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2021年8月の記事一覧
どもるぼくと、時々どもる川(ぼくは川のように話す/ジョーダン・スコット,シドニー・スミス)
朝、目をさますと、
口のなかにはもう、
そんなやっかいな音が
つまっている。
――本文より引用
「その話し方って、わざと?」
と、言われたことがある。
「なんだか、甘えた感じの話し方ですね」
とも、言われたことがある。
自覚はない。ぼくは、ただ普通に話しているだけだ。それなのに、言いがかりをつける人がいる。しかも、一人や二人じゃなくて。
ぼくは、親しい人であればあるほど、滑舌がゆるく
夜を纏う、“寂しさ”と生きる――『小さな灯りと鉛筆で描いた線と』に寄せて
どこへも行けない“寂しさ”がある。それは、剥がそうとしても、振りほどこうとしても、付いて離れない。途方もない諦念と共に、肩の上にのしかかる。呼吸もままならない。“寂しさ”は、別の“寂しさ”を吸い込んで、さらに重くなる。どうしようもない。
膨れた“寂しさ”は、暗闇だ。目が慣れることはない。自分の姿もろくに見えない。恐れを遠ざけるには、目を閉じること。なにも見えない。なにも聞こえない。“寂しさ”は、