マガジンのカバー画像

詩ポエム

13
ふと書いた文章というか詩というかポエムというか、まぁ文章なんですけど ざっくりというと詩集です
運営しているクリエイター

#詩

月を見上げる

月を見上げる

満月を見た
奴は俺を笑ってるのか

笑ってたらなんだというのか
光ってるだけじゃないか

光りは神々しいもので
全身を癒してくれる

癒しは夜にもってこいで
己のふところが癒される

受容された月の光
受け流している俺の否定論

その感情の果てにあるのは
月を見上げる、俺の空虚

尊い君

尊い君

尊い君

愛を示したい、この気持ち

でも君は既に尊い存在で

お花畑には僕ひとり

最初から居ないことなんて、分かっていた

尊い君は、尊い君じゃなくて

僕はそれを、声から感じ取ることしか、できなくて

だから僕は

声の君しか、分からない

君がどんなふうに、どんな性格なのか

僕はそこから、感じ取れない

でも、それでいいさ

君の声で、僕は満足

お花畑は、それで満たされる

背中

背中

彼の背中は大きい

ずっと昔から見ていた、あの人の背中
今は、あの人なんて呼んでいるれど

昔はもっと、あだ名で呼びあっていたっけ

そんなあだ名は、何処へ行ってしまったんでしょう

彼の背中は、それを語っている気がする

私の前に座る彼は、私が知っているようで

私が知らないようで

ごく普通にクラスメイトと接している

かくいう私も

ただのクラスメイトの一人なわけで

特に感情は抱いてないわ

もっとみる
その手は何を掴みたい

その手は何を掴みたい

俺の手は、

何かをつかむためには
とても小さい

何かを掴もうとすることを始めてしまえば

手は掴もうと動き始める

それが何か大きなことでも
結局終わりまでそれは続いてしまう

そのうち、自分の手が、
違うものを掴もうとしていることに気づく

これを掴みたかったの?

これを本当につかみたかったの?

自問自答

掴んだ瞬間

月がたてば、
ああ、こんなものだったのかと手放してしまう

なら、

もっとみる
さよならの恋人

さよならの恋人

さよならを言われた恋人

自分にはかなわないと、隣で見たあの子をあきらめる

見切りをつけることは有能な証だ

感情に振り回されずに済む

最後に見たその人は、
傷ついた顔をくしゃくしゃにし、
まだ温かい涙を垂れ流して、橋の上から眺めていた

僕は手をかけようとするが
エゴの意識が邪魔をする

それをとってはならないと

だから僕は、この世界線を守ることにした

さよならを言われた世界線を。

もっとみる
白い世界

白い世界

頭が割れた

呪い殺されたような感覚

辞めろと叫ぶも、殺される

叫んだ先には、暗い崖

そこへ落ちて、落ちていく

でも、落下の感覚がなかった

ふと気づけば

真っ白な世界にいた

落ちたのか? 死んだのか?

分からない

前にいたところとは、違う感覚

不思議な

不思議な

温かい感覚

子供の自分を、思い出すような感覚

胸に手を当てると

ほんわかにあったかい感覚がした

全く知ら

もっとみる
白い砂浜

白い砂浜

目に見えるのは、白い砂浜
そこには一人で、笑う少女

麦わら帽子をかぶっている
裸足で一人、歩いている

麦わら帽子をかぶったその子は
裸足で砂を蹴り上げる

蹴った砂は白く散り
空に消えて、雲に流れる

麦わら少女は歩いていく
その足取りで、軽快に

楽しい夢でも膨らませて
少女は次の、場所を探す