あねごん

小説やエッセイや詩を読むのが大好きです。 自分でも書いてみたいと思いnoteを始めまし…

あねごん

小説やエッセイや詩を読むのが大好きです。 自分でも書いてみたいと思いnoteを始めました。 育児の合間の気分転換にエッセイを書いています。

最近の記事

幼なじみの死がLINEグループを作らせた話

幼なじみのしーちゃんが37歳で亡くなって3年が経った。 大腸ガンだった。 手術も、つらい治療も、あんなに頑張ったのに・・・ 「肝臓にたくさん転移しちゃった、もう打つ手がないって・・・」と泣きながら掛けてきた電話が、彼女の声を聞いた最後だった。 何も、本当に何も、気の利いたことが言えなかった。ただ一緒に泣くことしかできなかった。 小学校時代からの仲が続いていた私を含めて4人の幼なじみたちは、別々の土地で暮らしていて気が向いたら手紙のやり取りをする程度の付き合いだった。

    • 学校で声を出さない希江ちゃんと友達になって分かったこと

      小学校4年生のころ、クラスに全く声を出さない希江(きえ)ちゃんという女の子がいた。 私は声の大きな活発な子が苦手だったこともあり、おとなしい希江ちゃんのことが気になるようになった。 希江ちゃんは個人的な「おはよう」も言わないし、授業中みんなで声を合わせて何かを言うときも黙っていた。 最初は不思議に思ったけれど、一切話さないというちょっとミステリアスな部分が私の好奇心を刺激して声をかけてみたいと思うようになった。 2人1組学校ではよくある「2人1組になって」という指示。

      • 「電話かけないで」と伝えたら友情が深まった話

        「あなたの力になりたい」 今までの私は、そう言ってくれる人の好意に応えるのが負担だった。 「子育て大変でしょう?」「孤独になってない?」 優しい人たちがLINEで心配してくれる。 先日親子で熱の風邪をひいた時の話だ。 娘はとても敏感で発達を心配されているのもあり、同じようなお子さんを持つママ友が何人かいる。みんな大好きだ。でも・・・ 「最近家から出てないんじゃない?みんな心配してるよ。もちろん私も。元気になってほしいな。電話したいから、空いてる時間教えて」 私は文章

        • シルバニアファミリーショーで企業の思惑にはまった話

          近所の住宅展示場で行われた、シルバニアファミリーショーに行って来た。 アンパンマンショーや戦隊ヒーローショーの日は、駐車場に入りきれない車の列で道路が渋滞してしょうがない。 しかしこのシルバニアファミリーショーは、ファン層が限られているのか、渋滞どころか5分前に行っても前の席に座れるくらいだ。 敏感で人混みが苦手な5歳児を抱える我が家としては、大変ありがたい。 娘はとにかくうさぎが好きだ。理由はこの世で一番可愛いからだそうだ。 さらにきれいなレースやリボンやお洋服など

        幼なじみの死がLINEグループを作らせた話

          「内緒だよ」の一言がもたらした傷

          出産してから、自分が子どもの頃のことをよく思い出すようになった。 自分の子どもを育てるうえで忘れたくないことを思い出したので、ここに書いておこうと思う。「内緒だよ」の一言の重さを。 お年玉の思い出父方の親族、特に叔母やいとこ達とは仲が良く、数ヶ月に一度は会って遊んでいた。毎年のお正月も、当然のように祖母や叔母家族と過ごした。おばあちゃんからは毎年お年玉をもらっていたが、叔母や叔父からはもらった記憶がない。というのも親戚間でのお年玉制度は、なしにしようという協定が組まれていた

          「内緒だよ」の一言がもたらした傷

          珪藻土バスマットを使ったら洗濯物が増えた話

          ここ数年バスマットの洗濯が嫌になり、珪藻土バスマットの購入を検討していた。洗濯物は少ないに越したことはない。 でも昔「珪藻土(けいそうど)」という漢字が読めなくて恥ずかしい思いをしたことがあり、あまり良い思い出がなく、なかなか購入に踏み切れないでいた。こんな読めない漢字を使うような代物は、格好つけているだけでたいしたことないのでは?と思っていた。つまり自分の無能さを見せつけられたのが悔しかったのである。 「珪藻っていう漢字、難しくない?」と友人に尋ねると「どのあたりが?」

          珪藻土バスマットを使ったら洗濯物が増えた話

          他人に爪を切ってもらうのって怖いよね

          「ひぃぃぃぃぃ~~~~!!!!」 5歳の娘は、爪を切られるのを怖がって逃げまどう。 「大丈夫、痛くないよ。ママは上手だから失敗もしない(と思う)よ」 安心してもらうためにどんなに言葉を並べても、娘は一貫して、肩をすくめ身を縮め歯を食いしばる。体を硬直させて、早くこの地獄のような時間が過ぎることだけを考えているようだ。まだ自分で切れる年齢ではないし、かといって伸ばしておくわけにもいかない。それに代謝が活発だからなのか、子どもの爪は伸びるのが早い。かなりの頻度で娘は恐怖心と闘わ

          他人に爪を切ってもらうのって怖いよね

          高齢出産の悲哀、2019年は老いを受け入れた年

          30代後半で出産して、子どもの世話に明け暮れて数年がたった。 今年の春、鏡を見ると顔面が大変なことになっていた。肌はぼろぼろになり、見たことのない初対面の薄いシミがこぞって出てきていた。「はじめまして、こんなところに隠れていらしたのですね」である。出会いは大切にしたいと思っているが、こんな出会いはいらない。 夜泣きが数年続いた子どものためにろくに眠れず、24時間労働に励んできたのだから、肌の衰えは仕方ない。想定内だ。でも、昼夜を問わずこんなに働いているのに、体重が増えるの

