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2022年2月の記事一覧

「30歳までに死」なない人達の話(陰火/太宰治)

太宰治に『晩年』という題名の小説はない。『晩年』は、作品十五篇を集めた第一創作集に付せられた総題であるのだ。(中略)太宰治は自殺を前提にして、遺書のつもりで小説を書きはじめたのだ。

――奥野健男『解説』p333より引用

こんなに、文字どおりじゃなかったことがあるだろうか。いや、ない。と、解説に辿り着いたぼくは訝しんだ。てっきり、未完の絶筆だとばかり。(でも、よく考えてみれば、『グッド・バイ』と

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遭難したときは、(ハイライトと十字架/kazumawords.)

遭難したときは、その場から動くべきじゃないらしい。それは、その通りなんだろうけど。助けが来ないことが、わかりきっていたら。自分でなんとかするしかないと、知ってしまったら。それでも、動かない方がいいんだろうか。



しんとしていた。音がなかった。そんな読後感だった。雪が静かに、切れ目なく降り積もり。気付けば、身動きできないほど埋もれている。よく見れば、それは雪じゃなく灰で。溶けてくれないし、どけ

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やさしいおでかけ、やさしい人(おでかけ子ザメ/ペンギンボックス)

やさしいおでかけ、やさしい人(おでかけ子ザメ/ペンギンボックス)

よくおでかけしている子ザメちゃんを、ぼくはツイッターで見かけるのを楽しみにしている。し、自分がおでかけするときも、「おでかけ子ザメ」をお供にする。楽しいおでかけになるように、お守りになってくれる気がして。

子ザメちゃんは、楽しいことを見つけるのが得意で、おでかけの道中で出会う人達と、すぐに仲よくなる。出会う人達がみな優しいのもある。けど、それは子ザメちゃん本人が優しいからだと思う。

キミのやさ

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