出発まであと2日

明後日家を出ていく。

結婚祝い金をまとめて口座に振り込みに行ったのだが、同居の祖父母からの金額が、思った倍以上あって、驚くとともに苦しくなった。祖母には今日、「あんたが幸せでおってくれさえしたらええんや」と言われた。「また帰ってきいよ」とも。

母も、これまで私のために貯めてきた貯金の存在を明かしてくれた。

ああ苦しい。苦しい。こんな人間であることが恥ずかしい。立派な孫じゃなくて、娘じゃなくて、ごめんなさい。ろくに口もきけなくなってごめんなさい。それでも優しくしてもらってごめんなさい。家をむちゃくちゃにしてごめんなさい。

去る間際になり、いろいろな場面で家族の愛情を痛感し、情けなくてたまらない。かといって、もう今更素直に感謝もできない。胸が一杯になる。涙がにじむ。

この家をせいせいした気持ちで出て行きたかった。あばよ、と。彼への愛情と、未来への期待を胸に、前だけを見ていたかった。それなのに。ああ、苦しい。

仕事が苦しかった時期、あんなにも泣き喚いて文字通り大暴れして、迷惑をかけたのに。その後も会話もろくにせず、そのくせ飯だけはしっかり食べる、都合のいい甘い人間だったのに。

抗いようもなく、ここは私の家なんだ。

結婚をして、彼とうまくやっていけるのか。私はいつ金銭的に自立できるのか。家事はちゃんとできるのか。実家に彼を連れてきて、家族と共にもてなせるのか。子供はどうするのか、どうなるのか。住む場所は、どうなるのか。母が老いたその先、家はどうなるのか。

私は、ちゃんと人生をやり直せるのか。

これは全部マリッジブルー。