新婚旅行記


新婚旅行前日:関西

仕事が忙しすぎて疲労困憊。シルバーウィークの間の平日を埋めるように有給取得したはいいものの、現実問題、最低限の業務すら終わらない。出発前日の夜まで休日出勤をしてなんとか帳尻を合わせる。おかげでパッキングもギリギリになった。旅先でのプランは決まっていない。辛うじて宿と車と飛行機は押さえてある。好きな言葉は計画性、嫌いな言葉はその場のノリ。国内だからどうとでもなるとはいえ、今の状況は私にとって最悪だった。そこに加えて台風による低気圧。心身ともに不調の中、しょうもないことで夫と言い合いになる。そのさなかに日付が変わり、夫が誕生日を迎える。渋々「……誕生日おめでとう」と伝える。負けず劣らず渋々「……ありがとう」と返される。しばらくして、表面上、和解。

やってられっか。あーあーあー、もう行きたくない。

その言葉だけはなんとか飲み込む。

一部始終を友人に愚痴る。行ったら行ったでなんやかんや楽しいはず、となだめられる。分かってる、どうせなんやかんや楽しいはず。でも今この瞬間の苛立ちと疲れが耐え難い。

背中を向けて眠る夫の寝息。スマホを見てブルーライトでギンギンになった私の脳。

台風で飛行機飛べなくなったらどうしたらいいんだろう、多分そういうのも今調べとくべきなんだよな。でもそんな気力ありゃしない。あーあーあー、やってられっか。やってられっか。なんでこんな気持ちになんなきゃなんないんだ。てかそもそも空港までの電車は動くのか。あーあーあー。

被害者意識が膨らむ。ムクムク膨らむ。

どうせ何も考えられないならとっとと寝るべきだとは分かっている。眼精疲労が訪れるのを待ち、結局2時くらいに寝た。

つづく。

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