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「ZZガンダム」で学ぶ、バリキャリ女性が幸せを掴みにくいワケ

「このキュベレイ、みくびっては困る!」「恥を知れ、俗物!」

✔アニメ界きってのバリキャリ女性代表「ハマーン・カーン」

 ジオン高官の娘⇒14歳でシャアの恋人⇒19歳でネオジオンの総帥⇒22歳で戦死…とすさまじく太く短すぎる人生を遂げた、ハマーン・カーン(CV:榊原良子)は、何を隠そう、みみのすけがガンダムでは一番好きなキャラです。

 このハマーンは、ずば抜けた統率力と頭脳と、ニュータイプ能力と美貌と権力、そして魅力を持っているのですが、残念ながら決して幸せにはなれなかった女性です。

 つまり、女性が女性としての幸せがをつかみ取るには、そういうありとあらゆる要素は、実はあまり関係ないという証左です。別に、女性としての幸せを、「本気で」必要としていないのならそれでよいのですが、ハマーンはそれを欲していました。

 ハマーンは、高飛車で命令しかできないし、どう見たってイヤな女のはずなのですが、なぜか、イライラするどころか魅力的にみえてしまうのは、美貌のせいだけではありません。

「女を前面に出してない」「男に媚びてない」「気品と知性を兼ね備えている」このあたりは、初代ではセイラさんZではエマ中尉がそうでした。同性視点で不愉快にならない、貴重なガンダム女性キャラたちです。

セイラさんも、エマ中尉も、ハマーン様も、3人共育ちが良いバリキャリです。つまり、男性から雑に扱ってはいけない女性だ!と思わせるものがあるということですね。(ただし、うかつに口説けない感じもありますが)

 特に、セイラさんとハマーンは、あらゆる資質を持っていながら、女性としての幸せはついぞ手に入らなかった2人です。セイラさんは、そもそもそれを欲してはいませんでしたから、それでよいと思います。それも生き方ですから。

 ですが、先ほども上げた通り、ハマーンは望んでいたものの、手に入れられられなかった女性です。ですので、ハマーンを紐解くと、現代の働く女性、特に、バリキャリ女性で、幸せな結婚を望んでいるのに得られない方との共通点が見えてきます。

✔シャア・アズナブルが望む女性は「母親」

 冒頭でサラっと書きましたが、ハマーンは14歳の事シャアと付き合っていました…が、シャア(CV:池田秀一)はハマーンを捨てました(←ハマーンの認識。シャアは捨てたとは思ってないはず)。

 おそらくですが、シャアはハマーンのニュータイプ素質を知り、この「美少女+ニュータイプ能力」=ララァ・スン(CV:藩恵子)という計算式で判断して、ララァの代替え的に付き合ったものと思われます。

 シャアという男は一見魅力的な大人の男性に見えますが、ただのロリコン×マザコンで、どちらかというとマザコン要素が強いです。少女だろうがなんだろうが、女性に母性…というよりも明確に母親の身代わりを求めます。

 逆襲のシャアにおいてアムロ(CV:古谷徹)に「ララァ・スンは私の母になってくれたかもしれない女だ!」と叫んでいたことと、ナナイ(CV:榊原良子)のことを、ギュネイ・ガス(CV:山寺宏一)に「ナナイは私に優しいしな」と言っていたことや、ナナイのシャアへの接し方を見ても分かります。(一見こんなオトナの夜に見えても、シャアはナナイを「ママン」だと思っています…)

 ナナイは、シャアがロリコン×マザコンであることは見抜いていた上で、母親役をうま~く演じて、シャアに取り入りました。ナナイが15歳くらいだったら、シャアはナナイに本気になっていたと思います。ナナイがクェス(CV:川村万梨阿)に苛立ったのも、シャアがロリコンだと分かっていたからですね。

✔ハマーンとシャアがうまくいかなかった理由

 一方でハマーンが求めていたのは「頼れる兄」でした。シャアの妹であろうとしたのだと思います。2chのガンダム関連スレで、ハマーンのヘアスタイルはセイラを真似たものであるという書き込みを見つけて、納得しました。「シャアへの思いも、兄のように慕っていた気持ちが恋愛に発展したもの」というのは、あながち間違ってはいないと思います。

 つまり、ハマーンは元々、相手を甘えさせるより、男に頼りがいを求めて自分がガッツリ相手に甘えたいタイプであり、シャアも母親のような少女に自分がガッツリと甘えたいタイプですから、どちらも甘えたいタイプなので、うまくいくはずがありません。

