に追われてほうほうのていで過ごしてしまったけれど、そうだ今日は9月9日だ。全然サニーデイではない、むしろ曇天だった。 ELLEGARDENの曲たちとは、青春時代を共に過ごした。一枚のアルバムを擦り切れるほど聞いて、英語はわからないけど雰囲気で口ずさんで、時々歌詞を見ながらノートに書き留めた。 10年の活動休止を経て活動再開させたのが、4年前。そして今年の9月9日、16年ぶりの新曲を発表した。感慨深さでどうにかなってしまいそう。 サブスクの配信と共に公開され

        • ダブルウェア

          盆休み前日 職場の同じチーム内でコロナの罹患者が発生。肚を括ってあらゆる仕事を持ち帰れるようにする。抗原検査キットをドラッグストアで探すが、一つも見つからない。 盆休み1日目 症状はないが、朝一に自費でpcr検査を受ける。強く蹴れば壊れてしまいそうな簡易的な建物に並ぶ。時期が時期なので、朝一なのにそれなりの列。通行人にチラチラ見られる。たぶん、私があなたでもそうするよと思う。 無料の検査もあったけれど、結果を早く知りたいから有料で受けた。 容器にストローを刺して唾液を溜める

        新婚旅行記2

          定点観測

          結婚して一年と少しが経った。 入籍して一ヶ月後に彼の住む部屋に転がり込み、クソ暑い夏を1Kの部屋で二人で過ごした。シングルベッドに二人で寝るのはもうこりごり。ハローワークで失業保険を受給した。図書館で本を読んだり、勉強したりして過ごした。あとは料理。働いてない負い目から、下手なくせに品数だけは多く作ろうとしていた。 二ヶ月後に閑静な住宅街にある新居に越した。絵に描いたような閑静な住宅街だ。ファミリー層、新婚世帯の多いマンション。あちらこちらからキッズの泣き声が聞こえてきて

          定点観測

          私の強みは、

          転職エージェントと面談をした。 ちょっとしたミスで、めちゃくちゃエージェント登録してしまい、圧がすごい。両手両足にエージェント。なんなら、企業に応募したと思ったら、エージェントに登録されていた。エージェント会社のサイトを見て、めちゃくちゃ志望動機書いてしまった。訳わからん。トラップじゃん。 で、今日初回面談があり、希望職種や待遇についてひとしきり伝えたあとに、エージェントから言われた一言。 「私が思う、紺野さん(私)にある強みは、結婚されていることです」 …。 「例

          私の強みは、

          約一ヶ月

          急に何もかもが嫌になった。何もかも。全部。全て。就活開始から約一ヶ月。 だから、エージェントのメールへ返信後即通知をオフにした。普段即レスしてるから許してくれ。ささやかな反抗。 縋れるものを指折り数え、自分の価値はこんなもんじゃ決まらないぞと虚勢を張り、なんとかならないことなんてないと言い聞かせるが、じわじわと心がすり減っている。胸の奥に鉛の塊がつっかえて取れない。 昨日は久しぶりに会う友人と遊んだ。楽しかったけど疲れた。時々お互い不機嫌になり、無口になる。楽しいと楽し

          約一ヶ月

          マットレス

          新居が決まった。それに伴って、新しいマットレスを購入した。正確には、購入してもらった。高級なやつ。 結婚する前、私は実家暮らし、彼は一人暮らしだった。結婚してから一ヶ月後、私は彼の1Kの部屋に転がり込んだ。本当は最初から新居で二人で暮らしたかったが、流行病のせいで物件探しをすることが難しかった。だからとりあえず一緒に暮らして、その後部屋を探すという段取りを選んだ。 いい年した新婚のアラサーの男女が、8畳ほどの部屋で二人で暮らす生活。初めは同じシングルベッドでギュウギュウと

          マットレス

          マクドナルド

          涙が流れるほど嫌な気持ちを久しぶりに経験した。一人でおいおいと泣いた。悲しくて、腹が立って、悔しくて、情けなくて、申し訳なかった。 泣いたあと、マクドナルドに行った。ナゲットを買ってきてねと、昨日の夜、彼に頼まれていた。私はノースリーブの薄い緑のワンピースに着替えた。一人で沖縄へ行く前に買った、お気に入りの服。カーディガンは着なかった。それから、好きな友達からもらったシャネルのリップ。彼からもらった、ダイヤがたくさん付いた結婚指輪。BGMはエレファントカシマシのEasy G