          高齢出産の悲哀、2019年は老いを受け入れた年

          居心地の良い久しぶりのnote

          数ヶ月、ほぼすべてのSNSから遠ざかってしまっていた。 新しく仕事を始めたことや、手のかかる娘にもっと手がかかるようになって日常に追われ、心身にまったく余裕がなくなったためだ。 私の場合、余裕がなくなるとすぐに手放すのがSNSで、でも必ず戻ってくるのもSNSである。 久しぶりに戻ってきたnoteは、なんだか懐かしく温かい。 今日は皆さんが書いたものを読みあさり、やっぱり落ち着くな~、好きだな~と感慨に浸っている。 また細々と、特に役にも立たない何かを書き始めたくなった。

          居心地の良い久しぶりのnote

          隣人夫婦の喧嘩に思う

          隣の夫婦は週に一度の頻度で喧嘩している。喧嘩といってもいろいろあるが、怒鳴り合いに罵り合いという、激しい種類の喧嘩である。 うちはマンション住まいで、特に壁が薄いわけでもないし、普通に生活している分には隣人の話し声や生活音は全く気にならない。 しかし週一の大喧嘩だけは別なのだ。激しい言葉の応酬に、どちらかが怒ってドアをバタン!と閉める音。数分後また出てきて始まる怒鳴り合い。 喧嘩の細かい内容までは聞こえない。壁に耳を当てれば聞こえると思うがさすがにそんな趣味はない。

          隣人夫婦の喧嘩に思う

          ファミレスの裏側②デキる社員はとんだ浮気男だった

          店がピンチの時は素晴らしい采配を振るうも、深夜になるとあほみたいに腑抜けになる佐藤孝雄という名の社員。 深夜という人間らしからぬ時間に働いて頭のネジが飛んでしまったのか、控え室に22歳の女と2人きりという状況に何かが抑えきれなくなったらしい。 付き合ってもいない女性をいきなり背後から抱きしめて首筋にキスをする。 このようなシチュエーションは、ドラマかワイドショーの再現VTRの中だけの話だと思っていた。 私は現実のものとも思えぬ今の状況を、必死に理解しようとパニックにな

          ファミレスの裏側②デキる社員はとんだ浮気男だった

          ファミレスの裏側①夜勤明けの社員の驚きの行動

          昨日、昔のアルバイトのことを書いたら、急にとんでもないことを思い出したので書きたいと思う。 私は24時間営業のファミレスで、モーニングタイムのみウェイトレスとして働いていた。 出勤時間は朝の5時で、夜勤明けの社員やアルバイトと交代する時間でもある。深夜のファミレスの仕事は、オールで飲みに来るお客様の対応や、清掃、明日の準備などである。しかし本来人間が寝る時間に働いていると、だんだん変なテンションになっていくようだ。少なくとも私が働いていたファミレスの深夜ワーカーはそうだっ

          ファミレスの裏側①夜勤明けの社員の驚きの行動

          ファミレスの社員とは結婚しないと決めたウェイトレス

          高校生の頃からいろいろなアルバイトを経験した。初めてのアルバイトは、24時間営業のファミリーレストランでのウェイトレスの仕事だった。 通信制の高校に通っていた私は、日中は家業の手伝いもしていたため、ファミレスでは早朝に働いた。朝5時から9時までの4時間を週に5日。深夜帯の次に高い時給だったので、朝起きてしまいさえすれば割の良い仕事だった。 早朝の時間帯は客数も少ないため、ウェイトレスは私だけ。キッチンにもパートの女性が一人だった。「明るい時間とはいえ、ホールに10代後半の

          ファミレスの社員とは結婚しないと決めたウェイトレス

          93歳、奇跡の回復力

          「93歳でこの状況だと、あと数日から長くても一週間の命です」と医師に言われてから、もうすぐ3週間になる。 祖母は寝ている時間が多くなったが、起きている時間は食べたり飲んだりするまでに回復した。診察に訪れた医師は絶句している。 「もう食べられないはずなんだけど・・・あまりこういう方はいらっしゃいませんね・・・。いや~、驚いたな・・・」 93歳が重い肺炎から回復。珍しいことのようだ。 一週間かけて祖母の話を書くつもりだった。亡くなるその日まで、毎日祖母との思い出を綴りたいと思

          93歳、奇跡の回復力

          親族一同B型ですが何か?

          私の血液型はB型である。私の両親もB型、さらに父親の両親も母親の両親もそろってB型である。現在93歳の祖母はもちろん、私の父親を含めた祖母の3人の子どもたち全員がB型。さらに私のいとこ達も8割はB型だ。私の妹は貴重なO型である。 血液型で分かる性格などがあるのかどうか、私は専門家ではないので分からない。例えばB型はおおざっぱだとか、A型は真面目だとかよく聞く。でもそれで人を判断するようなことはあまりない。ただ親族一同B型となると、なんだか話は違ってくるような気がする。 ま

          親族一同B型ですが何か?

          「おばあちゃん、どうして生理用品持ってないの?」

          祖母との思い出は良いものばかりではなく、恥ずかしいこともある。多感な時期には何度か反感を抱いたこともあった。 祖母とは同じ県内に住んでおり、小学校高学年になると電車とバスに乗れば一人で祖母の家に行くことができた。初めて祖母のアパートに一人で泊まりに行ったのは小学校5年生の時だった。 私は思春期が比較的早く、ほとんどの子が中学生くらいで経験する親へ反抗や感情の起伏、世間への強い疑問などのややこしい感情を小学校5年生で抱えていた。家にいても悶々とすることが多く、一泊でも親から

          「おばあちゃん、どうして生理用品持ってないの?」