見出し画像

東京まで片道4時間、往復3万円

私が今住んでいる地元から東京駅までは、新感線を使って片道4時間、往復で3万円。遠いとか高いとかではなく、これは私の中で一つの単位になっている。

例えば大阪に遊びに行くときなら在来線で2時間かかるから、「東京の半分だな」と思うし、近場のフェス2日通し券が1万5千円だとしたら、「もし東京会場だったら、この倍の金額が交通費プラスだな」と思う。


幼い頃ディズニーに家族で出かけたとき、最終日は昼過ぎになったらとっとと駅に向かっていた。入場したばかりなのに、と残念に思っていた。しかし子どもにとってその後の4時間は、今より長かった。その頃は往復3万円というのは知らなかった。

大学生でディズニーやフェスに行くときには、もっぱら夜行バスだった。半額の値段くらいで、寝てるうちに着けるのは、時間も無駄がなく、財布にも優しかった。今はもう流石にしたくない。腰が死ぬし、貧乏くさい気持ちになってしまう。


話は変わるが、カップルがサプライズでディズニーチケットを用意してるあれ。あれは、地元から関東か、そうじゃないかで随分意味が変わってくる。日帰りで行けるようなところに住んでるならチケット代だけで済むが、他の場所だと交通費と宿泊費が馬鹿にならない。往復3万円も宿泊費も負担してくれるのか?チケット代より、よっぽど交通費を心配してしまう。私はディズニーデート経験はないので余計なお世話だが。


片道4時間、往復3万円。テレビに映る東京のニュースは、私にとってはどうしても他人事になりがちだ。自分の生活とは地続きではない感覚。そこに生まれて一生を終える人がいるなんて、なんだか不思議な気持ちになる。東京が地元って、どんな感じなんだろう。他の地方都市や政令指定都市に対してはそんなふうに思わないのに。

そんな東京に、ここ数年のうちに転勤があると彼に言われたのは去年のことだ。東京にいる自分は全く想像できないが、なるようになるんだろう。いらぬ心配をしても、体に悪いだけだ。不確定な未来から目をそらし、今週末の、彼の家への引っ越し準備をしている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?