          マクドナルド

          新婚生活

          朝からいい天気だから、洗濯機を3回回した。コンロやトイレ、シンク、風呂場の掃除もしたし、掃除機もかけた。昼食は、残り物じゃなくてカレーうどんの糖質0麺バージョンを作った。本を一冊読んだ。「何かした自分」に安心するために。 * 入籍から一ヶ月と3週間、同居を始めてから2週間ちょっとが経った。飯を作り、掃除をし、本を読み、面接対策をし、料理のレシピを集め、彼が帰ってきたら一緒にテレビを見、一緒に寝、朝は彼を見送る日々だ。 信じられないくらい穏やかだ。狂いながら働いていたあの

          新婚生活

          明日は何して明後日は何して

          なんでこんなめでたいイベントで、こんなにも自己嫌悪に陥らないといけないんだ。 おまけに今日は雨、低気圧、最悪。それでも朝からなんとか着替えて化粧をし、荷物をまとめた。 腹は減るのに食欲はわかない。まあ、食べたんだけど。 AppleMusicも、さっきからシケた曲ばかりシャッフルで流してくる。やめてくれ。かと言って、今は明るい曲に耳を貸せる気分じゃない。 明日は出ていく私と入れ替わりに、姉が帰ってくるらしい。住所も職場も連絡先も知らない、何年も関わっていない姉。へえ、高

          明日は何して明後日は何して

          出発まであと2日

          明後日家を出ていく。 結婚祝い金をまとめて口座に振り込みに行ったのだが、同居の祖父母からの金額が、思った倍以上あって、驚くとともに苦しくなった。祖母には今日、「あんたが幸せでおってくれさえしたらええんや」と言われた。「また帰ってきいよ」とも。 母も、これまで私のために貯めてきた貯金の存在を明かしてくれた。 ああ苦しい。苦しい。こんな人間であることが恥ずかしい。立派な孫じゃなくて、娘じゃなくて、ごめんなさい。ろくに口もきけなくなってごめんなさい。それでも優しくしてもらって

          出発まであと2日

          東京まで片道4時間、往復3万円

          私が今住んでいる地元から東京駅までは、新感線を使って片道4時間、往復で3万円。遠いとか高いとかではなく、これは私の中で一つの単位になっている。 例えば大阪に遊びに行くときなら在来線で2時間かかるから、「東京の半分だな」と思うし、近場のフェス2日通し券が1万5千円だとしたら、「もし東京会場だったら、この倍の金額が交通費プラスだな」と思う。 幼い頃ディズニーに家族で出かけたとき、最終日は昼過ぎになったらとっとと駅に向かっていた。入場したばかりなのに、と残念に思っていた。しかし

          東京まで片道4時間、往復3万円

          晴耕雨読の雨読だけ

          朝から低気圧で動けなかった。無職だから動く必要もないので、ベッドで読書をした。ペンギンハイウェイ。私も大学時代は京都だったから、森見登美彦の本にはお世話になっていた。 今日は月末で図書館が休みだ。おまけに雨。金も行くあてもないが、家にも居辛い。そういえば今日はボーナス支給日だ。かりそめの職場からも、雀の涙のような金が振り込まれてるはずだ。氏名変更もして新しくしたことだし、通帳記帳しにいくか。ついでに、スーパーで段ボール箱を調達しよう。引っ越し準備さすがにそろそろしないと。そ

          晴耕雨読の雨読だけ

          月曜日の滝

          最近頑張ってるご褒美に、滝を見てきた。 無職は頑張ってるのハードルが低い割に、ご褒美が豪勢になりがち。土日はなんだか肩身が狭い分、つい月曜日はイキイキしてしまう。 本当は海が見たかったが、最寄りの海はきれいじゃないし、遠出するのも高速代が馬鹿にならない。道もあの方面は混む。近くのフラワーセンターでもいいけど、花って気分でもない…。そこで、家から2時間弱の滝を目指した。悩んだら滝。 * その滝は、昔よく家族で来ていたキャンプ場近くにあった。近くの湧き水も有名で、来るたび

          月曜日の滝

          元交際相手との記憶

          ※あくまで私の話です、他の人の話はしていません。 恋人に別れを切り出したい、でもここで別れると次の人を見つける気力もない、なんだかんだ悪い人ではないし、私のことを好きになってくれる人なんてもう現れないかもしれない…せっかく今まで付き合ってきたのに…。 交際の終盤、だいたいこのパターンでラスト数カ月を過ごしていた。惰性ともったいなさで食い止める関係性。とっくに好きじゃなくなってるのか、一時的なものなのか、自分の気持ちなのに、曖昧。 この頃になると、何もかもが嫌になってくる

          元交際相手との記憶