 しかもハマーンは、気が強くて執着心が強い上に、好きな男に素直になれないので、男にとってはかなりめんどくさいタイプです。マシュマー(CV:堀内賢雄)のように、ただ崇め奉るくらいの距離感がちょうどいい女性と言えます。

 ハマーンの拗らせ度合としつこさ度合は、ZZの主人公ジュドー(CV:矢尾一樹)に対して発揮されます。気に入った相手への執着心がすごいです。ジュドーのことなどお構いなしに、自分の状況も立場も関係なく手に入れようとします。恋愛感情でというよりも、自軍に引き入れたい感じでではありますが。

 ですが、ジュドーは非常に妹思いで、とにかく妹を守り、精神的な強さも持ち合わせています。シャアと似た感じがするものの、シャアと真逆の頼りがいのあるジュドーは、ハマーンにとっては「やっと見つけた理想の男!」なのだと思います。とはいえ、ジュドーはまだ少年で、さすがに恋愛対象にはなり得ませんでしたが。

✔バリキャリ女性が望む理想の男性が「落とし穴」

 ハマーンや、先日取り上げたレコアが陥る不毛な恋愛は、多くのバリキャリ女性のそれと似ている気がします。社会的成功を収めていたり、地位が高かかったり、高収入だったりする女性の中には、比較的レコアのように苦労してきた女性は意外といます。ハマーンも元はお嬢様ですが、ネオ・ジオンを設立させるまでは辺境で苦労しています。

 この、苦労して成功したバリキャリ女性は、他人からは「強い女性」「しっかりした女性」に見られがちで、どちらかというと、シャアのような「自分が甘えたい、頼りたい男」が寄ってきます。

 先日も書きましたが、レコアもシャアと関係がありましたが、ただのセ〇レでしなかく、シャアは、聞き分け良くてそれなりに甘えさせてくれるから、レコアと関係を続けていたものと推察します。(要は都合のいい女ですね)

 しかし、本当はバリキャリ女性ほど、実は、ものすごく男に頼りたいと思っていいるけど、自分がすがれるような男はなかなかいないのです。そういう女性が「素敵」だと思う男性は、たいてい結婚しているからです。

 一般的に女性は、全てが自分よりも上の男性を望む傾向があります。収入、身長、地位、会社のステータス、ルックス…。それは恐らく、少しでも優秀な子孫を残したいという本能のようなものだろうと思いますが、そういう男性からさっさと先に結婚していくので、婚活を始めるのが遅くなるほどに、理想の相手との縁が遠のいていくのは道理なのです。

 そうすると、こういうタイプの女性が魅力を感じやすい男性で、独身男性というと、大半はシャアみたいな「ズルい男」=遊びで付き合いはしても、真剣交際や結婚する気はない、みたいな男しかいません。お互い割り切っているならいいですが、結婚を望んでいる女性にとっては、こういう男とのつきあいは時間の浪費でしかないので、気をつけましょう

✔バリキャリ女性が幸せを掴むには

 もう一つバリキャリ女性にとっての悲報は、バリキャリ女性が好みそうな、「自分よりも全てが上」というような男性は、そういう女性を選ばない傾向があるということです…。

 こういう男性は、だいたい20代に大学時代とかから付き合ってた女性や、遅くとも20代のうちに知り合った女性とサクッと結婚している事が多くて、その女性は、どちらかというと、バリキャリ女性の対局に位置する女性であることが多いです。

 なので、バリキャリ女性が幸せを掴むには、セイラさんのように女性としての幸せは求めないで生きるか、もしくは、男性に求める理想を見直すことです。(投資家として悠々自適に優雅に暮らすセイラさん↓)

 「理想を下げる」ということに難色を示す方も多いですが、そもそも「理想を下げる」という考え方がおこがましいのではないかと思うのですよね…。

 そうではなく、結婚したくてもなかなかできないでいる人の多くは、キャリアや男女問わず、そもそも掲げている理想自体が間違っている事が多いので、その理想を見直してみることをおススメします。自分の理想通りの人と結婚すること=幸せではないのですから。

 ハマーンは、結局、手に入れられなかったものの、ジュドーに会えたこと自体が幸せだったのではないでしょうか。だから最期の「あなたに会えてよかった」は、ジュドーに向けた、最初で最後の素直な本心だったのだと思います。

 幸せは、結婚するとか、好きな人と結ばれることだけではありません。自分が本当に幸せだと感じることは何なのか、自分にとっての心地よい環境はなんなのかを、自分の心のうちにしっかり問うことをお勧めします。

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