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晴耕雨読の雨読だけ

朝から低気圧で動けなかった。無職だから動く必要もないので、ベッドで読書をした。ペンギンハイウェイ。私も大学時代は京都だったから、森見登美彦の本にはお世話になっていた。

今日は月末で図書館が休みだ。おまけに雨。金も行くあてもないが、家にも居辛い。そういえば今日はボーナス支給日だ。かりそめの職場からも、雀の涙のような金が振り込まれてるはずだ。氏名変更もして新しくしたことだし、通帳記帳しにいくか。ついでに、スーパーで段ボール箱を調達しよう。引っ越し準備さすがにそろそろしないと。その後は、適当にドライブしよう。ペンギンハイウェイの父子みたいに。


目的が見つかると体も動く。軽く化粧をし、ユニクロのパンツにバンドのTシャツ。今日はceroだ。胸ポケットがかわいい。

スーパーへ行く。山積みの段ボール箱を、少しずつ車に運ぶ。雨だからやりにくいが、運良く入り口近くに駐車できた。後部座席いっぱいに積むのは、なんだか泥棒の気分でドキドキした。

さて次は銀行へ、といきたかったが真逆の方向だからめんどくさくなった。代わりに気になっていた喫茶店へ行くことにした。ネオンサインがかわいい喫茶店。ギリギリランチもいけるかな。大きなパフェが有名だから食べたいな。


店は、平日昼間ということもあり人は少なかった。フカフカの真紅のソファ席に座る。天井の灯りもレトロ。迷った末に頼んだのはランチメニューのハッシュドビーフセット760円。本を読んで待つ。

ハッシュドビーフは、めちゃくちゃ美味しかった。レトロな喫茶店で食べているという事実が余計にそう感じさせた。プラシーボ勝ちだ。サラダとスパゲッティもついて、ボリューム満点、満腹満腹。パフェなんてとても入り切らないが、時間をおけば食べれるかもと思い、読書の続き。久しぶりに読む、辻村深月の凍りのくじら。この人、思春期の人間のどろどろした心情の描写がやけに上手いんだよな。教育学部出身ということもあり、学校や教師の描き方も、リアリティがある。だからこそ、個人的に昔と今では、作品の捉え方が変わってきた。

途中寒くなってきたので、パフェは諦めて温かい飲み物を頼む。ホットレモン。思った以上に酸っぱかった。砂糖をドバっと入れると、重さで薄切りのレモンが傾いた。こういう喫茶店ではゆっくり飲むのがかっこいいと思うが、私は早食い早飲みだから、本を読み終える前に飲み終わってしまった。小説のラストは、辻村深月らしい伏線回収だった。

二時間半ほど滞在してしまった。せっかくキャッシュレス還元の最終日だからと思いクレジットカード決済をしようとしたら、ペイペイしか対応してなかった。そんなことあるんだ。現金で払った。


帰ってから、結婚祝いをくださった前の職場の方々とやりとり。お返しをしたいので住所を伺いたかったが、そろいもそろって丁重に断られた。モヤモヤするが、他の方にこっそり住所を聞くのも気が引ける。こういうのって、難しいな。

夜は引っ越しの荷造り。服をギュウギュウに詰めたが、もしかして衣装ケースに入れたらいいのでは?と気づく。明日やろう。


なんてことのない一日で、なんだか落ち込んでしまった。今年も半分が終わった。嘘だろ?何も成してない。

と思ったが、年始に両家顔合わせをし、ある程度の労働もし、半年後の今月頭には予定通り入籍もしていた。去年よりは貯金もしてるし、悪くないじゃん。順調、順調。なんなら今回の退職だって、計画のうちだ。順調、順調。

半年後の年末には、どこでどんな風に過ごしているんだろうな。彼と新居にいるのか、実家にいるのか、はたまた年越しのフェスか、いつもの友人たちと旅行か。とりあえず、粛々と生きる。

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